『The Sinner 隠された理由:ジェイミー』シーズン3 全8話 ネタバレなしの感想!

2021年9月18日

The Sinner シーズン3 

『The Sinner 隠された理由:ジェイミー 』シーズン3がアメリカでは3月26日に最終回を迎えましたが、日本のNetflixでの配信日はいつ?と思い、調べてみたところ、2020年6月19日にNetflixにて配信が始まります!

『The Sinner 』シーズン3もサスペンスが盛りだくさんのハラハラドキドキな秀逸な心理ドラマとなっています。ビル・プルマンがハリー・アンブローズ刑事役で今回も登場しています。

シーズン3の準主役は『ホワイトカラー』などで知られるイケメンアメリカン俳優のマット・ボマー。

シーズン1もシーズン2も高評価を得た『The Sinner 』シリーズ。今回、一足お先に『The Sinner 隠された理由:ジェイミー 』シーズン3 全8話を観ましたのであらすじ、キャストの紹介、ネタバレなしの感想をお届けします。

写真出典:USA Network

『The Sinner 隠された理由:ジェイミー』シーズン3 あらすじ

ある週末、ハリー・アンブローズ刑事は運転手が死亡したニューヨーク郊外の交通事故現場へ呼び出しを受ける。死亡した運転手の名前はニック・ハス。同乗者で軽い怪我を負ったのはジェイミー・バーンズ。二人は大学の同級生だった。

一見ただの交通事故にみえたが、事故車内部の様子、そして死亡したニックの携帯電話の電源がオフだったことから、ニックの事故死には何か隠された理由があるのでは、とアンブローズ刑事は勘づき捜査を始める。

事故現場に通じる道はソニア・バーゼルという画家1人が住むプライベート道路であるが、ソニアはニックもジェイミーにも面識がないという。

なぜ、ニックとジェイミーは彼女の家に向かっていたのか?ニックの事故死は殺人か?アンブローズ刑事は、今までにない危険で不穏な事件に引き込まれていくことになる。

©2020 Netflix The Sinner: Season 3 | Official Trailer

『The Sinner 隠された理由:ジェイミー 』シーズン3 キャスト

シーズン3のメインキャストの今回の役どころと、簡単な経歴をご紹介します。

ビル・プルマン(役:ハリー・アンブローズ刑事)

ビル・プルマン
写真出典:USA Network

役柄:鋭い観察力から数々の難事件を解決してきた優秀な刑事だが、一匹狼で警察組織の中ではかなり浮いた存在。

親子関係のもつれから幼少期以来暗い闇を抱えており、シーズン1、シーズン2とそれが少しずつ浮き彫りになってくる。今回のシーズン3でも鋭い直観力で事件を掘り起こしていく。


アンブローズ刑事を演じるビル・プルマンは、若い頃は「ラブコメ映画の主役の本命でない彼氏役」というポジションで名脇役という感じでしたが、この『The Sinner 』シリーズが代表作になったといっても過言ではないでしょう。

マット・ボマー(役名:ジェイミー・バーンズ)

The Sinner シーズン3 マット・ボマー
写真出典:USA Network

役柄:ニューヨークの郊外に住むイケメン高校教師。女子高生の間からはミスターBという愛称で呼ばれ人気がある。

妻は妊娠中で可愛い家に住み幸せに溢れているように見えるが、トイレでは隠れてマリファナをしているという・・・ある週末、大学の同級生ニックが運転する車に同乗中、交通事故にあう。


ジェイミー・バーンズを演じるのは、『 ホワイトカラー』のニール役でブレイクし、ドラマ『ノーマル・ハート 』でゴールデングローブ賞を受賞、エミー賞でもノミネートされたマット・ボマー。

私生活ではPR会社社長のサイモン・ホールズとの間に3人の子供を代理出産でもうけており、ゲイであることを映画の受賞のスピーチで公表しました。

ジェシカ・ヘクト(役名:ソニア)

The Sinner シーズン3 ジェシカ・ヘクト
写真出典:USA Network

役柄:ソニアは、人里はなれたニューヨークの郊外にスタジオを構える著名な画家。ニックとジェイミーが起こした交通事故を通してアンブローズ刑事と出会う。


そんなソニアを演じるのはアメリカ・ニュージャージー州出身のベテラン女優ジェシカ・ヘクト。

テレビドラマ『新スーパーマン』でデビュー。アメリカンシットコム『となりのサインフェルド』や『フレンズ』などに脇役として出演。2004年には、私が好きなコメディ映画『サイドウェイ』のビクトリア役を好演。

2012年、ブロードウェーの舞台『A View from the Bridge』ではトニー賞にノミネート。最近では、Netflixのシリーズ『スペシャル』のカレン役でエミー賞にノミネートされました。

クリス・メッシーナ(役名:ニック・ハス)

The Sinner シーズン3 クリス・メッシーナ
写真出典:USA Network

役柄:ジェイミーの大学時代の友人。ジェイミーの前に突然現れ、彼と彼の家族の人生を一変させてします。


ニックを演じるのは、ニューヨーク出身の俳優クリス・メッシーナ。

1998年の私の大好きな映画『ユー・ガット・メール』の端役で出演、その後は2007年から5年間続き数々の賞を受賞したテレビドラマ『ダメージ』のシーズン4の重要なキャラクター、クリス・サンチェズ役で一躍有名に。

最近では2018年のNetflixドラマ『シャープ・オブジェクツ KIZU -傷-』のリチャード役が記憶に新しいですね。

パリサ・フィッツヘンリー(役名:レーラ・バーンズ)

The Sinner シーズン3 パリサ・フィッツヘンリー
写真出典:USA Network

役柄:ジェイミーの妊娠中の妻で、街中にアロマキャンドルのお店を構える。


ジェイミーの妻を演じるのは、ジェマイカンアメリカン女優のパリサ・フィッツヘンリー。

2006年映画『ザ・ゲーム / EVEN MONEY』の端役でデビュー。その後はコンスタントにテレビや映画に出演。最近では『Harry & Meghan: A Royal Romance』のミーガン役を好演。

『The Sinner 隠された理由:ジェイミー』シーズン3 感想

The Sinner シーズン3
写真出典:indiewire

*最終的な結末はネタバレしてません。

ここでまず『The Sinner 』シリーズのおさらいをしましょう。

シーズン1では、ジェシカ・ビール演じるコーラが犯した殺人事件の真相をアンブロース刑事が粘り強く捜査したことでコーラの刑期を軽減することに成功し、世間からも優秀な刑事として認められます。

シーズン2では、彼の故郷で起きた若干13歳の少年による両親の殺人というショッキングな事件の捜査にあたる中で、アンブローズ刑事の抱える心の闇にも焦点が当たりました。

そして、今シーズンもハリー・アンブローズ刑事は、彼独特の直観力で事件の捜査に当たるのですが、彼の屈折した性格からどんどんと単独行動をし危ない事件に引き込まれていきます。

観る上でのキーポイントは、殺人の動機

このシリーズで共通していることは、まず早い段階で誰が犯人かが視聴者にすぐ分かってしまうのですが、お話のキーポイントが、殺人の動機「なぜ殺したのか?」という点です。

今回もマット・ボマー演じるジェイミー・バーンズが大学の同級生ニックの交通事故死に深く関わっていることが分かりますが、その動機「なぜ殺したのか?」をアンブローズ刑事は今回も容疑者に深入りしながら少しずつ解明していきます。

ニックとジェイミー

まず、マット・ボマー演じるジェイミー・バーンズですが、女子高生たちからはミスターBの愛称で呼ばれる人気教師なのですが、トイレでマリファナ吸っちゃうシーンがあったりして、しょっぱなから危ないことが好きなんだなぁ、という彼のキャラクターが紹介されます。

そして、自宅はニューヨーク郊外の可愛いおウチ。綺麗な奥さんは第一子を妊娠中という幸せにあふれた家庭ですが、ある晩にジェイミーの大学時代の友人ニックが自宅に突然現れたことで暗雲がたちこめます。

ニックは暗く陰湿な雰囲気を醸し出しており、ジェイミーの奥さんが、ドア越しに彼と少し会話をしただけで、「こいつヤバイ」と感じたのは確かです。

社交辞令で夕飯に誘ったら遠慮なしに家にあがり夕飯をともにするのですが、どうやらジェイミーにはニックだけが知る秘密があるということが分かってきます。

アンブローズ刑事は捜査を進めるにあたって、まずはニックの過去を調査。
大学時代は教授の記憶に鮮明に残るほど優秀だったことが分かり、社会人になってからも投資関連のビジネスを立ち上げ成功しているということが分かります。

一方、ジェイミーの性格は「意思が弱い」という表現がぴったり。
ジェイミーはなぜかニックの前にでるとニックの言いなりになり、そしてニックに心酔さえもしているかのよう。

ジェイミーとアンブローズ刑事

当初は交通事故のトラウマを抱える可哀想なジェイミーという感じでしたが、アンブローズ刑事は交通事故にキナ臭さを感じ捜査を進めジェイミーに接近していきます。

これが、いつものアンブローズ刑事のやり方。

容疑者に近づき過ぎて危険なめに合う。だからこそ、視聴者の私たちはハラハラどきどきしちゃうわけですよ。

そして、アンブローズ刑事は、容疑者の心のうちに自分自身が抱える共通の痛みや闇を感じ取ってしまうんです。容疑者に肩入れしすぎちゃうわけですが、決して自分が刑事であるということは忘れてはいません。

ただ単にアンブローズ刑事の好奇心というか、自分も苦しんでいるからこそ、容疑者の中に悩みの答えを見つけたい、と思ってしまうのではないでしょうか。

ソニアとジェイミーとニック

交通事故を起こす直前、ジェイミーとニックは画家ソニアの家に通じる道を運転していて事故に合ったわけですが、その道はソニアの家にしか通じていません。ソニアは彼らとは面識がなく、ジェイミーとニックがなぜこの道を運転していたのかも分からないと言います。

ソニアは著名な画家で、主に男性の裸体をモデルにしています。この点と何か接点があるのか?過去に彼らはソニアのモデルになった?なぜ、ソニアの家に向かっていた?などいろいろな疑問が浮かび上がってきます。

ジェイミーと妻レイラ

この夫婦は愛し合ってはいるけれど、ジェイミーは本当の自分を妻レイラにさえ隠し生活を続けています。
最後、ジェイミーが妻レイラに別れを言いに来るシーンがあるのですが、ライチャスブラザーズの名曲、『アンチェイド・メロディ』が私の中では流れてきましたよ~。『ゴースト/ニューヨークの幻』のデミ・ムーアとパトリック・スウェイジのドア越しに手を合わせるあの名シーンを彷彿させて、泣けました。

愛されたかったジェイミー

The Sinner シーズン3
写真出典:indiewire

ジェイミーは自分が犯す全てのことに色々と哲学的な理由を述べるのですが、根本的なところは「愛されたかった」からなのではないでしょうか?

ジェイミーもアンブローズ刑事も不幸な幼少時代を送っていて、父親の存在はないも同然だった。子供には必ず手本が必要です。そして、周りの大人が子供に与える影響は大です。その見本を私たち人間は捜し求めるわけですが、ジェイミーは大学時代に初めて知的で哲学的なニックに出会い彼の言うことすること全てに引き込まれていくのです。

アンブローズ刑事もそうです。自分の弱みを誰にも見せられず、自分の心のうちを誰からも隠して生きている。その生きづらさという共通点をアンブローズ刑事はジェイミーの中に見つけてしまうのです。

そして二人は敵対しつつも魂の奥底では繋がっているソウルメイトのような関係になります。

通常、刑事ドラマといえば、刑事と悪者という分かりやすい構図ですが、このドラマは違います。ジェイミーは段々と視聴者にとっても怖い危険な存在になってくるのですが、それでもなぜか100%憎めない、私の心の奥底に何かすっきりとしない、自分が決して認めたくないジェイミーに対する「共感」という感情さえもわきあがってくるのです。

ソニアとアンブローズ刑事

最後はハラハラして私は「指の隙間から観る」というお決まりの格好で見てしまったほど、緊張感が走りました。涙なくしては観れない最終回ですが、少しだけホッとしたのが最後のシーンです。

アンブローズ刑事が、ひょっとしたら彼の喜びも悲しみも分かち合えるソニアという存在に巡り合えたかもしれない。重いテーマの中にも少し希望がある、そんな『The Sinner 隠された理由:ジェイミー 』シーズン3でした。

どうかぜひぜひ、『The Sinner 』シーズン4を作ってください!!!お願いします!アンブローズ刑事にまた会いたいです。

*2020年6月19日よりNetflixにて『The Sinner 隠された理由:ジェイミー 』配信が始まります!