ティモシー・シャラメがウッディ・アレンを糾弾した本当の理由
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』が危うくお蔵入りになった経緯とティモシー・シャラメら出演者がギャラをチャリティーに寄付した経緯をここで詳しくまとめておこうと思います。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』お蔵入りの経緯
この映画が危うくお蔵入りになった経緯は、ウッディ・アレンの娘ディラン・ファローが再び父親ウッディによる性的虐待告発をし、同時期にハリウッド映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・レイプ問題に端を発する#MeTooムーヴメントが盛んであったことから、非難を浴び始めたことが発端である。
「再び」と書いたが、このディラン・ファローの性的虐待告発は28年以上も前の1992年に遡る。
当時ウッディのパートナーであったミア・ファローが、養女ディラン・ファローがウッディによって性的虐待を受けたと告発したのである。
当時、この事件はビッグスキャンダルとして報道され、コネチカット州警察から依頼を受けたエール大学付属の/New Haven Hospitaによって捜査され、結局不起訴となっている。
2017年12月、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』が撮影を終え編集作業に入る前、ディラン・ファローがロサンゼルス・タイムズに28年前のことについてステイトメントを載せたのである。
それを受けて映画は2019年にアメリカで公開されるはずであったが、配給元のアマゾンスタジオによってキャンセルされ、ウッディはアマゾンスタジオを契約違反として後に訴えた。
キャストメンバーがギャラを寄付
これに続き、映画キャストメンバーのティモシー・シャラメ、セレーナ・ゴメスらは映画で得たギャラを全てチャリティー団体に寄付し、また、以前ウッディの作品に出演したことがあるレベッカ・ホールやグレタ・ガーウィグらもウッディの映画に出演したことを後悔していると発言。*1
ティモシー・シャラメがウッディ・アレンを糾弾した本当の理由
そして、2020年3月に出版されたウッディの自伝「Apropos of Nothing」では、今回のキャストらの動き、特にティモシー・シャラメの件について触れている。(当初アシェット・ブック・グループ社によって自伝本は出版される予定だったが、告発問題が再浮上したことを受けてキャンセルされ、その後にArcade Publishingによって出版された。)
「ティモシーが、私の映画に出演したことを後悔していると発言しギャラをチャリティーに寄付した後、ティモシーは私の姉(ウッディのプロダクション会社の役員)に対してこう発言している。
彼が出演した映画『君の名前で僕を呼んで』でオスカー受賞の噂が出始め、彼のエージェントと相談した結果、前述のように私を非難したほうが受賞の可能性がある、と判断したためする必要があっただけだ、と。」
ちなみに、ティモシー・シャラメは、2018年1月23日にオスカーにノミネートされた・・・それは、彼がウッディを糾弾した8日後のことだった。*2
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の現段階での興行成績
コロナ禍により世界中で多くの映画館が公開を延期していたが、ロックダウンを終え落ち着きを取り戻した韓国では『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は、一週間で$330,000の興行収入をあげた。
本作品は、アメリカ以外の各国(フランス・スペイン・メキシコ・ロシア・イギリスなど)で公開され、未だに多くの国で公開が控えているため、ボックスオフィスの合計収入はまだ分からないが、現段階まででは$20.9mUS(約20億9千万円)の興行成績を上げている。*3
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』2020年7月3日(金)から日本で全国公開。
参考:
*1
https://www.theguardian.com/film/2018/jan/16/timothee-chalamet-i-dont-want-to-profit-from-my-work-on-woody-allens-film
*2
https://ew.com/movies/woody-allen-timothee-chalamet-rainy-day-new-york/
*3
https://www.theguardian.com/film/2020/may/13/woody-allen-rainy-day-in-new-york-tops-global-box-office
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