イギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン2 フィリップが浮気?感想と解説 1話~3話

2021年9月1日

ザ・クラウン シーズン 2

Netflixイギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン2は、シーズン1に引き続き、エリザベス2世治世の1956年から1964年の史実に基づいた大人気フィクションドラマです。

今回も、マーガレット王女と写真家のアンソニー・アームストロング=ジョーンズのロマンスやアメリカ大統領ジョン・F・ケネディと妻・ジャッキー・ケネディ・オナシスがバッキンガム宮殿を訪れた際の逸話なども含まれていて見所たっぷりです。

ここでは、エピソード1からエピソード3までの内容で、実際にフィリップは浮気してたの?マイケル・パーカーを解雇したのはフィリップ?などストーリーと史実の解説、あらすじ、観想、そしてキャストのご紹介です!

シーズン1は、イギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン1 制作費1億ポンド!1話から10話まで徹底解説!!をどうぞ。

写真出典:Netflix

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン2 あらすじ

即位から4年経った1956年。

スエズ動乱が悪化し戦争勃発も、英仏はスエズ運河を失い、イギリスの国際的な信頼が揺らぐ中、夫フィリップの品行やマーガレット王女の破天荒な恋愛模様が世間を賑わす。

また、イギリス市民は王室の古い体質に疑問を呈し始め、戸惑う女王であった。

叔父のエドワード8世/ウインザー公の過去のヒトラーとの繋がり、プロヒューモ事件(国家機密漏えい事件)など、女王としてそして家族を持つ1人の女性としても苦悩の日々が続くのであった。

(c)Netflix

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン2 キャスト

エリザベス2世: クレア・フォイ・・・現イギリス女王。フィリップの妻でチャールズ、アン、アンドリュー、そしてエドワードの4児の母でもある。

エディンバラ公フィリップ殿下: マット・スミス・・・ギリシャ王室出身。エリザベス2世の夫。

マーガレット王女: ヴァネッサ・カービー・・・エリザベス2世の妹。自由で奔放な性格で姉のエリザベス2世とは正反対。タウンゼントとの熱愛で世間をにぎわした。

エドワード8世/ウィンザー公爵: アレックス・ジェニングス・・・エリザベス2世の叔父。アメリカ人で離婚暦のあるシンプソン婦人との結婚のため王位を放棄し弟のジョージ6世(エリザベス2世の父)が即位した。フランス在住。

アンソニー・アームストロング=ジョーンズ/初代スノードン伯爵: マシュー・グード・・・写真家。マーガレット王女と結婚する。

ピーター・タウンゼント: ベン・マイルズ・・・マーガレット王女と破局。

エリザベス王妃: ヴィクトリア・ハミルトン・・・ジョージ6世の妻でエリザベス2世とマーガレット王女の母。

詳しいキャストの情報は、Netflixイギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン1 1話から10話まで徹底解説!をどうぞ。

以下、青の部分が史実との答え合わせになります。

1話ー誤算 あらすじ

ザ・クラウン シーズン 2
写真出典:Netflix

1957年2月、エリザベスとフィリップは、ロイヤルヨット・ブリタニア号の船上で自分たちの離婚危機について話し合っていた。フィリップがロイヤルツアーに出発する5ヶ月前、エリザベスは彼の鞄の中にガリーナ・ウラノワの写真を発見してしまっていたのだ。

一方、首相官邸では、スエズ運河問題が持ち上がっていた。

エリザベスは、イスラエルのシナイ半島への侵略についてイーデン首相を追及したところ、イーデンは、英仏とイスラエルは利害が一致したため、イギリス議会や国連の承諾なしに秘密に調整を重ね、スエズ運河の取り戻し作戦計画を立てていることを告げる。そして、エリザベスは、その軍事行動計画を容認した。

ガリーナ・セルゲーエヴナ・ウラノワ

写真出典:Encyclopaedia Britannica

フィリップは浮気をしていた?

フィリップがこのロシア人のバレリーナと不倫をしていたかも、というストーリーラインですが、この噂自体は当時からあったそうです。

噂の信憑性ですが、このバレリーナは当時、リハーサル・パフォーマンス、そして移動など、かなりのタイトスケジュールをこなしており、時間的にみてもフィリップと不倫をする時間などなかったとされています

また、当時彼女はめちゃくちゃ人気があったので、メディアにも常に追われており、もしそんな事実があったのなら写真など確固たる証拠があってもよいだろう、という見解が多いです。

しかし!実際に確証に近い噂があったのは、ダンサーのパット・カークウッドという方です。

1948年にフィリップが彼女の楽屋を訪れた際に初めて出会ったとされており、その後二人で公共の場で食事をその晩にした、と言われています。その後6回ほど逢瀬を重ね、当時の手紙も残っているそうです。

カークウッドは、「こういうことは女性の方から発言するものではないので、男性がするべきだ。もし、フィリップ王子がはっきりと否定してくれていたら私の人生はもっと幸せなものだったのに。」と否定しています。

しかし、この発言も皇室からの圧力により否定するように言われてしたものではないか、という憶測があります。

2話ー男の世界 あらすじ

ザ・クラウン シーズン 2
写真出典:Netflix

イギリスは、アメリカ・ソ連そして国連の圧力をうけエジプトから撤退し、イーデン首相は体調不良を理由に妻とジャマイカへ旅立つ。

一方、フィリップは、秘書のマイケルらを伴いロイヤルツアー中。

クリスマスの当日、フィリップは船上からイギリス国民に向けてラジオでのクリスマスメッセージを送る。続いてエリザベス自身も国民へメッセージを送るが、その前にフィリップ個人に向けて「家族皆があなたの帰りを待っている」というメッセージを送り、ホームシックになるフィリップ。

一方で、秘書のマイケルの妻・アイリーンは、夫の浮気を理由に離婚への準備を着々と進めていた。

離婚訴訟を起こすには、確固たる証拠がないといけないと知ったアイリーンは、マイケルとフィリップがメンバーの上流階級の男性たちが集まるThursday clubに行き、そこのウエイトレスを問い詰める。

証人として裁判に立つのを一度は断ったウエイトレスだが、アイリーンを不憫に思い、証拠の1つとして、マイケルがThursday clubにツアー先から送った手紙を入手し、アイリーンに渡すのだった。

この噂を聞いて、エリザベス女王の秘書たちは慌てふためく。なぜなら、マイケルとフィリップは常に行動を共にしていて、Thursday clubというところに二人でよく出入りしていたからだ。

イーデン首相は薬物中毒だった?

イーデン首相のジャマイカへの旅行は、ドラッグリハビリの為と言われています。

彼の本Sir Anthony Eden and the Suez Crisis: Reluctant Gamble, の中で、1950年代に胆石の手術に失敗し痛み止めを処方されていたのですが、その薬の中毒になっていた、という文面があります。

フィリップはインタビューを中断した?

このストーリーラインは、フィリップの幼少期(どうやってギリシャから亡命したか、母親が精神病院に入院したこと)についての伏線になり、シーズン3で詳しく触れられます。

フィリップは船上からクリスマスメッセージをラジオ放送した?

これは、実際にあったことです。

1956年に皇室のヨットブリタニア号の船上にてラジオ放送が行われ、フィリップに続いてエリザベス女王がサンドリングハムからクリスマスメッセージを流しました。

フィリップの秘書マイケル・パーカーは浮気してた?

フィリップの個人秘書のマイケル・パーカー、そしてアイリーンは共に実在する人物で実際に浮気が原因でアイリーンは離婚訴訟を起こしました。

しかし、プロデューサーによるとウエイトレスと手紙の存在は完全にフィクションとのことです。

2話では、男ばかりが乗ったブリタニア号が停泊する港で女性たちと戯れる様子がありますが、マイケルもフィリップもツアーのスケジュールはタイトでそんな時間はなかった、と言っていますが、こればかりは本人たちのみぞ知る、でしょう。

参考:RadioTimes

3話ーリスボン あらすじ

ザ・クラウン シーズン 2
写真出典:Netflix

ジャマイカから帰って来たイーデン首相は、スエズ運河敗戦の責任をとって辞任。ハロルド・マクミランが首相に就任。

一方、エリザベスの秘書たちは、フィリップの秘書・マイケルの妻・アイリーンに離婚を留まるように説得するも失敗。

マイケルはツアー中に浮気を理由に離婚請求され、また、Thursday clubに送った手紙の内容も離婚訴訟の証拠としてあげられていることを知る。

その内容が、フィリップもツアー中に浮気をしていた、ということを連想させるもので、フィリップはマイケルが手紙をクラブに送っていたことに激怒しマイケルを解雇する。

このスキャンダルにエリザベスは対応すべくロイヤルツアー先のリスボンでフィリップと落ち合うのだった。

Thursdayクラブは存在した?

この手紙は完全にフィクションですが、Thursday clubは実在します。

そして、フィリップがマイケルとこのクラブに通っていたことも事実です。(多くの写真が残っています。)

このクラブのメンバーは、上流階級者はもちろん、作家や俳優、そして大手メディアの幹部なども出入りしていたため、決して新聞などでこのクラブのことを取り上げることはなかったそうです。

しかし、Thursday clubの噂は止まらず、更に1962年に起こったプロヒューモ事件に関わるステファン・ウォードがこのクラブのメンバーであったことから、更に良くない噂が広まりました。

現在では、多くのクラブメンバーが他界していることから、実際にThursday clubで何が起こっていたのか?は謎に包まれたままとなりそうです。

フィリップは秘書で友人のマイケルを解雇した?

ドラマではフィリップがマイケルを直接解雇しましたが事実ではありません。

王室秘書たちによってマイケルは解雇され、エリザベス女王はツアー中のマイケルに電話をし、留まって欲しい、と言ったとされてます。

その証拠に、フィリップやマイケルがロンドンに戻った後もしばらくはマイケルはバッキングハム宮殿に出勤していたという事実があります。

そして、その一ヵ月後にフィリップは仕方なくマイケルの辞任を承認した、というのが本当のところのようです。

マイケルはその後、出身地のオーストラリアに戻り更に2回結婚してます。彼が亡くなる2001年までフィリップとマイケルの友人関係は続きました。

フィリップがイギリス王子の階級を与えられた?

1957年にフィリップがイギリス王子の階級を与えられたのは異例のことで、本来であれば、王室に生まれた男子のみに与えられる階級だったそうです。

イギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン2はNetflixでご覧になれます。

 

参考:RadioTimes