『ザ・クラウン』シーズン2 ケネディ夫人とエリザベス、フィリップが謎の男?感想と解説 9話10話
Netflixイギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン2の史実との答えあわせ徹底解説シリーズも今回で最終回となります!
ドラマ内での見所やネタバレ感想をお届けしながら、チャールズが寄宿学校での生活を嫌っていたのは本当なのか、そして、プロヒューモ事件とフィリップの関係などについて、ドラマと史実の違いなどを詳しく解説したいと思います。
写真出典:Netflix
『ザ・クラウン』シーズン2 9話と10話
『ザ・クラウン』シーズン2の9話では、チャールズが寄宿学校に入れられるところから始まり、それと同時にフィリップが自分の少年期を回顧する形でお話が進みます。
そして、最終話の10話は、皇室を巻き込んだ政治的スキャンダルとして有名なプロヒューモ事件。フィリップが意図せずスキャンダルに巻き込まれた様子が詳しく描かれています。
メインキャストの詳細については、イギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン2 フィリップが浮気?感想と解説 1話~3話をどうぞ。
以下、青の部分が史実との答え合わせになります。
9話ー父として あらすじ
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チャールズは、1人遊びが大好きな繊細な男子へと成長していた。
チャールズの進学先は、バッキンガム宮殿から程近いイートンカレッジに決まっていたが、父親のフィリップは自分の母校である寄宿学校・ゴードンストウンスクールにチャールズを進学させるのだった。
チャールズの入学にゴードンストウンスクールへ付き添ったフィリップは、当時の寄宿学生時代のことや精神病院に入院した母親、そして飛行機事故で亡くなった姉セシルのことを思い出していた。
セシルは、当時学校に全く慣れなったフィリップを心配して、フィリップの元へ向かっている途中での事故で死亡し、父親はそのことでフィリップをひどく責めたのだった。
一方、父親フィリップと同じ学校に入学するも、チャールズは同級生たちからの虐めにあい、また、学校の厳しい規則やスケジュールにも付いていけず、泣いてばかりいた。
フィリップに会いに来る途中でセシルは事故に合った?
皇室歴史学者のヒューゴ・ビッカーズ(Hugo Vicker)におよるとは、フィリップの姉のセシルは、フィリップに会いに来るためではなく元々結婚式に出席するために渡英したので、父親が事故を責めたというのは事実ではない、としています。
チャールズが、ゴードンストウンスクールでの生活を嫌っていたのは本当?
チャールズは、何度かゴードンストウンスクールのことを“Colditz in kilts"=「キルトを履いたコルディッツ」(コルディッツは、戦時中のイギリスの刑務所でとても厳しいことで有名だった刑務官の名前。)、そして"a prison sentence"=「刑務所行き」と表現していました。
しかし、ゴードンストウンスクールは、今回の『ザ・クラウン』シーズン2、9話の配信後にドラマの内容に反発し、チャールズ皇太子が1975年にスクールについて演説した内容を発表しました。
1975年、チャールズ皇太子がチャリティー機関を設立する際に貴族院に向かってこう発言したとされています。「ゴードンストウンスクールを批判する際の使い古されたお決まりの文句を耳にする度に驚きます。確かに他の学校と比べると精神面でも身体面でもとてもタフな環境でした。その中で自分が出来ること出来ないことと向き合うという、大事なことを学べたことはとても幸運でした。また、自らすすんで挑戦する、ということを学びました。」
実際のところは、冗談で「刑務所行き」と言った言葉が独り歩きしてしまったようですが、チャールズが、在学中は学校の厳しいカリキュラムにかなり苦戦したのは事実らしいです。
10話ー謎の男 あらすじ
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1963年3月、国防大臣ジョン・プロヒューモとモデル兼高級売春婦のクリスティーン・キーラーとの関係が深く噂されるようになり、また、キーラーがイギリスの敵国であるソ連のイワノフ武官とも関係があったため、政府関係者は慌てふためいた。
この二人を引き合わせたのは、ロンドン在住の整骨師で多くの著名人をクライアントとして抱えていたスティーブン・ワード。メディアは、スティーブン・ワード主催のパーティで撮影された写真に背中を向けて写っている男性を「謎の男」とし、色々な憶測が飛びかった。
「謎の男」はフィリップなのか・・・
プロヒューモ事件は本当にあった?
ドラマ内で描かれたように、1962年、国防大臣のジョン・プロヒューモが、ソ連側のイワノフ武官とも関係があったモデル兼売春婦クリスティーン・キーラーに国家機密を漏らしたとされる事件。
「20世紀最大の英政界スキャンダル」と言われ「プロヒューモ事件」で知られています。
しかし、プロヒューモは、キーラーがソ連のイワノフとも付き合いがあったということは知らずに付き合っていたとされており、「軍事機密情報の漏洩はなかった」と告白。
そして謝罪し辞任した。この件でマクラミン首相も責任を取って辞任。
のちにスティーブ・ワードが判決前に薬の過剰摂取で自殺したのも事実です。プロヒューモ事件記録はまだ一般公開されていません。
フィリップが謎の男?
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スティーブン・ワードの家からフィリップの肖像画が見つかった、というストーリーラインですが、皇室歴史学者でジャーナリストのクリストファー・ウィルソン氏は、「事実にかなりの歪曲がある」とドラマを批判しています。
ドラマのクリエーター、ピーター・モーガンは、女王とフィリップとの間が不仲になるような材料を入れることで、もっとドラマチックにしたかったのでしょうか。
ただし、スティーブン・ワードは、フィリップが出入りしていたThursday Clubのメンバーであったことは事実。
また、1961年頃からワードは画家としても名を馳せてきていたため、『イラストレイテド・ロンドンニュース』(イラストでニュースを伝える新聞)の依頼によりロイヤルファミリーのポートレートを描くためにバッキンガム宮殿に出向きフィリップを含んだ8人の肖像画をスケッチした、という事実がありますので、そこからインスパイアされたのかもしれませんね。
『ザ・クラウン』シーズン2は、Netflixでご覧になれます。
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