イギリス王室ドラマ『ザ・クラウン』シーズン1 制作費1億ポンド!1話から10話まで徹底解説!

2020年6月5日

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1

Netflixドラマ『ザ・クラウン』は、『クィーン』、『ブーリン家の姉妹』の脚本で知られるピーター・モーガン脚本による史実に基づいたドラマです。噂によると1シーズン(全10話)の制作費がなんと!1億ポンド(150億円相当?)で、Netflix史上一番お金がかかっているドラマだそうです!

内容もBBCでは放送出来なかっただろう、と言われるほどで、イギリス王室に全くの忖度なしでスキャンダラスで人間味あふれたお話となっています。ここでは、ロイヤルファミリーゴシップ大好きの私が、フィリップって誰?タウンゼントって誰?と、イギリス王室に詳しくない方にも分かりやすく王室の人間関係やしきたりなども徹底解説しつつ、Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1のあらすじ、キャスト、感想などをご紹介します!
写真出典:Amazon

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1あらすじ

現イギリス女王・エリザベス2世(クレア・フォイ)がフィリップ公爵と結婚し、父親のジョージ6世(ジャレッド・ハリス)の崩御にともない1953年にエリザベスが即位する前後からお話が始まります。

叔父エドワード8世/ウインザー公(アレックス・ジェニング)が、離婚経験者のシンプソン婦人との結婚のために王位の地位を放棄して以来初めてロンドンの地に足を踏み入れます。久々に母親のメアリー太王太后とも顔を合わせるのでしたが、メアリー太王太后は、エリザベス2世の戴冠式を見ることなく他界。
首相ウィンストン・チャーチル(ジョン・リスゴー)の辞任劇、エリザベス2世の妹マーガレット王女(ヴァネッサ・カービー)とピーター・タウンゼント(ベン・マイルス)の禁じられた恋愛模様など、エリザベスに次々と困難な問題が降りかかるのでした。

(c)Netflix

Netflixドラマ『ザ・クラウン』キャスト

主なキャストのご紹介です。

クレア・フォイ(役名:エリザベス2世)

クレア・フォイ(役名:エリザベス2世)
写真出典:Netflix

現イギリス女王・エリザベス2世。フィリップの妻でチャールズ、アン、アンドリュー(児童売買スキャンダル中ですね)、そしてエドワードの4児の母でもある。


イギリスのストックポート1984年生まれ。2008年に『ビーイング・ヒューマン』でデビューし、2011年に『デビルクエスト』で映画デビュー。2015年、BBCドラマ『ウルフ・ホール』で女王アン・ブーリンを演じ、英国アカデミー賞女優賞ノミネート。

2016年から2017年にNetflixで配信された本作品『ザ・クラウン』では2017年にゴールデングローブ賞女優賞を受賞、英国アカデミー賞女優賞にノミネートされ、世界的に有名となった

マット・スミス(役名:フィリップ)

マット・スミス(役名:フィリップ)
写真出典:Netflix

エリザベス2世の夫エディンバラ公爵フィリップ王配。


テレビ、映画、舞台で活躍イギリスの俳優。テレビシリーズ『ドクター・フー』の11代目ドクター役で一躍お茶の間の顔に。

ヴァネッサ・カービー(役名:マーガレット王女)

ヴァネッサ・カービー(役名:マーガレット王女)
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エリザベス2世の妹。タウンゼントとの熱愛で世間をにぎわした。


1988年生まれ、ロンドン・ウィンブルドン出身。主な作品は、2011年『大いなる遺産』、2013年『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』など。本作品『ザ・クラウン』でマーガレット王女を演じ2017年に英国アカデミー賞女優賞にノミネートそして、翌年には同賞を受賞し、一気に名前が知られるようになる。

ジョン・リスゴー(役名:ウィンストン・チャーチル)

ジョン・リスゴー(役名:ウィンストン・チャーチル)
写真出典:Netflix

イギリスの政治家。1940年~1945年、1951年~1955年、首相として任期中にジョージ6世が崩御し、エリザベス2世が即位。


1945年、ニューヨーク州ロチェスター生まれ。父親は演出家、母親は女優という芸能一家。

1982年『ガープの世界』、1983年『愛と追憶の日々』と2年続けて、アカデミー助演男優賞にノミネート。1993年『クリフハンガー』では、悪役を演じたり、2001年はアニメ映画の『シュレック』では声優を務めたり、またテレビシットコムの『3rd Rock from the Sun』でコメディを演じ、お茶の間の顔となり活躍の場は多岐に及んでいる。

ジャレッド・ハリス(役名:ジョージ6世)


写真出典:Netflix

エリザベス2世とマーガレット王女の父親。兄・エドワード8世/ウインザー公が王位を放棄したため、次男のジョージ6世が即位。国民に寄り添った国王だ、として高い人気を得た。1952年に崩御。


1957年生まれ、イギリス・エセックス出身。
ロイヤル・シェークスピア・カンパニー劇団で活躍し、オペラや舞台演劇に与えられるイギリスで最も権威があるとされているローレンス・オリヴィエ賞を3度も受賞している実力あるベテラン俳優。
2006年、ヘレン・ミラン演じるエリザベス2世の映画『クィーン』では、チャールズ皇太子を演じた。

ベン・マイルス(役名:ピーター・タウンゼント)

ベン・マイルス(役名:ピーター・タウンズエンド)
写真出典:Netflix

王立空軍のトップパイロットで第2次世界大戦時に活躍し「空の英雄」と呼ばれる。
1944年にジョージ6世がマーガレット王女に紹介し20歳以上の歳の差にも関わらず、王女が一目ぼれ。
かなりのイケメン↓。

ピーター・タウンズエンド
写真出典:By Daventry B J (Mr), Royal Air Force official photographer  


1966年まれ、ロンドン・ウィンブルドン出身。
出演作は多数に及び、1990年代にテレビシリーズ『Zorro』でデビュー。1999年『Wonderful You』などに出演。最近では、1999年~2000年テレビシリーズ『ザ・プラクティス』、2018年に映画『ザ・キャッチャー・ワズ・ア・スパイ』、『Red Joan』などに出演。

Netflixドラマ『ザ・クラウン』徹底解説・感想

特に青い色で書いてある部分が、史実に基づいた説明とトリビア情報です。

1話-かも狩り

『ザ・クラウン』シーズン1の1話は、"Wolferton Splash"というタイトル。"Wolferton"は皇室が使用する駅の近くの地名で皇族がかも狩りをする場所で、訳すと”ウォルファートンのしぶき”=かも狩り、です。

1947年、ジョージ6世(ジャレッド・ハリス)がトイレで吐血しているシーンから始まります。その後、医者に”痰の中に少し血が混じっていたんだ”と言いますが、医者は”少しなら心配することないでしょう”と言います。

なんていい加減な医者!!レントゲンが初めて撮られたのが1895年ですから、悪性腫瘍を診断できる技術は当時十分可能であったと思います。特に王室なんですから。

このシーンは、エリザベス妃(クレア・フォイ)がフィリップ・マウントバッテン(マット・スミス)と結婚する当日の朝、という設定です。そして、ギリシャ王子だったフィリップは、イギリス市民権とエディンバラ公爵という称号を与えられます。(フィリップは、ギリシャでのクーデターにより、フランスでの亡命生活を余儀なくされ、1928年7歳の時に渡英しています。)

そこでウィンストン・チャーチル(ジョン・リスゴー)が「フィリップの叔父はインドを手放し、フィリップの姉妹は全員ナチスの有力者と結婚してる!」と文句を言います。

フィリップのバックグラウンドは当時かなり問題になりましたが、エリザベス妃は政略結婚ではなく本当に好きな相手と結婚した、と言われています。

エリザベスとフィリップは、マルタ島に引越しフィリップはイギリス海軍に戻ります。そして、エリザベスは、その地で息子・チャールズ、娘・アンを出産。

その4年後にジョージ6世の病気が分かり、二人はイギリスに戻ります。

ジョージ6世演じるジャレッド・ハリスが、タバコを吸いながら(当時は、タバコが肺に悪いという概念は一般的になかったですからね)何度となく咳をして吐血するのですが、リアリティにあふれていて思わず顔をしかめずにはいられませんでした。メイクの効果もあり、どんどん顔色が悪くなっていく様子が危機感を盛り上げてました。

ジョージ6世が自分の死期を悟り、フィリップをかも猟に誘い(これが1話のタイトルの由来ですね)男同士の会話をします。その際に、エリザベスが女王になった時にサポートしてくれるように頼むのですが、その時のジョージ6世の悲愴な表情が涙を誘いましたね・・・

一方、政治の場面では、1951年保守党のリーダー、ウィンストン・チャーチルと妻のクレメンタインが首相官邸のある10ダウニングストリートに戻ります。

2話ー国王崩御

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1
写真出典:Netflix

ジョージ6世の体調が思わしくないため、代わりにエリザベスとフィリップがイギリス連邦各国へのツアーに出発します。

この時が、娘・エリザベスと父親・ジョージ6世が最後に会話を交わしたときとなりました。

一方で、副首相兼外相のアントニー・イーデンは、チャーチルを首相の座から引きずりおろすべく、チャーチルの失言や年齢を理由に、ジョージ6世に相談しますが、国王はそれを却下します。

ここで、注意したいのは、日本と同じでイギリスも王室が政治に関与することは許されていません。この場面は、ジョージ6世とチャーチルの付き合いが長いことを受けて、友人として首相辞任を促すように、という感じでしょうか。

そして、1952年2月6日にサンドリンガム・ハウスで就寝中に56歳で崩御します。

召使に発見される、というシーンでしたが、実際もそうだったらしく、死因は冠動脈血栓症、いわゆる脳梗塞です。

エリザベスとフィリップはその時ケニアに滞在中で、ドラマの中では王室関係者が必死にエリザベスに連絡を取ろうと試みるも、人里離れた場所に滞在中でなかなかつかまらなく、チャーチルがぎりぎりまで崩御のニュースを待つ、というシーンが緊迫感があって素晴らしかったです。

知らせを受けたエリザベスは、ツアーを中断してイギリスに帰るのですが、到着したと同時に誰もがエリザベスを女王として扱うシーンが厳かで、エリザベスの戸惑いと未知への不安をクレア・フォイが上手に表現していました。

予断ですが、2話の中でフィリップがケニアの有職者たちと会話をしていくところで、1人が付けている軍服のメダルを不躾に触りながら「あっ、俺も同じようなの持ってるよ。僕の盗んだでしょ。」と発言するビックリするようなシーンがあるのですが、実際のフィリップもそんな感じらしいです。式典中に、馬鹿にするような発言をしてエリザベスから「シーッ!」と言われるシーンもあり、フィリップの実際の性格を上手に紹介してますね。

3話ーウィンザー家

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1
写真出典:Netflix

3話では、王室がジョージ6世の国葬の準備に追われる中、エドワード8世/ウインザー公(アレックス・ジェニング)が王冠を放棄して以来初めてアメリカから1人で帰国します。

エドワード8世/ウインザー公を演じるアレックス・ジェニングは、『女王ヴィクトリア 愛に生きる』でのレオポルド1世役が記憶に新しいですが、彼はザ・イギリス人という顔立ちでエドワード8世/ウインザー公ははまり役だと思います。

そして、3話あたりから、フィリップの文句のオンパレードが始まります!(笑)

まず、始めに、彼は自分の苗字、マウントバッテンの名前をキープし息子に受け継がせたい、そして、今まで住んでいたクラレンス・ハウスに住み続けたい(この時すでに巨大な額をかけてクラレンス・ハウスの改装工事をしていたそうです)、と言い、バッキンガム宮殿への引越しをこばみます。

なっなんと贅沢な!と一般人の私は思ってしまいますが、バッキンガム宮殿と言ったら巨大過ぎて、確かに家と言う感じはしませんよね・・・

そして、苗字問題。
結婚したら男性の苗字を使うのは当たり前で、フィリップにとっては男性の特権、威厳のような感じだったのでしょうが、これがひと悶着となります。

でも、皇室に嫁いだ?のですから、自分の苗字を諦めるのは当たり前のような気もしますが、これには、裏で糸を引いていた人物がいたのです。それは叔父のマウントバッテン卿。

マウントバッテンという苗字が王室と同等の関係になることを切に望んでいたそうです。一説では、エリザベスとの結婚もマウントバッテン卿の後押しがあった、とされています。

結局、叔父のエドワード8世/ウインザー公に説得され、エリザベスは、苗字と住居の件をフィリップに諦めさせます。

さまざまな問題においてまだ若干26歳だった新米の女王は、いろいろな人からアドバイスを受けることになるのですが、ここでも叔父エドワード8世/ウインザー公の思惑が絡んだようです。やはり、エドワードとしては、皇室を離脱した後も皇室を守りたい、ウィンザードという名前は決して無くしてはならない、という彼の思いがそこにはあったと思います。

政治の場面でも、女王の戴冠式は1年後と少し後に予定されるわけですが、これもチャーチルが保守党内での自分の地位を維持するためのものであったと言われています。

色々な人の思惑に振り回されてしまっているエリザベスです。

4話ー神の御業

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1
写真出典:Netflix

ロンドンの冬と言えば霧で有名ですが、4話の内容は1952年12月から5日間に渡って実際に起きたロンドンスモッグ災害です。

12月5日、高気圧がイギリス上空を覆ったために無風状態となり濃い霧がロンドン市上空を覆いました。

当時の暖房器具といえば石炭ストーブが主流だったため石炭燃料の利用が拡大し、硫黄酸化物が排出されそれが濃い霧に混ざったそうです。それを吸い込んだ4000~6000人、一説では1万人以上が死亡したといわれる史上最悪規模の大気汚染でした。

1952年ロンドンスモッグ災害

ドラマの中では、多くの人が病院に担ぎこまれ医療崩壊も起こしていましたが、当初、チャーチルはただの天災だとして対策を怠りました。しかし、彼の新米秘書が外出中に、霧で視界が悪かったために2階建てバスに轢かれて死亡したことを受けて、チャーチルは病院への資金注入などを発表。4年後には大気浄化法が設立されました。

第4話は、現在のコロナウィルスパンデミックに似たものがあり、観ている方も緊張感が走りました!
新米秘書が死亡というのはフィクションでありますが、彼女がチャーチルを尊敬し慕い、まだ若かったこともあり、思わずお話にのめりこまずにはいられませんでしたね。

エリザベスは、周りからの説得でチャーチルにこの件で責任を取らせようとします、その一方でフィリップは、飛行機に乗れない、と文句。(また文句ですよ)

しかし、チャーチルは幸運にもぎりぎりのところで対策に踏み切ったため、首相としての首の皮が繋がることとなります。

5話ー板ばさみ


写真出典:Netflix

女王エリザベス2世の祖母の健康状態がおもわしくなく、息子のエドワード8世/ウインザー公が再び帰国します。そして、エリザベスの戴冠式に妻のシンプソン夫人が招待されていないことを知ります。

シンプソン婦人がなぜにここまで王室から嫌われていたのか?と言いますと、やはりカトリックという宗教が大きく影響しています。イングランド国教会は離婚は罪深きこととして、認めていません。(その点、スコットランドの教会は鷹揚であるため、のちに王族が再婚する際は、スコットランドの教会で結婚しています。)

なので、離婚暦のあるシンプソン婦人が、国王になる予定だった(国王になる=カトリック教会のトップになるなので)エドワード8世/ウインザー公と結婚するということは問題外だったのですね。

一方、フィリップは女王と結婚して以来、海軍としてのキャリアも失い、苗字も失いヘソを曲げていたため、エリザベスは、何か彼に目的を持たせようと、フィリップを女王戴冠式準備室のリーダー役に任命します。

フィリップは、古典的な王室を変えるべく、戴冠式の今までのしきたりを無視して行おうとします。
まずは、式典に初めてテレビカメラを入れることでした。

これには、反対の意見もあったらしいですが、今思えば画期的なアイディアだったと思います。現在、王女の戴冠式の模様が動画で見れるのは、貴重ですから。

しかし、フィリップはそれだけではおさまらず、夫である彼がエリザベスに膝まづくのはナンセンスだと言いますが、エリザベスは決してそれは認めず、結局は膝まづくフィリップでした。

1953年6月2日、エリザベスはウェストミンスター寺院にて正式に王位につき、一方、戴冠式に招待されなかったエドワード8世/ウインザー公とシンプソン婦人は居住先のパリでテレビ中継を見ていたのでした。最後は、エドワードが泣きながらバグパイプを演奏しているシーンで終わります。もちろん、これは演出ですが、彼の王室への想いは強かったのだと想像できます。

実際には、エドワード8世/ウインザー公とシンプソン婦人はのちに皇室に受け入れられるようになり、1965年にエリザベス2世が初めて公式に夫妻を招待し、事実上シンプソン婦人が「ウィンザー公夫人」となりました。2年後のエドワード8世/ウインザー公の母メアリー王太后の生誕100周年記念式典にも夫婦で招待されました。(このように王室が変わっていったのは、世の人々の考え方が変わって行ったことが大きいでしょう。シーズン2では、その点がもっと具体的に描かれます。)

6話ースキャンダル

ベン・マイルス(役名:ピーター・タウンズエンド)
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マーガレット王女とタウンゼントが、エリザベスに結婚したい旨を伝えます。エリザベスは、初めはタウンゼントが離婚者でマーガレットより20歳以上も歳上だったために困惑しますが、マーガレットがそうしたいのなら応援する、と約束します。しかし、メディアに情報が伝わった後に、王室の結婚に関する条例に基づき、マーガレットが25歳になるまで結婚できないことを知り、タウンゼントをその間ブリュッセルへ赴任させるようにします。

しかし、これは、若いマーガレットが2年も遠距離恋愛を出来るはずがない、という周りの思惑によるものでした。

世間が、ハンサムなタウンゼントドとマーガレットの結婚を応援する風潮になったことを受けて、王室秘書がタウンゼントのブリュッセルへの赴任を早めるのでした。

7話ー知識は力なり

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1
写真出典:Netflix

7話の出だしは、原子爆弾のきのこ雲のシーンから始まりましたので、えっ!1945年第二次世界大戦に話がもどったの?と思いましたが、ソ連が1953年8月に試験的に投下した原子爆弾で、そこからお話が始まります。

チャーチル首相は、急遽アメリカの大統領アイゼンハワーとソ連の試験的原爆投下について話し合うためにイギリスに招きますが、チャーチルは軽い脳溢血を起こします。
しかし、保守党は与党としての地位を保つため、首相はただの風邪、と女王に嘘をつきます。

一方、エリザベス女王は、秘書がリタイアするに当たって若くて気が合うマーティンを起用しようとしますが、ここでもしきたりの壁にはばかれ、マーティンの先輩に当たるマイケルが最終的に決まります。

この時にエリザベスは、自分が数学や歴史、英文学などの基本的な教育を受けていないことに気づきます。

実際、エリザベスは王室関係の法律・王室とは、という教育のみを受けて育っています。今のロイヤルファミリーメンバーはイートンカレッジに行って自分の興味がある専門分野を勉強してますので、だいぶ違いますね。

個人レッスンを頼んだ教授に、あなたには女王として必要な知識は十分ある、と言われ自信を持ち、後でチャーチルたちが嘘をついたことを知り、女王はイギリス国家が安全に運営されているか知る権利がある、と厳しく、はっきりと主張し、ここで初めてエリザベスが女王としての威厳を示した瞬間でした。

8話ー誇りと喜び

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン
写真出典:Netflix

8話はエリザベス女王の母・クィーンマザーに焦点が当てられます。

ジョージ6世が崩御し未亡人になり子供たちはすっかり母親の元を離れ、気分が落ち込んでいたクィーンマザーは、スコットランドの人里離れた場所に古い城を100ポンドで購入します。

これは、実際にあったことで、お城はCastle of Meyという名前で100ポンドというのも事実だそうです。

一方、エリザベスとフィリップのイギリス連邦国家ツアーはかなりハードなスケジュール。エリザベスは笑顔をつくり過ぎて頬の筋肉が痙攣して止まらなくなります。そこで、医者がエリザベスの頬に注射を打つシーンがありますが、これは完璧にフィクションでしょう。

そして、フィリップとエリザベスが大喧嘩をしている場面をリポーターに撮られるのですが、これもフィクションだということです。しかし、この頃からエリザベスとフィリップが不仲なのではないか、と言われ始めます。

マーガレット王女は、エリザベスとクィーンマザーがいないため、王室活動に励むようになりますが、彼女の奔放な性格から前もって書かれたスピーチを嫌い、自分なりのウィットに富んだスピーチに勝手に変えてしまします。しかし、チャーチル首相にロイヤルメンバーに情熱や個性など必要ない、と言われてしまうのでした。

この8話辺りから、それぞれの登場人物たちの王室メンバーであることの苦悩が描かれ始めます
きらびやかでお金にも困らない豪華な生活であることに変わりはないですが、マーガレットのような女性にとって、王室のしきたり、というのは性に合わなかったのですね。それを思うと、エリザベスは性格上、几帳面で責任感にあふれているので女王として最適なのでしょうが、フィリップの行動や言動に彼女はこれからも苦しむようになります。

9話ー暗殺者たち

Netflixドラマ『ザ・クラウン』シーズン1
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9話は、エリザベスとフィリップの結婚生活に暗雲が立ち込める辺りから話は始まります。

フィリップは、秘書のマイケルと遊びほうけるようになり、一方でエリザベスは趣味の競馬(女王は馬主)にのめり込み、長年の友人ポーチェスター公爵(愛称:ポーチー)と多くの時間を過ごすようになり、そのことで夫婦仲は更に悪くなります。

ポーチーは実在する人物で、実際にエリザベス2世と若い頃から家族ぐるみの付き合いがあり、またエリザベスの馬のマネージャーで、エリザベスとの仲が恋仲なのではないか?と当時から噂されていたそうです。

一方、チャーチル首相は、80歳を迎えるに当たって政府からの贈り物として、当時有名だったサザランド画伯に肖像画を描いてもらうことになります。しかし、サザランドは実際のチャーチルにそっくりの肖像画を描いたことから、チャーチルの怒りを買います。

当時のチャーチルは、ジョン・リスゴーが演じているように、杖をついても足元が危なく老化が顕著だったそうです。チャーチルは国会中に居眠りすることもしばしばで周りからは辞任すべき、という声が上がっていました。

お話では、チャーチルが肖像画をきっかけに自分の老化を認め辞任、そしてチャーチル自身が肖像画を燃やす、という内容ですが、それは定かではありません。チャーチルは肖像画を嫌い、見るたびに不機嫌になっていたので、それを見た妻が燃やした、という説が有力です。

10話ー栄光の女王

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写真出典:Netflix

時は1955年。マーガレットとタウンゼントの結婚話からスタートします。25歳になったマーガレットは結婚することにワクワクしていますが、別の問題が浮かび上がります。

それは、皇族は、離婚経験者(タウンズエンドは、妻が不貞をはたらき離婚しています。)と結婚してはならない(イングランド国教会が認めていない)、というものでした。
しかし、世間は二人の結婚を応援する風潮でイングランド国教会のトップに立つエリザベスはまたしても板ばさみとなります。
マーガレットは、タウンゼントと結婚するなら皇室から離脱し金銭的サポートも受けられなくなる、という究極の選択を迫られます。

このシーンは、エリザベスもマーガレットも可哀想過ぎましたね。
周囲の大人たちの思惑としては、マーガレットが2年も経てばタウンゼントへの気持ちが変わるだろう、と思っていたようで、エリザベスにもきちんと伝えてなかった・・・という。(イングランド国教会のトップであるエリザベスが知らなかった、というのも、彼女がどれだけ周りに頼っていたか、ということになりますね)

もちろん、2年経ってもタウンゼントと結婚する気だったマーガレットは号泣。

ドラマの中ではタウンゼントが、ミディアに向けてマーガレット王女との結婚は困難で関係を解消した、と発表するシーンがありましたが、実際は、マーガレットが声明文を発表しています。当時、声明文がリリースされるとBBCはラジオ番組を変更して報道したそうです。

一方で、エリザベスは、文句ばっかり言っているフィリップに仕事を与えようと、メルボルンで行われるオリンピックの開催式に行かせることにします。あとで5ヶ月間のロイヤルツアーの予定も加えられ、最初は行く気がなかったフィリップですが、最後には乗り気になって秘書のマイケルたちを伴って出発しました。(これが、シーズン2では、大問題を引き起こします。)

政治面では、副首相兼外相だったイーデンがチャーチルの後任として首相となります。しかし、スエズ運河の権利の問題でエジプト大統領との関係が悪化し、2国間には暗黒が立ちこめるのでした。

まとめ

シーズン1では、ジョージ6世の崩御し、エリザベス2世が王位に付き、それと共にフィリップとの結婚生活にもいろいろと支障が出てきます。

また、サブストーリーでは、エドワード8世/ウインザー公の王室への想い、クィーンマザーの未亡人としての悲しみ、マーガレットの恋、フィリップの王室のしきたりへの抵抗、そして政治家たちの王室を巻き込んだ政治的利用など、共感するはずのない環境の登場人物たちに共感できてしまうから不思議です。

また、セットやロケーション、そして衣装もとても本物に忠実に似せて作られており、豪華な装飾や数々のドレスたちにため息が出ます。また、当時の国内外両面の政治的背景にも触れるので、良い勉強にもなりました!もちろん、知識がなくても十分楽しめますが、特に青い色で書いてある部分が、史実に基づいた説明とトリビア情報です。

Netflixが制作費として使った1億ポンド(150億円相当)の元が取れたに間違いありません!その証拠にシーズン3までリリースされています。『ザ・クラウン』シーズン1は、Netflixでご覧になれます。または、AmzonでDVDが販売されています。