映画『キーパー ある兵士の奇跡』元ナチス兵が英国のサッカースターになるまでの奇跡の実話
「デートで彼氏/彼女と何を観ようかな~」と思っていたら、この映画『キーパー ある兵士の奇跡』はオススメです!
本作品はドイツとイギリスの合作で、第二次世界大戦終戦後、元ナチス兵バート・トラウトマンがイギリスのトップチーム、マンチェスターシティのゴールキーパーとして活躍するまでの感動と恋愛ロマンスと涙が詰まったお話です。
ここでは、映画『キーパー ある兵士の奇跡』のあらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想、そして実際のバート・トラウトマン情報もお届けします!
(C)2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann
映画『キーパー ある兵士の奇跡』作品情報
原題:The Keeper
公開年:2018年
監督:マルクス・H・ローゼンミュラー
脚本:マルクス・H・ローゼンミューラー、ニコラス・J・スコフィールド
出演:デビッド・クロス、フレイア・メーバー、ジョン・ヘンショウ、ハリー・メリングス
上映時間:119分
配給:松竹
映画『キーパー ある兵士の奇跡』あらすじ
ナチス兵だったトラウトマン(デヴィッド・クロス)は、第二次世界大戦終戦間近にイギリス軍に捕らえられ、ランカシャー州の捕虜収容所に移された。
収容所でサッカーをしていた時に、地元のサッカーチームの監督の目に留まりゴールキーパーとしてプレーすることとなり、やがて監督の娘マーガレット(フレイア・メーバー)と結婚し、名門サッカークラブ「マンチェスター・シティFC」に入団を果たす。
だが、ユダヤ人が多く住むマンチェスター市ではトラウトマンはすんなりと受け入れられるはずもなく、抗議運動へと発達し、トラウトマンとマーガレットは数々の誹謗中傷を浴びるのだった。
それでもトラウトマンはただただベストなプレーをすることに専念し、チームを優勝へと導いた。
だが、彼には誰にも話したことがない、戦時中の辛い過去を抱えていた・・・
映画『キーパー ある兵士の奇跡』キャスト
デビッド・クロス(役名:バート・トラウトマン)
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役柄:元ナチス兵。ランカシャー州の捕虜収容所にいるときに、地元のサッカーチームでゴールキーパーとしてプレーすることとなる。
デビッド・クロスと言えば、映画『愛を読む人』でケイト・ウィンスレットに恋する少年役で注目されましたよね。
あの少年だったデビッドが今では大人のイケメン俳優!本作品では敵国だったイギリスで恋をし家庭をもうけ、サッカー選手として英国民に認められるまでのバート・トラウトマンを熱演しています。
フレイア・メーバー(役名:マーガレット・フライアー)
(C)2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann
役柄:トラウトマンを地元のサッカークラブのゴールキーパーに起用した監督の娘でトラウトマンと恋に落ちる。
私が初めて彼女の演技を観たのがBBCのテレビシリーズ『ホワイト・クイーン 白薔薇の女王』のエリザベス・オブ・ヨーク役ですが、最近では映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』のエリー役が記憶に新しいです。
とってもチャーミングな女優さんです。
映画『キーパー ある兵士の奇跡』ネタバレ感想
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サッカーファンじゃないしなぁ・・・バート・トラウトマンなんて聞いたことないし・・・と私も思ってましたが、そんなあなたでも大丈夫!
本作品は、決していわゆる「サッカー映画」ではありません。歴史的史実に基づいたお話でそこにロマンスがスパイスとして加わっているキュンキュンできる映画でもあります。
そして、世界でのサッカーの歴史的瞬間を捉えた作品でもありますので、サッカーファンはもちろんそうでなくても十分楽しめる映画です。
バート・トラウトマンって誰?
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バート・トラウトマンは、元ナチス兵で第二次世界大戦終戦後にランカシャー州の捕虜収容所に移されました。
映画の中では収容所でサッカーを楽しんでいるときに、食料品の配達に来た商店の主/地元サッカーチームの監督ジャック・フライアー(ジョン・ヘンショウ)の目に留まり、収容所の許しを得てトラウトマンを借り、定期的にチームのゴールキーパーとしてプレーしてもらうことにします。
実際のところは、トラウトマンは収容所を釈放されたあと、よほどこの土地が気に入ったのでしょう。
イギリスに残り農作業をしながら、地元のサッカーチームでプレーしていたそうです。*1
その後、サッカーチームの監督の娘マーガレットと惹かれあうのですが、この部分は良かったですね~。うっとり。最初は敵対心を燃やしていたマーガレットが徐々にトラウトマンに惹かれていく様子がたまりませんっ!
トラウトマンがフットボールはダンスと同じだよ、と言って、試合中にボールを持ってマーガレットに向けてステップを踏み出す様子はとってもキュート!
そして、パーティで彼が他の女性とダンスしている様子を鏡越しに見るマーガレット!そしてそれに気づくトラウトマンが鏡越しにダンスを申し込むんですよ~。もうキュンキュンが止まらないです!
後に、二人は結婚し、彼はマンチェスターシティクラブにスカウトされます。
敵視から国民的スターへ
(C)2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann
マンチェスターといえば、ユダヤ人が多い町として有名で、今考えてもあのまだ戦争の爪痕が残っている時代に元ナチス兵をよくスカウトしたなぁ、と思います。
映画の中のように、大勢のサポーターたちが彼がプレーすることに抗議の意を表明したそうでアウェーの中で試合をすることも多々ありました。
そんなトラウトマンがどうやって英国民に愛される選手になったか?
ですが、結局彼は言葉ではなくて行動で示し、結果を残したからなんですよね。
殆どの試合に出場し、チームをリーグナンバー1に導いた立役者となったのです。
そして、1956年のFAカップの最終戦で相手選手と激突し首の骨が折れていたにも関わらず最後の最後までプレーしチームが優勝したのですから、イギリス国民も彼を認めないわけにはいきません。
実際トラウトマンの首の骨は、5本の脊椎骨の脱臼をしており、下半身不随、最悪は死んでいたかもしれない、と医者に言われたそうです。*1
悲劇
(C)2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann
トラウトマンは1人息子を交通事故で亡くします。悪いことは続くものでこの後夫妻は二人の息子をもうけるも、劇中では触れられてませんでしたが、その後離婚しています。*1
ストーリーは、トラウトマンが戦争中に兵士が子供を殺害したのを防げなかったことに罪悪感を持ち、それをずっと心の奥底に抱えています。
そして、自分の息子が亡くなったのは、カルマだ、と言います。
このへんのお話は、本当に涙なくしては観れなくて、戦争がどれだけ多くの人々の精神に長い間悪影響を与えたのか、を考えさせられる部分でした。
まとめ
映画のキャッチコピーで「平和の架け橋に」とありますが、正直なところ、彼はたまたまサッカーの才能があって、地元の女性に恋をし、イギリスが好きで残ってプレーしたのだと思いますので「平和の架け橋」はちょっと大げさかなぁ、と思います。
それより、戦争がいかに無駄なもので、そして、スポーツやアートや音楽が言葉を超えて人を繋ぎ、そして人が人を好きになる時に国や文化の違いなど関係ないのだ、と改めて思いました。
そして、トラウトマンは何ともラッキーな人だということです。確かに努力もあったのでしょうが、才能に恵まれ戦争終了間もなくして敵国だったイギリスで認められたというのは「奇跡」の何ものでもないでしょう。
映画『キーパー ある兵士の奇跡』は、2020年10月23日(金)より全国公開!
参考:
*1 https://en.wikipedia.org/wiki/Bert_Trautmann
*2 http://filmfantravel.com/football-films-and-film-inspired-travel-my-interview-with-david-kross/
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