映画『エジソンズ・ゲーム』実話がこんなに面白いなんて!あらすじとキャストの紹介と感想

『エジソンズ・ゲーム』

コロナ禍で公開延期となっていた映画『エジソンズ・ゲーム』が、2020年6月19日(金)にやっと全国ロードショーとなりました。

主演のトーマス・エジソンには、日本でも大人気の『SHERLOCK(シャーロック)』で有名なベネディクト・カンバーバッチが、そして、ジョージ・ウェスティングハウスに『シェイプ・オ ブ・ウォーター』のマイケル・シャノンがタッグを組んだ話題作。

ここでは、映画『エジソンズ・ゲーム』のあらすじ、キャスト、そして映画を観たネタバレ感想をお届けします。

写真出典:(C)2018 Lantern Entertainment LLC. All Rights Reserved.

映画『エジソンズ・ゲーム』作品情報

原題:The Current War: Director’s Cut

公開年:2019年

監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン

脚本:マイケル・ミトニック

出演:ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノン、ニコラス・ホルト

上映時間:108分

配給:KADOKAWA

映倫区分:G

映画『エジソンズ・ゲーム』あらすじ

19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させたトーマス・エジソンは天才発明家と崇められ、大統領からの仕事も平気で断る傲慢な男だった。裕福な実業家ジョージ・ウェスティングハウスは、大量の発電機が必要なエジソンの"直流"による送電方式より、遠くまで電気を送れて安価である"交流"による送電方式の方が優れていると考えていた。若手発明家のテスラも、効率的な"交流"の活用を提案するが、エジソンに一蹴されてしまう。

そんな中、ウェスティングハウスは"交流"での実演会を成功させ、話題をさらう。そのニュースにエジソンは激怒、"交流"による送電方式は危険で人を殺すと、ネガティブキャンペーンで世論を誘導していく・・・

こうして世紀の"電流戦争"が幕を開けた!訴訟や駆け引き、裏工作が横行する中、ウェスティングハウスはエジソンと決裂したテスラに近づく──果たしてこのビジネスバトルを制するのはどちらか──!?
引用:『エジソンズ・ゲーム』公式サイト

映画『エジソンズ・ゲーム』キャスト

ベネディクト・カンバーバッチ(役名:トーマス・エジソン)

役:アメリカの発明家・企業家。主に蓄音器、活動写真の発明、白熱電球の事業化として有名。


イギリスのロンドン出身、1976年生まれ。

2002年テレビシリーズ『法医学捜査班 silent witness』で初出演。翌年『クロムウェル〜英国王への挑戦〜』でスクリーンデビュー。

2010年から続いているBBCテレビシリーズ 『SHERLOCK(シャーロック』でシャーロック・ホームズを演じ、エミー賞主演男優賞受賞。2014年『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアカデミー主演男優賞ノミネート。2015年、大英帝国勲章・コマンダーを授与される。

2016年『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』でリチャード3世を演じているが、レスター大学の研究により、15世紀のイングランド王・リチャード3世の血縁であることが判明!どうりで高貴な印象があるはずです。

マイケル・シャノン(役名:ジョージ・ウェスティングハウス)

役:アメリカのエンジニア、実業家。鉄道車の空気ブレーキ等を発明。


ケンタッキー州出身、1974生まれ。

1993年『恋はデジャ・ブ』でスクリーンデビュー。2008年『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のジョン・ギヴィングス 役でアカデミー助演男優賞ノミネート。2014年、話題作『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』のリック・カーヴァー役で高評価を得る。

2016年『ノクターナル・アニマルズ』のボビー・アンディーズ警部補役でアカデミー賞助演男優賞ノミネート。

2010年~2014年、テレビシリーズ『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』では、信仰心が厚い無口で不気味な刑事、ネルソン・ヴァン・オルデン役を演じた

ニコラス・ホルト(役名:ニコラ・テスラ)

役:電気エンジニア、発明家。交流電気方式、無線操縦、蛍光灯、テスラコイルの名で知られる共振変圧器など多数の発明で有名。磁束密度を発見しその単位「テスラ」は彼の名前からきている。


イギリス出身、1989年生まれ。

2002年、ヒュー・グラント主演の『アバウト・ア・ボーイ』でスクリーンデビューし子役マーカスで一躍有名に。2007年~2008年、テレビシリーズ『スキンズ』のトニー役。

2017年、Netflixオリジナル作品『私とあなたのオープンな関係』では、マーティン・ハロック役。2018年、『女王陛下のお気に入り』ではロバート・ハーレー役。

映画『エジソンズ・ゲーム』感想

『エジソンズ・ゲーム』
写真出典:IMDb

本作品は、2017年ハーヴェイ・ワインスタインがプロデューサーとして関わっていましたが、セクハラ告発記事が発表され、ワインスタイン・カンパニーが本作品の公開を未期限で延長。

ようやく、ランターン・エンターテインメントが配給権を買い取り製作総指揮のマーティン・スコセッシのもと監督が再編集し直して108分のディレクターズ・カットが出来上がったといういわく付きの作品

早速、視聴しましたが、まず電気や化学に強くない人は、出来ることなら、直流と交流について軽く知っておくと映画の理解度がグッと高まるかと思いますので、あらすじを読んでから映画を観るのがお勧めです。電気に全く詳しくない私でも十分楽しめましたよ!

なぜなら、スキャンダル度が高く、途中からは「えーっ、本当にこんなことがあったの??」と、途中からぐいぐい引き込まれ、観終わった後にエジソンとウェスティングハウスに関する本を読んでしまったほど、知的満足度が高まった映画です!

*ネタバレ含みます。

映画は史実に基づくフィクションですが、私が知っている限り殆どが実際にあった出来事。

”交流(AC)”と”直流(DC)”について

まず、エジソンとウェスティングハウスが”直流”と”交流”という送電方式バトルを繰り広げます。ここで少し”直流”と”交流”について触れておきたいと思います。

まず、エジソンの”直流”を町中全ての家庭や外灯に送ろうとすると電圧が低いため、大量の発電機が必要なのですが、ウェスティングハウスの”交流”高電圧で遠くまで電気を送れて、利用者の近くで電圧を下げて使用、そして安価であるのです。

送電方式バトル

二人は電気の供給権をかけて戦うわけですが、ここまで読むと素人でも、使用する前に一度電圧を下げるのだから安全だし安価な”交流”の方がいいでしょ、と思ってしまいますが、映画でもエジソンは自分が生み出した”直流”に執着しているがために、ニコラ・テスラが「交流の方が効率的だ」というアドバイスにも耳を貸しません。

ここでつい、もしエジソンがテスラの意見を取り入れていたら、と思いますが、エジソンがそういう性格でなかったら他の数々の発明はなかったかもしれないので、やはり歴史に「もしも~」は禁物ですね。

そこで、ウェスティングハウスは、巨大発電機を輸入してピッツバーグで交流を使った送電の実験を始め、テスラの助けを得て多極交流電気を導入しどんどんと”交流”での送電を実現していきます。

ネガティブキャンペーン

勝ち目が無く焦ったエジソンは、”交流”を使った動物の安楽死デモンストレーションをしたり、新しい処刑法として”交流”を使った電気椅子を政府に進言したりして、いかに”交流”が危ないものなのかを世間に知らしめようとするのです。

これに負けまいとウェスティングハウスもエジソンが電気椅子の開発に関わっているとメディアにリークしたりとすごいネガティブキャンペーンが始まります。

ここら辺からもう身を乗り出してスクリーンに釘付けになりましたよ~。

あのエジソンが!!こんな奴だったの!!と少しショックを受けながらも、電気供給権と言ったら莫大なお金が動くわけですから仕方が無いのかもしれません。

ニコラ・テスラ

本作品ディレクターズカットには、もともとのワインスタインバージョンには入っていなかったシーンがあり、それは、監督がワインスタインのせいで映画の公開が延期され一時はお蔵入りも覚悟したその時の気持ちをお話に込めたもの。

それは、ニコラ・テスラが悪徳ビジネスマンに騙されて特許を奪い取られるシーンです。特許の世界とはこういうものなのかもしれない、とつくづくテスラが不憫に思いましたね。(実際もそうだったらしいです。)

そして、監督も自分が渾身込めて仕上げた作品が棚上げされてしまったときは奪い取られたような気持ちになったのですね。

あるシーンで、エジソンがテスラに、「直流用に設計された工場システムをテスラの交流電源で稼働させたら5万ドル払ってやるよ」というとテスラはこれをやってのけるのですが、エジソンは「冗談に決まってるだろ」と言って支払いません。

そして、テスラはウェスティングハウス側につくのですが、キーマンはやはりテスラだったんですよね。

最終バトル

最終的なバトルは、1893年のシカゴ万国博覧会。
政府は、アメリカの技術力を誇示するために博覧会での電気の多用を考えていたのですが、エジソンの”直流”か、ウェスティングハウスの”交流”か、を選ぶに当たってプレゼンを両者にさせるわけです。

最後はもちろん「お金」ですよね、ウェスティングハウスの「”交流”は安い」の一言で決まってしまうのです。

実験に実験を重ね時間と情熱をかけてきたからこそ、あそこまで”直流”に執着してしまったエジソン。
ウェスティングハウスは、実用化が常に頭にあったからこそ”交流”の事業化に成功し、人当たりも良かったためにテスラの力を借りることが出来たのでしょう。

私たちが毎日ふつうに使っている電気の誕生の裏側に、こんなビジネスバトルがあった、というのを知れて知的満足度も高まりましたし、スキャンダラスなネガティブキャンペーンも人間の醜さを垣間見て、正直ワクワクしちゃいましたね。

出だしはスローですが、途中からテンポが上がってきてバトル全開!邦題の「エジソン・ゲーム」より原題のThe current war(電流戦争)の方がしっくりきますね。

次回は、テスラにフォーカスした映画を作ってくださ~い。天才で潔癖症だったりとなかなか面白そうな人物なのは間違いないです。

映画『エジソンズ・ゲーム』は、2020年6月19日(金)から全国ロードショー!