映画『四月の永い夢』あらすじ、キャスト、ロケ地の紹介、3度観た感想!

『四月の永い夢』

映画館でこの映画を観た帰り道はハッピーで軽い足取りになる、そんな映画です。もう、既に3回も観てしまいましたが、映画『四月の永い夢』DVDは大事な保存版となりそうです。

世界4大映画祭のひとつ、モスクワ国際映画賞でダブル受賞した中川龍太郎監督・脚本の作品で、「下町ロケット」の朝倉あき、そして現在、朝のNHK連続テレビ小説「エール」に出演中の三浦貴大の共演。

朝倉あき演じる、恋人を失った女性・初海が喪失感や罪悪感から立ち直っていくひと夏を描いた再生の物語で、映像も音楽もとても素敵。

ここでは、映画『四月の永い夢』のあらすじ、キャスト、ロケ地などのご紹介、そして感想をお届けします!(映画の秘密に当たる部分はネタバレしません。)

写真出典:(C)WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

映画『四月の永い夢』作品情報

公開年:2018年

監督・脚本:中川龍太郎

出演:朝倉あき、三浦貴大、川崎ゆり子、高橋由美子、青柳文子、志賀廣太郎、高橋惠子

音楽:加藤久貴 挿入歌:赤い靴「書を持ち僕は旅に出る」

上映時間:93分

配信元:ギャガ・プラス

映倫区分:G

映画『四月の永い夢』あらすじ

3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密。——喪失感から緩やかに解放されていく初海の日々が紡がれる―。
引用:『四月の永い夢』公式サイト

映画『四月の永い夢』キャスト

朝倉あき(役名:滝本初海)

『四月の永い夢』朝倉あき
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

3年前に恋人を亡くした元教師。お蕎麦屋でアルバイトをしてる。


2006年、東宝シンデレラオーディションに応募して受賞を逃すも事務所に所属となる。2008年、『歓喜の歌』でスクリーンデビュー。2010年、NHK「とめはねっ! 鈴里高校書道部」テレビドラマ初出演にして主演。同年のNHK朝の連続ドラマ小説「てっぱん」では、ヒロインの親友役という大事な役どころをゲット。

2015年・2018年、加納アキ役で話題作「下町ロケット」に出演。また、2013年スタジオジブリの映画『かぐや姫の物語』では、高畑勲によってヒロイン・かぐや姫の声に大抜擢された。

三浦貴大(役名:志熊藤太郎)


写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

初海に恋する朴訥で誠実な青年。染物工場で手ぬぐいを製作している。


誰もが知る山口百恵と三浦友和の次男。兄は歌手の三浦祐太朗。
2010年、映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』でデビューし、第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。翌年NHK「カレ、夫、男友達」でテレビドラマ初出演。

近年の出演作に2015年、映画『サムライフ』主演、2016年、映画『怒り』では北見役、2019年、映画『ゴーストマスター』で主演、2020年、ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う」など。

本作品の志熊役では短髪にし、不器用な青年のたたずまいを見事に演じた。

川崎ゆり子(役名:村松楓)

『四月の永い夢』川崎ゆり子
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

初海が昔勤務していた学校の元生徒。駆け出しのジャズシンガー。彼氏からDVを受けており初海に助けを求める。


桜美林大学演劇専修卒業の舞台女優。2015年寺山修司初期作品・藤田貴大脚本の舞台「書を捨てよ町へ出よう」に東京芸術劇場にて出演。これからが期待できる女優さんです。

高橋由美子(役名:戸田忍)


写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

初海が働く蕎麦屋のオーナー。初海を温かく見守る。


1989年に女優、翌年に歌手としてデビュー。1994年、テレビドラマ「南くんの恋人」で主演を務め、主題歌「友達でいいから」も大ヒットとなりアイドルとしての人気に火がつく。

1998年~2013年ドラマ「ショムニ」日向リエ役の演技で抜群の存在感を確立し、個性派女優へ転進。映画では1995年、『時の輝き』の神崎由花役、2018年、『いつも月夜に米の飯』など多数。

志賀廣太郎(役名:風間幸男)


写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

亡くなった初海の恋人の父親。


1990年、劇団青年団に入団し舞台で活躍していた。1998年、『もう、ひとりじゃない』でスクリーンデビュー。2001年、「学校の怪談」でテレビドラマ初出演。2003年、テレビドラマ『独身3!!』吉家係長役、そして、スピンオフDVD『THE3名様』でのパフェおやじ役が若者の間で人気になり、知名度がぐんと上がる。

2015年、映画『踊る大捜査線』、2017年、話題のドラマ『陸王』では、富島玄三役という重要な役どころで出演、名脇役と言われるようになる。

2019年、テレビドラマ『きのう何食べた?』では、西島秀俊演じる筧史朗の父親役を好演していたが、体調不良で途中降板、2020年4月20日に他界。
あの優しい声がもう聞けないのかと思うと悲しいですね。ご冥福をお祈りします。

高橋惠子(役名:風間沓子)


写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

亡くなった初海の恋人の母親。


1970年、『高校生ブルース』で関根恵子の芸名で主演、スクリーンデビュー。妊娠する女子高校生という当時としては衝撃的な役を演じ、ヌードを15歳で披露し話題を集める。同年『おさな妻』でゴールデンアロー賞新人賞受賞

テレビドラマでは、1971年、「ガードマン」、1972年~1974年、「太陽にほえろ!」、1992年、NHK大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」で織田信長の母「るい」役を好演。

 

映画『四月の永い夢』感想

『四月の永い夢』
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

*初海の秘密部分のネタバレはしません。

中川監督は、親友の自死というご自身の体験から、「喪失」そして「死」をテーマに映画『四月の永い夢』を作り上げられたそうです。

主人公の初海(朝倉あき)が、かつての恋人が自殺したことを受け止めきれず、3年経っても引きずっているのですが、不思議と絶望感はありません。

元教師で今は蕎麦屋で元気にアルバイト。家に帰れば好きな漫画を読んだり、好きなラジオを聴いたりしている、ごく普通の生活を送っています。

しかし、お話が進むに連れて、初海が自分の気持ちを押し殺し自分の世界に閉じこもっている様子が伝わってきます。

ある日、かつての恋人の母親から1通の手紙が初海宛に届きますが、それには恋人が自殺する前に書いた初海宛の手紙も同封されていました。しかし、初海はすぐに開封することは出来ません。

人生が動き出す

『四月の永い夢』
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

その手紙が届いたあたりの頃から、初海の周辺は本人の意思に関わらず動き始めます。

まず、働いている蕎麦屋が閉店することになり、仕事を探さなくてはいけなくなる。
そして、ある日偶然に元教え子の楓(川崎ゆり子)に会うが、同居している彼氏からDVを受けていることを知り、ほうっておけなくなる。
蕎麦屋の常連だった染物工場で働く志熊藤太郎(三浦貴大)から好意を寄せられる。

人生って、自分の意思に関わらずいきなり走り出したりするもので、思わず慌ててしまったりしてしまいますが、初海も始めは戸惑います。恋人が亡くなってから3年もの間、時が止まってしまっていたような毎日から、いきなりたくさんのことが起こり始めたのでした。

それでも受け入れられない

『四月の永い夢』
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

しかし、友人が仕事先を紹介してくれて面接に行っても、やる気が全く伝わってこない。そして、志熊から告白されても受け入れられない。

ここで、大事だったのは、元教え子・楓の存在かなと思います。
彼女を守ろうとDVの現場から彼女を救いだしたことで、生への一歩を踏み出したのではないでしょうか。

秘密

『四月の永い夢』
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

実は、初海は誰にも言っていない秘密があります。そのことで初海はずーっと3年間苦しんできたのです。
やっとの思いでかつての恋人の母親(高橋恵子)にその秘密を打ち明けると、

「本当は、人生って失っていくことなんじゃないかなって思うようになった。失い続ける中で、そのたびに本当の自分自身を発見していくんじゃないかなって」

と初海に語ります。

このセリフは、本当に心に響きました。生きていれば、誰でも遅かれ早かれ「死」に向き合う瞬間があります。そして、喪失感に苛まれ、苦しみ、もがくのですが、孤独感も必ずセットになってついてきます。亡くなった人との関係性は当人同士にしか分からない、つまり、この気持ちはだれにも分からない、と思ってしまうのです。

だからこそ、このセリフに初海が救われたように、観ている私も救われました。そして、人生後半戦に入った年齢の母親という、安心感をもたらしてくれる立場から発せられた言葉だったからこそ響いたのかもしれません。

高橋恵子さんの醸しだす、温かみのある優しい雰囲気もこの役にぴったりでしたね。

ラジオと音楽「書を持ち僕は旅に出る」

初海が唯一楽しんでいたのが、ラジオとそこから流れる音楽。映画の中で使われた音楽は「書を持ち僕は旅に出る」という、聞いたらステップを踏まずにはいられなくなるようなアップビートのある元気が出る曲。
あたかも初海の人生の再出発を応援してくれるようで、映画にはなくてはならない存在だったと思います。

この曲は、東川亜希子(ボーカル&ピアノ)と神谷洵平(ドラム)のユニット・赤い靴によるものです。

ロケ地

この映画は、東京の国立市で主に撮影されました。初海の閉ざされた世界、でも絶望感はない、ただ人生を一休みしているような箱庭感を出すのに、国立の雰囲気はぴったりだった、と監督がどこかでおっしゃってました。

ちなみに、桜の花びらと菜の花が美しいタイトルカットは、埼玉県北本市で撮影。

私は今回、中川監督の作品をはじめて見ましたが、映像がとても綺麗なのがとても印象的でした。透き通ったような透明感がありました。

てぬぐい

映画の中に出てくる小物として重要な役割をしたのが、てぬぐい。
志熊藤太郎(三浦貴大)が染物工場でてぬぐいをデザイン製作している、という設定ですが、志熊が初海を自分の職場に案内して、たくさんの様々な柄のてぬぐいの下を初海が歩くシーンは、とても幻想的で素敵でした。

歴史ある「かまわぬ」のてぬぐいは、映画でなくてはならない存在だったと思います。ちなみに、こちらは『四月の永い夢』のために「かまわぬ」がオリジナルデザインしたてぬぐい「金魚花火」だそうです。

『四月の永い夢』
写真出典:『四月の永い夢』公式サイト

映画『四月の永い夢』DVD・ブルーレイ・レンタル

『四月の永い夢』DVD/ブルーレイには、朝倉あき×三浦貴大×中川監督によるオーディオ・コメンタリーの他、メイキング、初日舞台挨拶、未公開シーン集など特典映像がたっぷり収録されています。

 

レンタルは、TSUTAYAからどうぞ。