稲垣吾郎主演『半世界』あらすじ・結末ネタバレ感想と半世界の意味

2020年5月29日

映画 『半世界』

阪本順治監督・脚本の完全オリジナル作品『半世界』は稲垣吾郎のためにあてがきした作品だそうで、脇を固めるのが長谷川博己、渋川清彦と豪華です!

ここでは、『半世界』のあらすじ、キャスト、ネタバレ感想、そして、『半世界』のロケ地は?『半世界』の意味は?というトリビア情報もお届けします!

写真出典:『半世界』公式サイト

『半世界』作品情報

公開年:2019年

監督・脚本:阪本順治

出演:稲垣吾郎、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦

上映時間:119分

配信元:キノフィルムズ

映倫区分:G

『半世界』あらすじ

とある地方都市。炭火焼職人の主人公・高村紘(稲垣吾郎)、地元に残って中古車販売を経営している岩井光彦(渋川清彦)、そしてある日フラッと地元に戻ってきた元自衛隊員・沖山瑛介(長谷川博己)が久々に三人そろって再会する。それぞれが人生の折り返し地点に立ち、さまざまな苦悩を抱えている。残りの人生をどう生きるか・・・


©2018「半世界」FILM PARTNERS

『半世界』キャスト

稲垣吾郎(役名:高村紘)

稲垣吾郎
写真出典:『半世界』公式サイト

誰もが知る国民的アイドルグループSMAPのメンバー。(2016年に解散)1978年生まれ東京都板橋区出身。
「あぶない少年III」でテレビドラマデビュー、と言っても本人役なので本格的なテレビドラマデビューは、NHK連続テレビ小説の「青春家族」の阿川大地役。

1990年の『さらば愛しのやくざ』の高梨隆役で映画デビュー。その後、1997年『パラサイト・イヴ』、1999年『催眠』、また2010年の『十三人の刺客』で松平斉韶役で、数々の賞に受賞・ノミネートされ、役者としてのブレイクスルーだったと言えるだろう。

2020年には『ばるぼら 』、『海辺の映画館―キネマの玉手箱 』が公開予定。

長谷川博己(役名:沖山瑛介)

長谷川博己
写真出典:『半世界』公式サイト

1977年東京都出身。2008年『四つの嘘』でドラマデビュー。2010年にNHKで放送された『セカンドバージン 』で初主演。色気ある大人のラブロマンスを鈴木京香相手に演じて一躍話題に。同年、テレビシリーズ『家政婦のミタ』では優柔不断な父親を演じて、エランドール賞新人賞を受賞。

2018年NHK連続テレビ小説『まんぷく』では、主役立花萬平を熱演。現在2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる 』では、明智光秀役を好演中。舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍する日本を代表する実力派俳優となった。

渋川清彦(役名:岩井光彦)

渋川清彦
写真出典:『半世界』公式サイト

1974年生まれ、群馬県渋川市出身。2006年に現在の芸名「渋川」に変更、出身地から付けた。

1997年『踊る大捜査線 』でドラマデビュー。1998年『ポルノスター』で映画デビュー。2003年、『ナイン・ソウルズ 』、2005年『空中庭園』、2009年『蘇りの血 』、2013年『そして泥船はゆく』で映画初主演を果たす。2014年『クローズEXPLODE 』。豊田利晃監督の作品に多く出演している。2018年、『神と人との間』では、主演の穂積役を好演。最近では、2020年『37セカンズ 』にも出演。

その後、数々のドラマ・映画に出演しなくてはならない名脇役と言われるようになる。

池脇千鶴(役名:高村初乃)

池脇千鶴
写真出典:『半世界』公式サイト

1981年生まれ、大阪府出身。
1997年「CM美少女企画岡村隆史の妹」の第二弾「三井のリハウス」の“リハウスガール”オーディションで、市川準監督に見出され、第8代リハウスガールとして芸能界デビュー。
1999年、市川準監督『大阪物語』霜月若菜役で映画デビューを果たし、第73回キネマ旬報新人女優賞を受賞した。

2001年、NHK連続テレビ小説『ほんまもん』で主演。2004年には、映画『ジョゼと虎と魚たち』では、妻夫木聡とのベッドシーンにも挑戦し、大人の色気ある女優へと脱皮。199年以来、毎年一本以上の映画に出演し、最近では、2018年『万引き家族』、『きらきら眼鏡 』と出演。

『半世界』感想(結末のネタバレあり)

映画 『半世界』
写真出典:『半世界』公式サイト

映画『半世界』は、阪本順治脚本監督が稲垣吾郎に当て書きした作品だ、ということで、とっても期待しての視聴となりましたが、アラフィフの私には胸にグッとくるものがあり、映画を観終わったあとも、しばらく自分の人生について考えさせられる映画となりました。

お話は、稲垣吾郎演じる主人公・高村紘が父親から受け継いだ炭焼き製作所で職人として一人で備長炭を作って生計を立てている。妻・初乃(池脇千鶴)との間には高校生の息子がいるが、父親を嫌い反抗期真っ只中。そして、息子はどうやらクラスメイトからいじめにあっているらしいなど、悩み事はつきない。

あの都会派で洗練されたおしゃれな稲垣吾郎が父親役!しかも、備長炭の職人!ということで、大丈夫かな~・・・と思ったのですが、びっくりです。無精ひげを生やした吾郎ちゃんが素敵~!と思わず声に出してしまったほど魅力的でした。

山の男、土くさい男を稲垣吾郎にやらせたい、という監督の発想でしたが、本当に新鮮で意外や意外、稲垣吾郎にぴったりでした。

映画 『半世界』
写真出典:『半世界』公式サイト

そこへ、元自衛官の瑛介(長谷川博己)がある日フラッと帰郷してきます。亡くなった母親の家を整理しに来た、と言うが、どうやら覇気がない瑛介。

長谷川博己は、テレビドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』のようなひょうきんな役もすれば、『セカンドバージン 』で色気たっぷりな役も出来、そして今回のような暗い過去を背負った役も出来る役者さんで、本当に観ていて安心感があり、主役の吾郎ちゃんを上手く支えていたと思います。

そして、男3人のもう1人は、学校を卒業して以来、家業の中古車販売会社を経営している岩井光彦(渋川清彦)。地元に根付き、お調子者でお喋りなので、紘と瑛介の間に入ってバランスをとる役割どころ。

傍から見たら人間の悩みなど分からないもので、例えば、紘など子供がいて妻がいて1人で会社を経営、と言ったら聞こえはいいですよね。しかし、実際、経営は難しく、1人息子は自分を嫌い憎たらしい口を利く反抗期。こんな時、誰もが、自分の人生これで良かったのか?と立ち止まって考えてしまうのが、アラフォーの年代でしょう。

突然故郷に帰ってきた瑛介は、ぼろぼろの実家に手を入れ始めるが、外にも出ず家に篭ったまま。それを心配した紘は、自分の仕事の手伝いをさせるのだった。

映画 『半世界』
写真出典:『半世界』公式サイト

ある日、光彦の中古車販売店で購入したトラックをちんぴら達が返しに来る。(不法投棄でただトラックを使用したかっただけ)光彦は、抗議するがチンピラたちが暴力をふるい始めたところに瑛介と紘が通りかかり、止めようとするが、チンピラは瑛介にビンタを食らわす。そうすると、瑛介は何かスイッチが入ったようになり、チンピラたちに殴りかかり一人の男を殺しそうになるが、紘の仲裁でハッと我にかえる瑛介だった。

ここで、瑛介が、海外派遣先で起こったことが原因でPTSDを抱えている、ということをことが分かる。

その後、瑛介は再び行き先も告げずに土地を離れ、漁港に移り漁師の手伝いを始めるが、あることがきっかけで紘は、瑛介が部下だった誉くんの自殺の原因が自分にあると責任を感じている、ということを知る。

ここで、瑛介は紘に、「お前にはこっちの世界は分からない」と言うが、紘も「こっちだっで世界だよ。いろいろ大変なんだ。」と言う。

半世界の意味

映画 『半世界』
写真出典:『半世界』公式サイト

つまり、半世界は、外から見ると1つの世界にしか見えないけど、表と裏がある半々の世界。
瑛介には紘たちと過ごす田舎町での半分の世界と自衛隊でのグローバルな半分の世界、紘には瑛介たちと過ごす半分の世界と窯と向き合う世界。そして、もう1つは、生と死の半々の世界。

紘が、窯の前で居眠りをした時にふと夢の世界に入っていくファンタジーのようなシーンがありましたが、それは死の前ぶれを演出したかったのでしょうか。生きているこっち側の世界もあれば、亡くなっている人がいるあっち側の世界もある。

瑛介たちが高校卒業のときに山中に埋めたタイムカプセルを、瑛介が亡くなったあとに掘り起こし、そしてまた埋めるというシーンは、なんだか生と死を象徴しているような気がします。

映画 『半世界』
写真出典:『半世界』公式サイト

ひとつ残念だった点は、瑛介のお葬式のシーン。
現実味があり過ぎて、目を背けてしまいました。私は母を12歳の時に亡くしているのですが、それと重なってしまったのかもしれません。

池脇千鶴演じる初乃が「私も一緒に行く!」と叫ぶシーンは号泣してしまいました。そして、その後、初乃が霊柩車の中で「雨はいつ止むのかしら」とボソッというシーンもあって、どんなに大事な人が亡くなっても生きている人間の人生は続く、そういう意味合いを含めたかったからお葬式のシーンは不可欠だったのかもしれませんね。

監督が舞台挨拶のときに「ある日突然いなくなる、それもまた日常」というようなことを言ってましたが、まさに人生その通りです。母が亡くなって夜ベッドの中で泣いて、それでも朝は来る。そして、学校へ行って友人と笑いあう。

生の半分、死の半分、その世界観を表現したかったのでしょうか。

監督がインタビューで

「大きな世界を撮ってきた時間が続き、今度は日本の小さな世界を撮ろうと思った」
引用:FIGARO.jp

と言ったそうですが、監督にとっても瑛介と似たような感覚なものがあったのかもしれません。

監督が小石清という日本の戦前を代表する写真家の個展を訪れたときに見た写真のタイトルが「半世界」だったそうです。その写真は、戦争の悲惨な状況を写したものではなく、子供たちの笑顔や畑にいる牛の写真だったそうで、生と死の半分の世界、そこからインスピレーションを得たのかもしれませんね。

初めは、「描いた人生になっている?」というキャッチコピーがついてたので、アラフォー・アラフィフでミッドライフクライシスを感じている人たちのための映画かと思ったのですが、もう少し大きなテーマだったような気がします。

『半世界』は、AmazonからDVDまたはBlu-rayでご覧になれます。

映画『半世界』のロケーション

映画が撮影されたところは三重県の南伊勢町。総人口は12,188人。観光PRウェッブサイトでは、海の匂いも山の匂いも感じる暮らし、とあり半々の世界という点で映画『半世界』にはパーフェクトなロケーションだったのですね。

実際に映画を撮影したロケ地となった地図です。↓後に、吾郎ちゃんは、「出川哲郎の充電させてもらえませんか」で電動バイク旅をした際にこの地に再び行ってます。

映画『半世界』ロケ地

参考:FIGARO.jp, 南伊勢町役場