『グリーンブック』を観た感想とあらすじ、トリビア情報も!

2021年9月1日

『グリーンブック』を観てきたので感想です!

実話に基づいたお話、という予備知識だけで観て来ましたが、こんなに感動するとは思わなかった~!

この作品は、2019年2月に開催された第91回アカデミー賞で作品賞と脚本賞、そして、ドクターシャーリー役を演じたマハーシャラ・アリは、最優秀助演男優賞に輝きました。

(トニー・バレロンガ役を演じたヴィゴ・モーテンセンはノミネートされましたが、残念ながら予想通りと言いましょうか、『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック が主演男優賞を受賞しました。)

『グリーンブック』のトリビア情報も載せてます♪ 映画を観る前に読んでも観た後に読んでも映画が2倍楽しくなること間違いなし?!

『グリーンブック』作品情報

原題:Green Book

公開年:2018年

監督:ピーター・ファレリー

出演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ

上映時間:130分

ちなみにこの「グリーンブック」とは何か?というと、1960年代、当時黒人人種差別的措置がアメリカ南部州でとられておりアフリカ系アメリカ人が入れないレストランやホテルなどが数多く存在したため、彼らが旅行する時のために1936年に作られた黒人の為のガイドブックです。

旅先で嫌な思いをしないように黒人を歓迎する飲食店や宿泊施設が記載されており、1964年に公民権法が議会を通過するまで発行されていたそうです。

『グリーンブック』あらすじ

1962年、教養高い天才黒人ジャズピアニスト、Drドン・シャーリーは、黒人差別がまだ根強く残るアメリカ南部でのコンサートツアーの為に用心棒兼運転手として、パブで用心棒として働いていたガサツで無教養なイタリア系アメリカ人、トニー・リップを雇う。

トニーは、渡された<グリーンブック>を頼りに、Drシャーリーと旅を始めるが・・・・

『グリーンブック』感想

実は、私<グリーンブック>というものが実際に存在していた、という事を知りませんでした。昔、アメリカで黒人差別があったのはもちろん知っていましたし、色々な映画でも今まで黒人差別が描かれてきたので自分では知っているつもりでしたけど、この<グリーンブック>が存在していた、ということを知って、当時どれだけの黒人が差別に苦しんだのか・・・と胸が痛くなりました。

こう書いてしまうと、シリアスなお話という印象をもたれてしまうかと思いますが、いやいや何度も声を上げて笑ってしまった。

教養高い天才ジャズピアニスト⇔ガサツで無教養な用心棒

という構図が必然的に笑いを生み出しますね。

だって、Drドン・シャーリーは、ケンタッキーフライドチキンを食べたことがない、と言うのでトニーがすすめると、皿とナイフとフォークを要求するとか、トニーが妻に書く手紙が小学生以下の文章とか・・・笑える部分もたくさんあります。

しかし、そんな中でコンサートツアーの道中にぶつかる黒人人種差別の壁にトニーはなぜDrシャーリーは怒らないのか?とイライラし始めます。

そして、この映画のすごいところは、ただ人種差別問題を取り上げているのではなく、人間としての自分は何ものなのかというアイデンティティーに苦しむDrシャーリーの気持ちを描いている点かなと思います。

Drシャーリーは、カーナギーホール(由緒あるコンサート会場)の上に住むめちゃくちゃ成功している教養高い天才黒人ジャズピアニストで、舞台上では裕福な白人のお客さんから拍手喝采を受けるが、一歩舞台を降りるとさまざまな場所で拒絶される。

「自分は黒人でも白人でもない、どう生きるのが正解なんだ!」と泣き叫ぶシーンがあるのですが、トニーは、「自分に出来ることをする。音楽があるじゃないか!それだけでいいんだ。」と言います。なんだか、共感しちゃいますよね。誰しも、「自分って一体何?」と思うときがありますから。

アメリカでは映画評論家たちから、この映画が「白人の救世主」的な感じがして白人優越感を受ける、という意見もありましたが、私はそうは思いません。

性格が正反対の2人が友情を深めお互いがお互いを救い合い助け合う、というお話に過ぎないのではないかと。肌の色が同じ同士がお互いを助け合ったとしても人間は感動します。そして、<グリーンブック>を題材としたのもこれから先、人種差別をなくしていくためにも必要なことだったと思います。

この性格も人種も、育った環境も全く違う二人がはぐぐむ友情これが、実際にあったお話で映画の本髄かなと思います。

Drシャーリーのピアノ演奏も素晴らしくて途中で踊り出したくなるくらい。そして、笑えて泣けて愛を感じる心温まるお話で、観終わってすぐに、もう1度観たい!と思った映画です。

映倫区分Gです。<グリーンブック>のことや歴史的背景を少し教えてあげれば、十分中学生からでも楽しめる映画だと思います。
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『グリーンブック』トリビア情報

  • トニー・バレロンガは、実在するアメリカの俳優。1962年からDrシャーリーの用心棒兼ドライバーとして働き、その後1970年代から役者として活動。テレビドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』でマフィアのドンを演じたことで有名。
  • トニーの息子ニックも俳優、脚本家であり、今回の映画『グリーンブック』の脚本・製作に加わっている。

参考:Wikipedia “Green Gook Film"