映画『グロリア 永遠の青春』あらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想

2022年3月10日

映画『グロリア 永遠の青春』

ジュリアン・ムーア主演映画『グロリア 永遠の青春』を視聴しました! ジュリアンのベストパフォーマンスと呼び声高い作品です。ここでは、あらすじ、キャストの紹介、そしてネタバレ感想をお届けします。

映画『グロリア 永遠の青春』作品情報

原題:Gloria Bell

公開年:2018年

監督・脚本:セバスティアン・レリオ

出演:ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ、マイケル・セラ

上映時間:101分

配給:キノシネマ

映倫区分:PG12

映画『グロリア 永遠の青春』あらすじ

子育て、離婚を経てシングルとなった中年女性のグロリアは、LAのアパートで一人暮らし。昼間は会社員として働き、夜は中高年の出会いの場でもあるダンスクラブに繰り出す毎日。
ある晩、アーノルドという年上の男性と出合い付き合い始めることに。同じくバツイチの彼は、お喋りも上手でとっても知的。すっかり意気投合したものの、グロリアには1つだけ気になることが。それは、彼の別れた妻が未だに彼を頼ってちょくちょく連絡をしてくること。そして、それをなんだかんだと言って優先させる彼。

映画『グロリア 永遠の青春』キャスト

ジュリアン・ムーア(役名:グロリア・ベル)・・・離婚経験者。成人して独立している娘と息子がいる。会社勤務。

ジョン・タトゥーロ(役名:アーノルド)・・・離婚経験者。体感型ゲーム施設のオーナー。

マイケル・セラ(役名:ピーター)・・・ムーアの息子。まだ幼い赤子を一人で育てている。

ホランド・テイラー(役名:ヒラリー・ベル)・・・グロリアの母親。

映画『グロリア 永遠の青春』ネタバレ感想

本作品、2013年のセバスティアン・レリオ監督の映画『グロリアの青春』のリメイクです。ムーアの熱望によってリメイクされたそうです。

だからでしょうか。2021年になっても邦題に「永遠の青春」というダサイタイトルをつけなければいけないという事情が察せられます。

いや~、これほどターゲット層が限られる映画も珍しいのでは。予想される視聴者のジェンダーと年齢は、女性とアラフォー以上といった感じでしょうか。

私の旦那なんて予告見ただけで「ひとりで観てね~」だって。

で、ひとりで観た私ですが、意外や意外、ンドロールで泣いちゃった(^^;;なんだか、共感しちゃったんですよね。

映画は、ごくごく平凡な中年シングル女性の日常を描き出すところから始まるのですが、まるでドキュメンタリーをみているかのよう。

離婚して一人暮らしで昼間は保険会社で働き、夜はシングルが集まるダンスクラブに繰り出す、といった感じで独身ライフをエンジョイしてるかと思いきや、色々と不安や悩みは尽きない。

息子夫婦に子供が出来、孫にも恵まれたが、どうやら母親は赤子を置いて家を飛び出したかのようで、そんな孫と息子が心配でならない。

なかなか連絡をくれない近所に住むヨガインストラクターの娘は、恋人が出来LAを離れることに。
娘を空港で見送るシーンなんて、号泣。私は海外在住ですが、子供を海外へ見送る時の親の心境。私の父親もこんな気持ちだったのかな・・・と亡き父へついつい思いを馳せてしまいました。

職場では長年の仲の良い同僚がリストラにあい離職。明日はわが身と感じるグロリア。

そしてグロリアの母親との会話で「あなたのお父さんはなんとか私が楽に暮らせるお金を残してくれた。何にも贅沢なんてしてないのよ。ただ、私長生きしちゃうかも。あなたに多くの遺産を残してあげることは出来ないかもしれない。」という部分があるのですが、これが一般市民のスタンダードではないでしょうか。

いやー、私一生働くても大丈夫、なんて人は少数です。ここでも共感。

平凡そうに見える毎日を送っている彼女ですが、私達と同じように将来への不安、歳とともに押し寄せる健康の不安、子供達の将来の心配などの悩みを抱えているのです。

知的な男性アーノルド登場

そんな時に現れたのがアーノルド。
このアーノルドを演じるのがベテラン俳優のジョン・タトゥーロ。最近ではドラマ「ナイト・オブ・キリング 失われた記憶(The Night Of)」でのちょっと頼りない弁護士役が記憶に新しいです。

ビジュアル的には(これは私感ですが)決してイケメンではないですが、アーノルドは詩を読み、哲学的な話も出来ちゃう知的な大人の男性。バツイチだし、グロリアにぴったり!

しかし、なぜか別れた元妻が頻繁に連絡してくる・・・

いや~な予感が。えっ、ちゃんと別れてないとかじゃないよね?!と思いましたが、そうではないよう。なんだかんだ口実をつけては元妻や成人した娘達はアーノルドを頼ってくる。

ある日、グロリアの別れた夫と彼の現妻と子供達とのディナー会にグロリアはアーノルドを連れて行くのですが、アーノルドが途中からいなくなってしまうのです。

結局のところ、身内ネタで盛り上がっている中のアウェー感に堪えられなかった模様。後で「僕は何度も君にシグナルを送っていたのに!」と怒ってましたが・・・

いや、分かりますよ。身内ネタでのアウェー感って堪えがたいですから。しかし、それでも耐えるのが大人ですよ!!!

グロリアを大事に思っていたら、そんな途中で帰るなんてことできないはず。


一度は許すグロリアですが、アーノルドは2度も同じようなことをします。旅行先で途中からひとりだけ先に帰る、しかも、黙って帰るって!!!

観てて思わず「最低!」とつぶやいてしまった・・・

この後のグロリアの落胆ぶり。年老いた母親が娘を旅先まで迎えにくるシーンとかなんだか分からないけど泣けてしまった。

アーノルド!今度こそは許さんぞ!と私だけでなくグロリアも思ったよう。

何度も立ち上がるグロリア

意気消沈していたグロリアでしたが、アーノルドのペインドガンを使用して彼の元妻の家や彼にペイントをぶっ放す様子は最高!!!

次の恋を始めるのには時間がかかりそうだけど、ローラ・ブラニガンによるエンディングの曲「Gloria」にのってグロリアがダンスするシーンにはジーンとしちゃいました。

生きていると何度も何度もつまずいたりする。そして、あー今度こそは立ち直れないかも、と思うことも多々

本作品はただのラブロマンスではなくて、人生への応援歌!グロリアが何度も立ち上がって前に進もうとする、その姿に元気を貰いました。

まとめ

本作品はジュリアン・ムーアの最高作かも!

作品中にかかるミュージックも70年代後半から80年代にヒットした曲ばかりで大満足。

そして、ところどころにユーモアが散りばめられてて笑えるシーンも多々。


グロリアの息子が一人で赤ん坊の面倒を見ているところに家出した嫁が電話してくるのですが、嫁に対してぶち切れる様子とか、最後にペイントガンをぶっ放すとアーノルドの家族が家から飛び出してくるのですが、みんなすごいおデブで。アーノルドがタミータックをしてたことを思い出したり、なぜか近所の毛の無いネコにグロリアは懐かれたり、とクスッと出来る場面をあって楽しめます。

毎日なんだかパッとしない、傷つき立ち上がれない、という時に観たくなる映画。元気が出ること間違いなし!おススメです!

映画『グロリア 永遠の青春』の公式サイト