『コレット』映画の感想、あらすじ(ネタバレ)、トリビア情報も!
日本では5月17日公開予定の『コレット』を一足お先に観て来ましたのであらすじ、感想をご紹介します。
『コレット』は、20世紀初頭に大活躍したフランスの伝説の女性小説家シドニー=ガブリエル・コレットさんの半生を描いたお話で、このコレットさんは、映画化された『わたしの可愛い人 シェリ』などで有名な作家ですが、仕事の面だけでなく、この方の人生なんともスキャンダラスで波乱万丈な人生。
自身が小説家としてデビューするまでは夫のゴーストライターをしていたことでも有名な方です。
彼女のドラマチックな半生を描いた作品ですが、内容は20世紀のフランス社交界の様子、そして彼女がいかにして夫の影から抜け出し自分の足で立ち上がりフランス屈指のベストセラー作家となったのか?など見所たくさんの映画です。
『コレット』作品情報
原題:Colette
公開年:2018年
監督:ウォッシュ・ウェストモアランド
出演:キーラ・ナイトレイ(コレット)
ドミニク・ウェスト(ウィリー・コレットの夫)
上映時間:111分
映倫区分: PG12 (大人のための映画でーす。)
主役のコレットを演じているのは、キーラ・ナイトレイ。
6歳の頃に子役としてデビュー、17歳のときに演じた『ベッカムに恋して』が大ヒットし、翌年公開されたハリウッド映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のヒロイン役に大抜擢され、同作品も記録的大ヒットを記録したことから、一気にハリウッド人気スターの仲間入りを果たす。
その後もジェーン・オースティン原作の『プライドと偏見』で主役のエリザベス役を演じアカデミー主演女優賞にノミネートされる。
そんな彼女が本作品では20世紀(1873-1954)に実在したフランスの伝説の女性小説家コレットを熱演。まさに彼女のはまり役と言えるほどだったと思います。
『コレット』あらすじ
14歳年上のパリの有名な作家&批評家アンリ・ゴーティエヴィラール、(ニックネーム・ウィリー)と結婚したコレットは、のんびりとしたフランスの田舎町から芸術の町パリへ引っ越す。
結婚後すぐにウィリーのゴーストライターとして自伝的小説「クローディーン」をウィリーの名前で出版しベストセラーとなり、ウィリーとコレットは瞬く間にパリの社交界の中心人物となる。
金銭的にも裕福になった二人だったが、ウィリーの金遣いの荒さ、そして女遊びは止まらなかった。
そんなウィリーに愛想を付かしたコレットは、いかにして夫の影から抜け出し自分の人生を生き始めたのか?
©2018 映画『コレット』
『コレット』感想(ネタバレ含みます)
映画『コレット』は最初こそコレット役のキーラ・ナイトレイのやぼったい長ーい三つ編みヘアースタイルを見て、そして、夫の言われるがままに行動している姿にイライラしましたが、途中からコレットが夫のゴーストライターとして小説を書き始めそれがベストセラーとなり、パリの社交界にデビューし彼女が洗練されていく様子にワクワクしはじめました。
また、20世紀初頭のパリの社交界のなんともきらびやかなこと!
ココ・シャネルの友人だったコレットは、ファッションも当時の最先端を装っておりドレスはもちろん素敵ですが、男装などもとってもかっこよい!
コレットとウィリーは、完璧なフィクション小説を書くというより、自伝的小説、つまり実際に体験したことを元に小説のインスピレーションをもらっていたらしく、見ていて途中から小説のネタの為に破天荒でセクシーでスキャンダラスなライフスタイルを選んでいたのか、それとも元々の性格なのか、コレットの生活がどんどんと奇抜になっていく様子は度肝を抜かれます。(^^;;
そして、コレットが「誰のためでもない、誰に言われたでもない、自分のやりたいことをやる」と決めて、自立し作家として自分の名前で小説を出版し成功していく・・・というくだりは、最高です!
しかし、ここで押さえておきたいのは、確かに夫ウィリーの名前で出版した小説はコレットを含む他のゴーストライターたちの作品ですが、小説「クローディーン」の大ヒットには彼のプロデューサーとしての才能によるところもあると思います。実際に、「クローディーン」を舞台化したり、ブロマイドやキャラクターグッズを販売したり、、、と彼のブランディング力は素晴らしかったのです。
ドミニク・ウェスト演じるウィリー
出典:『コレット』公式サイト
ある意味、残念ですよね、ウィリーがお金を散財したり、女遊びをしなかったら、作家としてそして時代の先を見る才能があったコレットとプロデュース力に長けていたウィリーはなかなか良いチームだったのかもしれませんね・・・
とにかく、この映画、観終わった後、すっきり爽快!元気がもらえる映画、そして未来を案ずる大人の女性の為の映画です!ぜひぜひ、女友達と観に行って、その後はお酒を片手にみんなでコレットの人生について語り合って見たら楽しいかも!?
『コレット』トリビア情報
出典:『コレット』公式サイト
- 映画では、コレットが途中からウィリーの女癖と金遣いの荒さ、そして決定的だったのは彼女が書いた自伝的小説「クローディーン」の著作権をコレットに断りもなく勝手に売却したことから離婚へ、というストーリーラインですが、実際は離婚後も長い間ウィリーが著作権を持ち続けたそうです。小説「クローディーン」はロングセラーだったため多額の印税があったにも関わらず、一銭もコレットの元には支払われなかったとか。しかし、のちにコレットは小説「クローディーン」の著作権の権利を裁判で勝ち取ります。裁判の勝因になったのは、夫ウィリーが彼のスタッフの一人に「処分するように」と渡していた「クローディーン」の原文で、そのスタッフは処分する直前にコレットの筆跡に気づき、コレットに原文を渡していたのです!
- コレットは、オードリー・ヘップバーンを見出したことでも有名です。自分の作品「Gigi」に当時全くの無名だったオードリーを抜擢。さすがですね♪
- 作品では、コレットが男装して夫のウィリーがコレットに「捕まるぞ!」と言うシーンがありますが、実際当時のフランスでは女性が男装をすることは法律で禁じられていました。ただし、ゲイであることは1791年から法律で認められていた、というのですから何とも皮肉ですね。
- 作品中にも出てくるコレットのゲイの恋人で男装しているMissy(ミッシー)は、ナポレオン3世の親戚にあたる人物です。
- コレットが離婚し役者として働き始めたころは、時には食べるものも困るほど生活に困窮しており、健康状態も良くなかったそうです。
- ウィリーと離婚後、コレットは再婚し執筆に集中することが出来ます。しかし、すぐ離婚。夫の浮気もあったらしいですが、再婚相手の16歳の息子といい関係になりそれが原因で離婚するも、それをネタに小説を書くというしたたかさ!(笑)
- 3度結婚し、3度目の夫とは死別するまで一緒に暮らす。
劇場情報
日本全国の劇場情報は『コレット』劇場情報をクリックして下さい。2019年5月17日から公開です。
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