『ふたりの女王メアリーとエリザベス』を観た感想とあらすじ、人物相関図、トリビア情報も!
こんにちは~、映画ファンのみなさん、お元気ですか?
今日は、2019年、年明け早々に見てきた映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」の感想をトリビア情報も交えてお話します。
こちらニュージーランドはサマーホリデー中ということもあって、1月の半ば平日でしたが映画館は珍しく混み合っていました。お客さんの年齢層は、やはりR13で暴力シーン・セックスシーンがありますので、落ち着いた雰囲気の大人が多かったです。で、R13の意味ですが、日本でいう映倫区分と同じで「13歳以下は見れない」という政府が決めたガイドラインです。
ちなみに、今回のこの作品の日本の映倫区分は、なんと「G」です!
G…年齢を問わず、どなたでもご覧いただけます。
いや~、だめでしょ。どなたも、って。。。12歳の子供に「歴史のおべんきょー」とか言って一緒に映画館でこの映画を観たら、お母さん大慌てですよ。セックスシーン、暴力シーンがありますので、お子さんと行こうかと思われている方は、お子さんの年齢を考慮されてから連れていかれることをおすすめします。 ちなみに、私の感覚では、R15+ですね。
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」作品情報
原題:MARY QUEEN OF SCOTS
公開年:2018年
監督:ジョシー・ローク
出演:シアーシャ・ローナン、マーゴット・ロビー、ジョー・アルウィン、ガイ・ピアース
上映時間:112分
「レディ・バード」のシアーシャ・ローナンと「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーという若手人気女優2人によるW主演のこの作品、ケイト・ブランシェット主演の「エリザベス」を手がけたプロデューサー、エリック・フェルナーとティム・ビーヴァンらが製作。監督はジョージー・ルークというロンドンで活躍するベテラン女性舞台演出家で、映画は本作品が彼女にとって初監督作品となります。
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「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」あらすじ
波乱万丈の人生を送ったスコットランド女王メアリー・スチュワート。16歳でフランス女王となり、18歳で未亡人となった彼女は、たくさんの結婚相手がいたにも関わらず、出身国のスコットランドへ戻り王座の権利を取り戻します。(メアリーは6歳で君主となりますが、幼かった為スコットランドは摂政政治が行われていました。)
メアリーの帰国とともに、お隣の国イギリス女王・エリザベス1世は、まだ見ぬ美しい妹従姉妹の存在に興味と恐怖を抱きはじめ、同時に若い君主メアリー女王もエリザベス1世に畏怖の念を抱いていたのでした。
王位継承権をめぐってライバル関係にあるエリザベス1世とメアリー女王の2人は、男性社会の政治の場で女性としてどう国を統治するべきか、という問題を抱えていたわけで、お互いの立場は似た状況にあったが、生涯未婚であったエリザベス1世とは反対的にメアリーは「結婚」をいわゆる統治ゲームの駒とし世継ぎをもうけた。しかし、家臣の裏切り、反乱、そして陰謀の渦の中でメアリーは悲劇の美しい女性君主として激動の時代を駆け抜けていった。
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」観る前に
まず、あまりイギリス・スコットランドの歴史に詳しくない方は、途中で混乱する可能性が大です。
映画の冒頭時に、当時の状況をささっ、と説明してますが、やはり映画を観る前にすこーし歴史の勉強をしていくと、楽しさ倍増でキャラクターへの感情移入もしやすくなるかなと思います。
歴史ものですので、ネタばれは関係ないと思いますので、ここで、押さえて置くべきメインキャラクターたちの関係図を説明しま~す。
メアリー女王(シアーシャ・ローナン )
スコットランド女王メアリー・スチュワートを演じるのは、1994年アイルランド生まれのシアーシャ・ローナン。若干25歳にして大物女優の風格を漂わす、人気・実力を兼ね備えた女優さんです。
最近では2017年に、グレタ・ガーウィグ監督の「レディ・バード」の演技でゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得し、その後も3度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。
彼女の作品で私が一番好きなのは、2010年にリリースされた、ニュージーランド人監督・ピーター・ジャクソンによる「ラブリーボーン」で、とても繊細な役どころでしたが、今回メアリー女王役が決まった時、彼女ではメアリー女王が少し弱い印象になってしまうんじゃないかなぁ、と思っていたのでしたが杞憂に終わりました。
いや~、めちゃくちゃ芯が強い、メアリー女王の風格も漂っていました。それと同時に辛い局面に向かう度に人間としてもがく弱さも丁度いい具合に表現されてて、思いっきり感情移入が出来ました。
エリザベス1世(マーゴット・ロビー)
生涯独身で45年間イギリスとアイルランドを統治した女性君主エリザベス1世を演じたマーゴット・ロビーは、2013年、レオナルド・ディカプリオの主演のThe Wolf of Wall Street (邦題:ウォール街の狼)で一躍有名となります。その後、フィギュアスケート界で悪名高いトーニャ・ハーディングを描いたI,
彼女のエリザベス1世役ですが、映画を観ていると途中で天然痘にかかりそれ以来、肌の色がどんどん白くなっていき、髪型やファッションもびっくりするくらい奇抜になっていきます。それは、実際にエリザベスの外見に対するコンプレックスの表れだったかもしれません。
エリザベス女王なんて、私達一般人の気持ちと重なり合う部分なんてないかと思いきや、結婚し子供を出産したメアリーに対する嫉妬心や哀しい気持ち、外見のコンプレックスなど、女性だったら共感し合える部分が多かったのでびっくりしました。
そして、最後、メアリーと分かり合うかと思いきや・・・・というシーンがとっても美しく撮影されていたと思います。
ダーンリー卿(ジョー・アルウィン)
スコットランド出身の28歳イケメン俳優、ジョー・アルウィンが、有力な王位継承権を持つ ダーンリー卿を演じました。メアリー女王といわゆる策略結婚に近い形で結婚し、男の子(ジェイムス5世)をもうけるわけですが、悲しいなが、ダーンリー卿も政治の一齣でしかなかった人生でした。
リッチオ(イスマエル・クルス・コルドバ)
ピエモンテ人の音楽家で、少しフェミニンなゲイっぽいデイヴィッド・リッチオを32歳のカリブ諸島プエルトリコ出身のイスマエル・クルス・コルドバが演じました。
彼の顔はあの「セサミストリート」でよく知っていましたが、今回のリッチオはロン毛でしたので、映画鑑賞中は全く気付きませんでした。
この作品のホームページには「その他の登場人物」のページにも出てこないキャラクターですが、リッチオは家臣たちのメアリーに対する政治的思惑の観点からもとっても重要な役どころだと思うんですよね。
リッチオの運命も涙なくしては観られません・・・
ジェイムス・スチュアート・マリ伯爵(ジェームズ・マクアードル)
メアリーの異母兄に当たるジェイムス・スチュアート・マリ伯爵は、メアリーの政治顧問となるが、妹メアリーの失脚を何度も試る。
イングランド王ヘンリー7世の王女マーガレットの孫である=王位継承権を持つダーンリー卿との結婚によってメアリーの王位継承権が強化されるのを恐れ、結婚にも反対した。
このマリ伯爵を演じたスコットラン人、ジェームズ・マクアードルは、2010年ごろから主に「舞台」を活躍の場としていたが、2010年のStar Wars(邦題:スター・ウォーズ」)でNiv Lek(ニヴ・レック)役に抜擢。
だいぶ老け顔ですが、まだ29歳。テレビや映画で、これからますます活躍が期待できそうな29歳です。T
ロバート・ダドリー 初代レスター伯(ジョー・アルウィン)
エリザベス1世の寵臣であり愛人だったのロバート・ダドリー 初代レスター伯を演じたのは、27歳のジョー・アルウィン。2016年に公開された「ビリー・リンの永遠の一日」でフィルムデビューを果たした、まだまだピチピチの新人役者さんです。
どうでもいいことかもしれませんが、あのアメリカ人気歌手テイラー・スイフトさんの恋人でもあります♪(2019年現在)
ウィリアム・セシル男爵(ガイ・ピアース)
ウィリアム・セシル男爵は、エリザベス1世のアドバイザーとして40年近くにわたり彼女の右腕として活躍した政治家。セシル男爵は、メアリーの死刑執行に渋っていたエリザベスを2度に渡って説得したと言われている。
このセシル男爵を、ベテラン俳優ガイ・ピアースが演じました。この俳優さん、イギリス生まれでThe King's Speech(邦題:英国王のスピーチ」)、Iron Man 3 (邦題:アイアンマン3)など数多くのハリウッド映画に出演されていますが、オーストラリア育ちでデビューは、オーストラリアの有名な長寿連ドラテレビシリーズ「ネイバーズ」で、最近でもオーストラリアの人気テレビシリーズ「ジャック・アイリッシュ」などのドラマにも出ています。
ジョン・ノックス(デイヴィッド・テナント)
プロテスタント宗の創始者でもあり、メアリー女王の失脚を何度も画策し、彼女の最大の敵ともなったジョン・ノックス牧師を、47歳のスコットランド人、デイヴィッド・テナントが演じましたが、↑この風貌ですから・・・まーったく彼だとは気付きませんでした。
イギリスでは、子供から大人にも大人気なSFテレビシリーズDoctor Who(邦題:「ドクター・フー」)の主役を演じ一躍有名に。その後はテレビシリーズBroadchurch(邦題:「ブロードチャーチ 殺意の町 」)の主役が最近では有名な役どころ。
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」の感想
映画の前触れでは、いたるところで「フェミニズム」という言葉を目にしましたが、私はどちらかというと、「運命に翻弄されたふたり」という方がしっくりきます。
だって、生まれた家がロイヤルファミリーだったわけで、第一王位継承者がたまたま女性だったというだけで、「フェミニズム=女権拡張論」とすると、それは、ちと違うかな、という気がします。
男性であるメアリーの異母兄のマリ伯爵がもしキングだったとしても、同じように家臣の反乱や失脚を狙う画策はあったと思いますから。
ただ、女性だった女王だったという点がキーで、政治を統治しながらも結婚、出産という道を選んだメアリーと、一度も結婚をせず出産も経験しなかったエリザベス、この対照的な二人って現代の私達の友達関係でも十分あり得るので、彼女たちの苦悩や葛藤が共感出来るのではないでしょうか。
彼女は、「私は男として生き、イングランドに自分をささげる」と言ったそうですが、そうすることが男性社会で生き抜く術だったのかもしれませんが、エリザベスは父親だったヘンリー8世が自分の母親アン・ブーリンを処刑したわけですから、これは私の想像ですが、「自分も結婚したら旦那に殺される」という恐怖みたいなトラウマがあったため生涯独身を貫いたのではないか?とも思います。
なんだか、哀しいですよね~。でも現代でもいますよね。男社会で孤軍奮闘している女性。なんだか、大塚家具の大塚 久美子社長をふと思い出してしまいました。(^^;;
話はちょっとそれますが、この作品2019年2月ヘアメイク、そして衣装部門でアカデミー賞を受賞してます。
1度目は、どっぷりお話に入り込んで二人の人生を馳せてみて、2度目はヘアメイク、衣装を堪能する、という観方も出来るかな、と思います。
2度観、絶対ありです!
「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」トリビア情報
- 映画ではアイルランド人のシアーシャ・ローナンが、頑張ってスコティッシュ訛りで演じていますが、実際のメアリー女王は、フランスで育ってますのでスコティッシュ訛りは全くなかった、と言われています。
- エリザベス1世の研究家によると、メアリーはエリザベスを自分より下、またはライバルとしてみていた、ということでこの部分は映画でも触れられていますね。
- 映画を観ていると、黒人、中国系とかなり多様な人種が出ていますが当時実際は全て白人社会でした。しかし、監督のジョージー・ルークは、「はっきりと言いましたよね。私は白人だけの歴史ドラマを演出する気は全くありません。」と言ったそうです。
- ジェイムス・スチュアート・マリ伯爵のスチュアートは、Stewartというスペルですが、メアリーはMary Stuartと違うスペルにしました。色々な推測がありますが、はっきりとマリ伯爵のステイタスと自分の位置を区別つけるべくStuartにした。という説があります。
- 映画のキャスティングは、メアリー女王役にスカーレット・ヨハンソンで2007年から撮影が始まる予定だったが、彼女が役を降りたため製作が頓挫する。
- ウォッカをベースとする、トマト・ジュースを混ぜたカクテル「ブラディマリー」は、そうです!このメアリーから来ています。
参考:Wikipedia
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