Amazonプライムドラマ「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」あらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想、シーズン2はあるのか?

『リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密』Amazonプライムドラマ「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」全8話を視聴しました。
アメリカのベストセラー作家セレステ・イングの同名小説をドラマ化。アメリカではHuluで配信後60日間で今までに一番視聴された作品となり、プライムタイム・エミー賞の作品賞にノミネートされました。

ここでは、Amazonプライムドラマ「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」のあらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想、そしてシーズン2の情報をお届けしたいと思います。

ドラマ「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」あらすじ

時代は1990年代。ビル・クリントン政権下のオハイオ州クリーブランド郊外のシェイカーハイツが舞台。
計画的に作られた整然とした美しい街に貧しいアフリカ系アメリカ人の親子、ミアとパールが引越してくる。裕福なリチャードソン一家の妻エレナが所有する賃貸物件にミア親子が住むことになったことから、交流が始まる。

やがて、経済的に格差がある二家族それぞれが抱える秘密をきっかけにミアとエレナの関係に亀裂が・・・

ドラマ「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」キャスト

メインキャストをご紹介します。

リース・ウィザースプーン(役名:エレナ・リチャードソン)


役柄:弁護士の夫と4人の子供と裕福な暮らしをしている。地元新聞社の記者。


リース・ウィザースプーンといえば、映画『キューティ・ブロンド』(Legally Blonde)ですが、最近では「ビッグ・リトル・ライズ」のマデレン役が印象的で、本作品のエレナ役もマデレンを髣髴させるものでしたね。

本作品でもエグゼクティブプロデューサーの一人として制作にも関わっています。

ケリー・ワシントン (役名:ミア・ウォレン)


役柄:シングルマザー。ティーンの娘パールと都市を転々としている。


ケリー・ワシントンと言えば、アメリカのテレビシリーズ「スキャンダル 託された秘密」のオリヴィア・ポープですよね~。

今回はオリヴィアとはうって変わって、何か闇を抱えるシングルマザーを演じています。

ジョシュア・ジャクソン (役名:ビル・リチャードソン)


役柄:エレナの夫。弁護士。


ジョシュアを最初にスクリーンで観たのはあのティーンドラマ「ドーソンズ・クリーク」のケヴィン役でした。ケイティ・ホームズ、ミッシェル・ウィリアムズらを輩出した人気ドラマで、ジョシュアが番組で共演したケイティと付き合っていたのが分かり、ショックを受けたのを覚えています(笑)

いい感じに歳を重ねている役者さんです。声が素敵!

ドラマ「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」ネタバレ感想

冒頭でも述べましたが、本作品はアメリカのベストセラー作家セレステ・イングの同名小説。ドラマはかなり小説とは違っており、まずシェイカーハイツに引越してくる母娘は本の中では人種が明確にされていませんが、ドラマではアフリカンアメリカンという設定になっています。

なぜ、変える必要があったのか?ですが、やはりアメリカに未だに強く存在する人種差別問題や昨今の”ブラック・ライブス・マター”運動を意識してのことだと思います。

ただ人種を明確にしたことで、絶対に現実にありうるだろう、ダイレクトな人種差別発言ではない微妙な発言や行動(エレナが長女のボーイフレンドに対してする発言など)が演出でき、そうすることでエレナが本当は黒人を格下にみているのでは・・・と、エレナのキャラクター設定の1つになりましたね。

衝撃的な出だし


ドラマの始まりは、豪華な一軒家が火事で全焼しているというショッキングなシーンが目に飛び込んできます。

灯油がまかれた形跡があることから、消防隊員がエレナに「君が家の中にいるのに誰かが家に火をつけたんだ。エレナ、一体誰がこんなことをしたのか心当たりはある?」と問いかけます。

なぜ、そして一体誰が放火したのか??

ドラマは4ヵ月後に遡ります。

良かれと思って


芝生の長さまでもが厳格に決められている町に住む、4人の子供に恵まれた裕福な働く主婦エレナ・リチャードソン。

長女のレクシー、長男のトリップ、次男のムーディ、そして次女のイジーはみな10代の難しいお年頃。レクシーはエレナの生き写しのように喋り方から考え方までもがエレナにそっくり。トリップはスポーツが出来るイケメンで学校のスター。次男のムーディは、少しシャイ。末っ子のイジーはボーイッシュな女の子で母親に反抗的。

エレナが子供達に自分の意見を押し付けがちですが、それは1997年の当時どこにでもあるような母親だったと思います。子供を良い学校に入れ、良い大学に入れ、良い就職先を見つけ、結婚・子供を産む。きっと、それが理想の女性の生きる道だったのかもしれません。

エレナは特に娘達に厳しく、特に自分の世界観をもったイジーとは激しくぶつかり合います。イジーは、同性愛者である自分に戸惑い、それを母親に言えずに苦しんでいます。

そんな彼らの前に現れたのが、町から町を渡り歩くアフリカンアメリカンのアーティストの母親ミアと娘パール。
エレナはボロボロの車とそれに乗るだけの荷物しか持たない彼らに哀れみを感じ、自分が所有する賃貸物件を彼らに格安で貸すことにします。

ドラマの中でエレナの口からよく出るのが「良かれと思って」。

良かれと思って、よく素性も分からない貧しそうな母娘に賃貸物件を貸し、彼らをウェルカムするために、自分の息子ムーディに挨拶にわざわざ行かせ、そして、レストランで夜働く彼女のために通いのお手伝いさんとして雇ってしまうという。

確かに全ては「良かれと思って」しかし、それがどれだけ他人のプライベートな領域に侵入し、自分の価値観を押し付けているということに気づかないエレナ

こういう人って、けっこういますよね~。

エレナは劇中で「自分の行動が他人の人生にどれだけの影響を与えるのか考えて!」と子供達に説教してますが、自分自身がそれをよく分かっていないんですよね。

人との距離感が全く分からないエレナ。そして、それがどれだけ他人を傷つけているのか、想像すら出来ない。
しかし、エレナはある意味とっても分かりやすい単純な女性なのかもしれません。

秘密を抱えるミア

一方、ミアはとっても謎だらけの人物。
なぜ、町から町へと渡り歩いているのか?
なぜ、エレナに好感を持っていないにも関わらず、エレナに家のお手伝いとして働くことにしたのか?

ミアが決まってみる悪夢は地下鉄の中で白人の男性に追われる、というもの。

ここで「あ~、ストーカーから逃れているのかな?」と誰もが思ったでしょうが、いやいや、もっと大きな理由がそこにはあったのです。

エレナとミア


物語の後半は、エレナとミアの21年前に遡り、彼らがどういう人生を送って、1997年の現在に辿りついたのかが描かれていきます。

エレナは、女性が仕事も家事も両立し生きることがカッコイイと言われた時代を生き、彼女はまさにそれに従おうと結婚します。

子供を4人も授かるも地元の新聞紙の記者というポジションを諦めようとはしません。妊娠すれば上司に嫌味を言われ、子育てのために昇進ポジションを他人に取られ、エレナはエレナなりに苦しみもがき、ある意味エレナは現代の多くの女性から共感される人物像かもしれません。

もともとエレナは育った環境もあり(母親がちょこっと登場しますが、厳格そう・・・)完璧主義者へと成長。芝生の長さまでもが決められている町に住み、ますます完璧主義に拍車がかったのでしょう。なんと!夫婦間の営みも毎週何曜日、というように決めているのですから(^^;;


完璧主義が過ぎると周りにもそれを求め始めますよね。旦那はよく耐えていたなぁ、と思いますが、それほどエレナに惚れていたのでしょう。

でも、エレナは自分が故郷の町で落ち着きたい、という理由から彼氏と別れ弁護士の夫と結婚したにも関わらず、苦しくなると昔の彼氏に連絡取ったり、自分から連絡取ったにも関わらず「私には家庭があるのよ~!」とか言ったりして元彼を振り回す。

また、末っ子のイジーが自分の言うことを全く聞かないと、なんとかして自分の理想の娘に仕立て上げようとしますが、そうすればするほど反抗するイジー。コントロールフリークの母親と反抗期真っ最中の娘のバトルは、正直自分に思い当たるふしもあり、胸が痛みましたね・・・

ミアの人生は、というと、波乱万丈。なんと大学の奨学金を賄うために代理母出産をしたのです。そして、あの悪夢に良く出てくる男性は、実はそれを持ちかけた夫婦の夫。そして、なんと出産後に本当はすぐ養子に出すはずだったにもかかわらず、代理母の代償として支払われたお金だけを受け取りパールを連れてミアは町を去ります。

なるほど~。だから町から町を転々としているのですね。

そして、大事なところはパールはその事実を知りません。

経済格差問題

エレナとミアを巻き込むもう一つの大きな事件が、ミアが働くレストランの違法移民の中国人の同僚ビビを発端に起こります。
ここでは、この事件の詳細は省きますが、この事件があったことでミアが実際は優秀でサクセスフルなアーティストで、金銭的にもそこまで困っていなかった、ということが分かります。

この事実が発覚した時のエレナの怒りぶりが凄かった!エレナは自分が勝手に「ミアはお金がないしがないアーティスト」と見た目から勝手に判断していただけなのに、色々サポートしてあげたのに私達を騙した!と言って怒るのです。実際にこれが、多くの人々がしがちな「見た目で判断」するという浅はかな行動を皮肉ってますね。

そして、ミアがなぜ自分のお金を投げ出してまでもビビを助けようとしのかのか?が分かってきて、ミアの過去の秘密の暴露の発端となります。

まとめ

正直、観終わった感想としては、めちゃくちゃテンポがあって面白かったですし、二人の女性エレナとミアのバトルは見ごたえあり観て良かったです!

しかし、1つのドラマに多くのテーマを詰め込みすぎた感はあります。

経済格差、人種問題。そして、同性愛、10代での妊娠・堕胎、代理母でしたが、大きなテーマは母親と子供でしょう。
母親はどんなことをしてでも子供を守ろうとするし、子供に「良かれ」と思って常に行動しますが、子供は自我が芽生え始めたらもう一人の立派な人間です。母親は子供を守ろうとしても、子供の意思を尊重する、ということは本当に大事なのかもしれません。言葉で言うことは簡単ですがね・・・

テーマを詰め込みすぎたせいか、大事なテーマがブレてしまった感は否めませんが、リース・ウィザースプーンとケリー・ワシントンの迫真の演技は見ものです!

気になるシーズン2情報。2021年9月時点では未定ですが、ドラマは高評価を得ていますし、アメリカで配信が始まった最初の2週間では記録的な視聴率を叩き出していますので、ひょっとしたらシーズン2もあり得るかもしれません!

最後にトリビア情報ですが、本作品の原作の著者セレステ・イングがカメオ出演しています。エレナが主催したブッククラブの集まりでピンクのドレスを着たアジア人の女性がセレステ・イングです♪

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