海外ドラマ『ライン・オブ・デューティ』シーズン4 あらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想&解説!とうとうHが判明!?

2021年9月1日

『ライン・オブ・デューティ』シーズン4

海外ドラマ『ライン・オブ・デューティ』は、警察内部の汚職を追求する特別捜査班、通称AC-12の活躍を描いたお話で、今回はベテラン刑事ローズ・ハントリーの誤認逮捕の可能性の捜査に始まり、アーノットが目だし帽の男に襲われたりと緊迫感がある全6話です。

ここでは『ライン・オブ・デューティ』シーズン4のあらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想&解説をお届けします!

『ライン・オブ・デューティ』シーズン4のあらすじ

子育てが一段落したローズ・ハントリー警部(タンディ・ニュートン)は、ポークアベニュー警察の凶悪犯罪課に戻ってきた。

しかし、3人の女性誘拐殺人事件の犯人をなかなか捕まえられずにおり、上部から圧力がかかりプレッシャーを感じ始めていた。

そんな折、目だし帽の男が容疑者として浮かび上がり、発達障害を患うマイケル・ファーマーが逮捕される。

鑑識のティム・アイフィールド(ジェイソン・ワトキンズ)は、ハントリー警部は鑑識の判断を無視しており、誤認逮捕の可能性があるとし汚職特捜班AC-12に相談しに来た。

『ライン・オブ・デューティ』シーズン4 キャスト

メインキャストについては『ライン・オブ・デューティ』シーズン1全5話 あらすじ感想(ネタバレなし)をどうぞご参照ください。

タンディ・ニュートン(役名:ロズ・ハントリー)


役柄:ポークアベニュー警察の凶悪犯罪課警部。夫と二人の子供がいる。


映画『ジェファソン・イン・パリ』女奴隷サリー・ヘミングス役で一躍注目を浴び、その後、人気テレビドラマシリーズ「ER緊急救命室」のジョン・カーターの恋人役でお茶の間の顔となります。

本作品のシーズン4ではメインのキーキャラクターです。

リー・イングルビー(役名:ティム・ハントリー)


役柄:ロズ・ハントリー警部の夫。企業弁護士。


イギリスではイングルビーを知らない人はいないほど数々のテレビや映画に出演している名脇役です。
2004年の映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のスタン・シャンパイク役で更に知名度がアップ!

ポール・ヒギンズ(役名:デレック・ヒルトン警視長


役柄:警察長(警察のランクではトップから3番目)。ロズ・ハントリーに好意を持っている。


スコットランドで多くのテレビに出演。テレビシリーズ「The Thick of It」のジェイミー・マクドナルド役で有名に。スピンオフ映画『In the Loop』にも同役で出演しています。

ジェイソン・ワトキンズ(役名:ティム・アイフィールド)

役柄:鑑識官。ハントリー警部の捜査の仕方に疑問を持ちAC-12に告発。


連続テレビドラマ「イーストエンダーズ」でデビュー。その後人気テレビシリーズ「ドクター・フー」などに出演し、イギリスではすっかりお馴染みの役者さんです。

2014年、テレビ映画「The Lost Honour of Christopher Jefferies」の主役を演じイギリスアカデミーテレビ賞の主演男優賞を受賞。

最近では、イギリス王室ドラマ「ザ・クラウン」のシーズン3で、ハロルド・ウィルソン首相を演じています。

『ライン・オブ・デューティ』シーズン4 ネタバレ感想&解説

注:シーズン1~シーズン3までのネタバレ含みます。


まず、ここで軽くシーズン3のおさらいをします!

シーズン3では、ケイト・フレミング巡査がAC-12内で不正を行っている刑事の存在を怪しみ内密に調査していたところ、捜査線上に”キャディ”ことコッタン警部補が浮かび上がってきました。

↓左上がコッタン警部補(シーズン3まで)、右上がトニー・ゲイツ(シーズン1)、右下がダニエル・ワールドロン(シーズン3)、左下がリンジー・デントン(シーズン2,3)。

AC-12でのケイト・フレミング巡査らによる尋問に追い詰められたコッタンは、携帯電話で外部の仲間に助けを呼んだところ、ライフルを持って取調室をガードしていた警察官がいきなり仲間の警察官を射殺

そして、取調室に向けても発砲しコッタンは逃走!という何ともショッキングなシーンでした。

そして、最後にはコッタンは射殺され死に際のメッセージとしてイニシャル”H”をフレミング巡査に告げた・・・というところで終わりました。

シーズン4でも”H”は誰なのか??を推測しながら、今シーズンの中核となるお話ロズ・ハントリー警部のお話も進んでいきます。

次からは観終わった後に出るであろう様々な疑問を、事件発端の内容を紹介しながら分析・解説したいと思います!

ロズ・ハントリー警部とティム・アイフィールド鑑識官とマイケル・ファーマー

管轄内で起こっている連続女性バラバラ殺人事件の捜査に二人とも関わっています。

ハントリー警部は、なかなか犯人を捕まえられず、警視長ヒルトンからの圧力に焦りを感じ始めていた頃、女性に対する暴行の前科がある知的障害者マイケル・ファーマーという名前が捜査線上に浮上。

取調べの際にマイケルがアリバイを証明できなかったことから、容疑者として逮捕されてしまいます。

しかし、鑑識の結果、マイケル・ファーマーが容疑者の可能性が低くなったことからハントリー警部にアイフィールド鑑識官はその内容を告げます。しかし、ハントリー警部は全く聞く耳を持ちません。(後にマイケル・ファーマーは、アリバイを証明することが出来ます。)

それで、アイフィールド鑑識官は誤認逮捕の可能性をAC-12に相談し、ケイト・フレミング巡査部長(シーズン3から昇格し巡査部長になっています)がハントリー警部の部署に潜入捜査、そして、AC-12はハントリーを取り調べすることに。

それに怒ったハントリーは鑑識官アイフィールドの自宅に押しかけます。

ここからがハントリー警部の地獄への道の始まりです。

アイフィールド鑑識官が殺害される 誰が殺した?

1話と2話の話の飛躍が凄すぎて、ついていけないどころか「どうしてそうなったの?」と開いた口が塞がらないっ!

まず、1話の最後で白い防護服を着たアイフィールドがなぜかチェーンソーを持ってハントリーに覆いかぶさって、そこでハントリーが目をパチッと覚ます・・・チョー怖かったです。

2話ではハントリーが生きてて、アイフィールドの死体がアパートで発見され、それも3本の指が切断されてるし・・・

アイフィールドのアパートの現場検証中にキッチンの角についた自分のであろう血痕を見つけ、うろたえるハントリー・・・あ~、ハントリーがアイフィールドを殺っちゃいました。

どうしてそうなったのか?

二人が口論中にもみ合いになり、その際にキッチンの角に頭をぶつけたハントリーが意識を失ったのですが、それをアイフィールドが”ハントリーが死んだ”と勘違いしたからなんですよね。

でも、だからってその後の行動が怖すぎる・・・女性バラバラ連続殺人犯の犯行に見せるために、わざわざチェーンソーを買いに行ってハントリーをバラバラにしようとするっていう発想が全く分からない。怖すぎる!

しかし、人間って追い詰められるとパニックになって、その人の本来の人間性が出ますからね~。

なぜアイフィールドの3本の指がないのか?

それは、後で分かりましたが、アイフィールドはさすが鑑識官。もみ合いの末、死ぬ間際にハントリーの腕に自分の爪を立ててハントリーのDNAを自分の爪の中に残そうとしたのです!

でも、さすが警部のハントリー。自分のDNAが入っているだろうアイフィールドの指を切断したのです・・・コワッ!

その時の腕の傷がどんどんと悪化していくのですが、その様子(ハントリーは病院にも行けないので)がこれまた緊張感を誘います。

結局、傷が悪化しハントリーは意識を失い、命に関わる状態となっていたために腕を失うことに!

ひゃー、なんてことに!

アイフィールドが目だし帽の男?

これに対する答えはアーノット巡査部長が言ったフレーズにあると思います。

 “It would appear Ifield was equipping himself to simulate the appearance of Balaclava Man,"

訳:アイフィールドは目だし帽の男の風貌に似せる準備が整っていたように見える。

つまり、アイフィールドは、ハントリーが死んだと思いこみ死体をバラバラにして連続殺人事件の犯人は目だし帽の男、と捜査をかく乱する目的だったのではないか?ということです。

目だし帽の男の正体は?

シーズン4では、目だし帽がはっきりと現れたのはスティーブ・アーノット巡査部長が襲われた時です。

スティーブがハントリー警部の夫、ニック・ハントリーが疑わしいと感じ彼の事務所に行く途中で襲われます。エレベーターの扉が開いた途端に、目だし帽の男にバットでボコボコにされ、階段の吹き抜けから突き落とされるのです。

この流れが、アーノットがニックに電話→ニックが友人で弁護士のレイクウェルに電話→レイクウェルが誰かに電話、ということになります。そして、目だし帽登場です。

また、シーズン4の中で2回目に目だし帽が登場したのが最終話のときです。

ハントリー警部がレイクウェルを弁護士として立ててAC-12で取調べを受けた後に、アイフィールドの殺害(自己防衛を主張)と自分の夫ニックをハメようとしたことを認めます。そして、すぐにレイクウェルを捜査妨害容疑で逮捕します。

ここは、ちょービックリでした!
今まで容疑者として取調べを受け、容疑を認めた人物が隣に座ってる自分の弁護士を逮捕って・・・どんな刑事ドラマでも見たことないですよ!(^^;;

そして、ここで分かったことは:

  • アーノットを襲った目だし帽の人物がなぜアーノットの居場所をわかっていたか、ですが、ニックがレイクウェルに電話→レイクウェルがヒルトン警察長に電話→ヒルトンが目だし帽の男に電話してアーノットを襲わせた。
  • マイケル・ファーマーをはめたのはレイクウェルで、気が弱い警察官を脅して証拠操作をした。
  • ハナを誘拐したのは、目だし帽の男だった。

そして、レイクウェルの証言で一番興味深かったのは、目だし帽の男は1人ではない!という点です!

おっと、話を元に戻します。

2回目に目だし帽が現れたのは、ヒルトン警察長が関わっている、と分かった後に目だし帽の男がAC-12のオフィスに乗り込みセキュリティガードを人質に取って、レイクウェルや元AC-12のジェイミー・デスフォード(ヒルトンのために働いていた)を逃がそうとした時です。

この目だし帽の男はヘイスティングによって射殺されるのですが、その後の生体検証データによると、射殺された目だし帽の男は、女性連続殺害現場の足跡やCCTVの映像とマッチします。

(このシーズン4が終わった後にBBCは目だし帽の男の正体をTwitterで明かしました。これで、レイクウェルが言っていたように(もう1人死んでますので)目だし帽の男は複数いる、というのが証明されましたね。)

ヒルトンが"H"?

ヒルトン警視長が自殺したことで、「じゃ、やっぱりヒルトンが悪組織のトップだったの?」と思いましたし、ヘイスティングスもそれで満足したよう。

そして、目だし帽の男達はヒルトンに使われていたのだろう・・・と思いました。

しかし、そうでしょうか?

ヒルトンは野望家でエリート志向で、ハントリーを誘惑しようとしたり欲望に勝てない弱そうな人間です。そして、ハントリーを誘惑する際に悪組織内で使っている携帯の番号をハントリーに渡したり、などボロが目出ちますよね。

そんな人間が警察内部の巨大な悪組織をオーガナイズしているようには思えません。(それに、あのちょっと情けない顔)

マネット巡査


シーズン3から登場したインド系の女性巡査マネットですが、巡査としては仕事が出来るとても真面目な女性という印象を受けました。しかし、シーズン4では、マネットはヒルトンの下で働いていることが分かります。

ヒルトンにどうやら弱みを握られているようで、ヒルトンからキャディことコットン警部補の死に際のビデオを渡すように言われ、ジェイミー・デスフォードのパスワードを聞き出しビデオをダウンロードしヒルトンに渡します。

マネットも悪組織の一員なのか?

しかし、過去の例から見ても、イチ警察官の弱みを握って内部情報を流させたり、悪事を自分達の代わりにさせる、というのが悪組織の手段ですので、マネットもそうされているだけなのかもしれません。

ジェイミー・デスフォード

最終話でデスフォードがレイクウェルを逃そうとしたり、ハミルトンにAC-12の捜査が及んでいることを知らせるなど、彼も悪組織の一員か、と思いました。

しかし、よく考えてみると、マネットがデスフォードのパスワードを聞き出し悪用したことから、AC-12の捜査を受け、ハミルトンの下で働くようになったのです。

もし、彼が悪組織の一員だったら自分に矢の矛先が向かうようにするのは避けられたはずです。

アーノットらと反りが合わなかったり、野望家だったりしたことから、あまり良い印象が無かったのは確か。

しかし、彼はただ単にハミルトンへの忠誠心からああいう行動をしてしまったのでしょうが、ちょっとやりすぎ感はありますね。

ロズ・ハントリーも悪組織の一員?

ロズ・ハントリーは、自分が悪組織のために働いていた、という認識はなく悪事を犯していたと思います。

ただ、悪いことを自分の利益のためにしていたのは確か。

例えば、ハナの事件や女性連続殺人事件は目だし帽の男ら(警察内部の悪組織で目だし帽の男は複数の可能性あり)が犯人の可能性が高いですが、それは認識していませんでした。

ただし、マイケル・ファーマーに対する証拠が不確かにも関わらず、ヒルトン警察長からのプレッシャーに耐えられず、ちょっと知的障害があるマイケル・ファーマーを刑務所に送ることには何の抵抗もなかったようです。

それに、自分が危ないからって夫を容疑者に仕立て上げようとするなんて・・・凄すぎっ!こわっ!

しかし、やはり彼女は巨大悪組織の一員ではないよう。

マイケル・ファーマーの家に犯人に仕立て上げるための証拠を残していったのはハントリーではないのが後にはっきりしましたし。

そして、ある意味めちゃくちゃ運が悪かった・・・

アイフィールドに文句を言いに言った(これは彼女が悪い、証拠を無視してたのだから)だけなのに、口論になりもみ合いになり気を失ってしまった。ここまでは普通にありそう。

でも、誰がアイフィールドがここまで狂っている(死体をバラバラにしようとしていた)と思ったでしょうか?

彼がチェーンソーを準備して気を失っているハントリー(アイフィールドはハントリーが死んだと思った)をバラバラにしようとしてなかったら、アイフィールドも死ななくて済んだかもしれません。

ロズ・ハントリーがスティーブ・アーノットに「私は悪い人間ではない。あなただって私と同じ立場だったら同じ事をしたわ」と言うのですが、うーーーーん、そうかな??ハントリーって十分悪い人間ですよね??

そこで、スティーブ・アーノットが「もし、オレが君だったら早い段階で正しいことをしていた。そしたら、今頃オレは車椅子なんかになってないし、君は腕が2つあるだろう。」

その通り!

10年間の刑務所生活でじっくり考えて頂きたいものです。

まとめ

ヒルトンがHiltonですので、警察内部の悪組織のトップ"H"が捕まったわけですが、なぜか心がざわざわします・・・

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