アマゾンプライム『ホームカミング』オードリーとフォークと葉っぱの謎などを徹底解説!

2021年9月1日

アマゾンプライム『ホームカミング』

アマゾンプライムドラマ『ホームカミング』シーズン1は、ジュリア・ロバート主演で、あの人気ドラマ「ミスターロボット」の監督サム・エルメイルが全10話手がけた心理スリラー。

「ミスターロボット」で監督と一緒に仕事をしたボビー・カナヴェイルや「ボードウォーク・エンパイア」のシェー・ウィガムが脇を固めてます。

視聴する上で気をつけて頂きたいのは、お話の進み方がめちゃくちゃスローな点。でも、7話からいきなりエンジンがかかり「おーー!見続けてよかった!」となりますので、頑張って観てください。7話まで待てないよという方もいるかと思いますが、1話約30分!そして、7話までの間で後のお話に続くサインのようなものがいろいろ隠れてますので、ここでその楽しみ方も解説しちゃいます!

写真出典:Amazon prime『ホームカミング』

アマゾンドラマ『ホームカミング』あらすじ

ハイディ・バーグマンは、帰還兵士を治療・支援する施設”ホームカミング”で働く心理カウンセラー。

施設は民間企業ガイスト・グループによって運営されており、兵士たちがトラウマを克服し普通の生活にスムーズに移行できるようになるのが目的とされている。ハイディは、復員兵士ウォルター・クルーズの担当をするなかで徐々にお互い何か通じるものを感じていた。
4年後、ハイディは地元のカフェでウエイトレスとして働いている。一方、国防総省の審査官トーマス・カラスコは、ウォルターの母親が4年前国防総省に、施設がウォルターの意志に反して拘束している、と苦情を申し立てた件を捜査していた。

トーマス・カラスコは、苦情の件に対応するためにホームカミングの元心理カウンセラー、ハイディを訪ね離職した理由をたずねると、ハイディは当時のことを殆ど覚えていないことに気づくのだった・・・

アマゾンプライムドラマ『ホームカミング』キャスト

ジュリア・ロバーツ(役名:ハイディ・バーグマン)

役:ホームカミング移行支援センターの心理カウンセラー、4年後はウェイトレス。


女優歴約34年にして本作品でテレビ初出演というから驚きです!すごいですよね~。さすがハリウッドAランク女優。今まで映画にしか出たことがないという。

1967年生まれなので現在54歳ですが、ハリウッドでは当たり前の整形やボトックスなどをし過ぎた感じがせず、いい感じに歳を重ねている感じがします。

本作品では何歳の設定なのかがはっきりしません。

ステファン・ジェームズ(役名:ウォルター・クルーズ)

役:トラウマを抱えた帰還兵士。ハイディと意気投合する。


1996年生まれの26歳。カナダ出身。

本作品の演技でゴールデングローブ賞テレビドラマ部門最優秀男優賞にノミネートされた。

ボビー・カナヴェイル(役名:コリン・ベルファスト)

役:ハイディの横柄な上司。ハイディとはいつも電話で話すのみで施設にはなぜか足を踏み入れない。


若いときはさわやかイケメンでテレビシリーズ「サードウォッチ」などで活躍していました。最近は「ボードウォーク・エンパイア」や「ミスター・ロボット」などで強烈な個性の役柄が多いですが、このコリン役もはまり役かもしれません。

この作品を読んだときに、絶対にこの役をやりたい!と思って監督に直談判し、役者としてこんなにも”この役をやりたい”と思ったことは久しぶりだったそうです。*2

映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』や映画『ジェクシー スマホを変えただけなのに』のジェクシーの声で知られるローズ・バーンと事実婚中で彼女との間に息子がいます。

シェー・ウィガム(役名:トーマス・カラスコ)

役:4年前の苦情に基づきホームカミング移行支援センターを調査する国防省の審査官。


4年続いた大人気テレビドラマシリーズ『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』で主人公の弟"イーライ"・トンプソン役でよく知られてます。娘はドラマなどで活躍する女優のグロリア・ウィガム。

本作品ではちょっと頼りない、いろいろな物につまずくおっちょこちょいだけど勘がするどい中年の捜査官を演じてます。


マリアンヌ・ジャン=バプティスト(役名:グロリア、ウォルターの母親)

役:ウォルターの母親。ホームカミング移行支援センターの活動を怪しく思い、匿名で国防省に苦情をいれる。


映画『秘密と嘘』の演技でゴールデングローブ賞アカデミー賞にノミネートされる。最近では、イギリステレビドラマシリーズ「ブロードチャーチ~殺意の町~」で犯人の弁護士役が記憶に新しいですね。

本作品では、施設に入ってから音信普通になったウォルターを母親の六感で”何かおかしい!”と感じて行動する母親役。

アマゾンプライムドラマ『ホームカミング』ネタバレ感想

アマゾンプライム『ホームカミング』
写真出典:Amazon prime『ホームカミング』

本作品、もともとはGimlet Mediaというポッドキャストでオーディオ配信されていた同名のものが原作です。

ジャンルはサイコスリラー。ヒッチコック風のカメラワークや音楽といった感じで映像も少しフィルターがかっていて、知らずに見たら昔のドラマかと思ってしまうほどです。

物語はハイディ(ジュリア・ロバーツ)がホームカミング施設で働いていた2018年とそれから4年後の2022年の二つの時間軸が交錯する形で描かれており、画面サイズの変更でそれが分かりやすくなっています。

2018年、帰還兵士たちの心理カウンセラーとして働くハイディは、上司のコリンの指示のもと薬物治療をしながら元兵士らの心理状態の変化を細かくモニターしています。

そして、2022年、国防省の審査官トーマス・カラスコがカフェで働くハイディを訪ねたあたりから、ホームカミングセンターでは何かおかしなことが起きていたかもしれない・・・ということに観ている私たちは気づきます。

テレビドラマシリーズ「ミスター・ロボット」が放送されたときは、あまりの奇抜なアイディアにどきもを抜かれましたが、その監督サム・エルメイルが全10話の製作に関わっています。

さすが、サム・エルメイル!「ホームカミング」7話までは特に何か顕著な事件が起きるわけではないのに、なんとも奇妙な怪しい雰囲気を持続させることに成功しています。

1話約30分という長さも緊迫感を持続させることに一役買っており、前半は地味ながらもっと見たい!と思わせてくれます。

 

ここからネタバレです。全10話見終わって疑問に思われただろうと思う部分を徹底解説します!

 

ホームカミングセンターの本当の狙い

アマゾンプライム『ホームカミング』
写真出典:Amazon prime『ホームカミング』

ウォルターの母親が心配した通り、ホームカミングセンターは民間企業ガイスト・グループが行っていた薬物の人体トライアルの場所で、帰還した兵士のPTSD治療を表向きの目的としながら実は兵士の嫌な記憶自体を消し再び戦場に送り出すということが狙いでした。

つまり、嫌な記憶とともに一部の記憶を永遠に本人の意思に反して無くさせるというものですが、それって人権侵害問題ですよね~。

ハイディもある意味被害者で、本来の目的を明かされぬまま雇用されて片棒を担がされていたというわけです。

フォーク

10話でハイディがウォルターとカフェで出会って、ウォルターが去った後にハイディがナプキンと同じ方向に揃えてあったフォークが90度の角度に置き換えられていたシーンで、ウォルターはハイディのことを覚えている???と思われた方が多いかと思います。

いや、何の事言っているのかさっぱり分からない!という方のために説明すると、ホームカミングのハイディのオフィスでカウンセリングが行われる前に、几帳面なハイディはペンとノートを平行にきちんと並べてから行っていました。

そこでウォルターはそのペンをわざと90度に置き換える、ということを毎回カウンセリングのときにしていたのですが、それは二人だけが知る遊びのようなものでふたりの親密さを象徴するようなことだったのです。

記憶を失ってハイディと話していてもハイディだと気づいていないウォルターが、その昔していた遊びのようにフォークを置き換えていたんですよね!それで、視聴者は、ウォルター実は記憶が戻っている??と大騒ぎになったわけです。

製作者によると、ここら辺はわざと曖昧にしておきたかった*2ということです。

ウォルターは依然として記憶がないけれども、もっと深いところで彼は4年前のハイディが知っているウォルターとなんら変わりがない、という事なのかもしれませんね。

葉っぱと赤い実の謎

そして、もう一つの謎ですが、10話見終わってみて、「で、あの葉っぱはなんだったの??」という方が多かったかと思います。私もその1人。

「葉っぱ」というのは、5話でウォルターの友人でホームカミングセンターから追放されたシュライアーが、4年後国防省の審査官トーマス・カラスコが訪ねた際に「ウォルターを注意したんだ。ハイディは全て知っている」と言ってトーマスに葉っぱを1枚渡し、彼はそれに何の意味があるのかと思いながらポケットに大事にしまいます。

シュライアーは、庭の清掃係りとして働いていますが、精神的にダメージを負っているようなのは確かで、未だに何かに怯えているよう。

まず、葉っぱは視聴者へのヒントというか結末に通じる伏線ですね。

物語の中で時々真っ赤な実が工場のような所で抽出されてそれが液体となってホームカミングセンターに卸されていましたが、それが実は兵士たちが摂取している薬のもとなんです。

この実はマンチニールと呼ばれる木の実で「世界で最も危険な木」と呼ばれているそうですが、ヒントは9話でハイディがコリンと面接した会社。9話のエンディングのあたりでMANICHEEL(マンチニール)と書かれていた企業名とその会社葉っぱのロゴが映っています。*1

マンチニール=ホームカミング=危険、ということをシュライアーはトーマスに警告したかったのかもしれませんね。

受付のオードリーがなぜボスに?

アマゾンプライム『ホームカミング』
写真出典:Amazon prime『ホームカミング』

ハイディがペリカンの鳴き声で記憶を思い出し人間ドラッグトライアルを認め(ハイディが薬の本当の効力を知ったのは辞める直前ですが)国防省の役人がその事実を知ってしまったのでホームカミングの失敗の責任を誰に取らせるか、となった時点でコリンはすぐにハイディの責任にしようとしますが、ハイディは既に会社を辞めている人間。

会社内で誰かが責任を取らなくてはならないとなり、コリンはビッグサプライズを受けます。

コリンが会社に呼ばれ、大きな会議室で受付のアジア人女性、オードリーだけがテーブルのお誕生日席に座っています。

それだけで、見ている私たちは「おっ?」となりますよね~。

オードリーはコリンに、ガイストからの指示でホームカミングの後始末を私はしなければならないと言い、一枚の書類を差し出しコリンに責任をとるようにとサインを求めます。

急にオードリーと立場が逆転して困惑な表情をしつつも、コリンは言われた通りにするしかありません。

製作側によるとこのオードリーがシーズン2でも重要な鍵を握っているそうです。

そして、最後にオードリーがあの赤い液体(マンチニール)のようなものを鞄の中から出して手首に塗りつけるのでした・・・きゃー!

ちなみに、ガイストの本社(コリンとオードリーが話すシーン)ですが、カリフォルニア州ロングビーチに位置する昔のトヨタ自動車のアメリカ本社だった場所が使われたそうで、コリン役のボビー・カナヴェイルによると、あのテーブルも場所もとにかく巨大過ぎて不気味だったそうです。*2

そして、見逃してはいけないのは、国防省のトーマス・カラスコの女性上司は真実を知っていたようでガイストらしき人物と電話で話しているということ!怖い!

政府の役人たちも絡んでいそうで、なんだか、もっと大きな悪の組織が影にありそうですね~。

まとめ

アマゾンプライムドラマ『ホームカミング』シーズン1は、めちゃくちゃ良かったです!そして、シーズン2も配信されているので、視聴したらまたここでレビューしたいと思います!

アマゾンプライムドラマ『ホームカミング』シーズン1は、Amazonプライムで視聴出来ます!

字幕版→Amazonプライムドラマ『ホームカミング』

吹き替え版→Amazonプライムドラマ『ホームカミング』

参考:
*1 https://www.reddit.com/r/HomecomingTVShow/comments/9tupvu/significance_of_the_leaf/
*2 https://www.vulture.com/2018/11/homecoming-amazon-bobby-cannavale.html