映画『遥か群集を離れて 』はタイムスリップ出来てストレス解消できる映画

2021年9月1日

『遥か群衆を離れて 』

先週末にクラシックムービーが大好きな友人に薦められて映画『遥か群集を離れて 』を観ました。クラシックと言っても1967年度にリリースされたものではなく、2015年に公開されたリメイク版のキャリー・マリガン主演の映画です。

イギリスの有名な詩人&作家トーマス・ハーディが1874年に出版したロマンティック小説『遥か群集を離れて 』(Far from the Madding Crowd)を元に作られた映画です。トーマス・ハーディの多くの作品は暗いものが多いのですが、『遥か群集を離れて 』は一番聴衆受けし特に女性に愛された作品ではないかな、と思います。

19世紀のイギリスの田舎町が舞台。現代の生活にちょっと疲れていた私には、インターネットもない、スマホもない、車もない、そんな時代に約2時間タイムスリップ出来たのは至福の時でした。Amazonプライムでご覧になれます。

写真出典:IMDb

『遥か群集を離れて 』作品情報

原題:Far from the Madding Crowd

公開年:2015年

監督:トマス・ビンターベア

出演:キャリー・マリガン、マティアス・スーナールツ、マイケル・シーン、トム・スターリッジ

上映時間:118分

映倫区分: 映倫区分情報が見つからなかったのですが、ベッドシーンらしきものが1シーン出て来ますが殆ど写ってませんので、高校生以上でしたら問題ないかと思います。

『遥か群集を離れて 』あらすじ

舞台は1870年、イギリスの田舎町ドーセット。バスシーバ(キャリー・マリガン)は両親を早くに亡くした為、叔母のファームで働いていたところ近隣に住む羊飼いゲイブリエル(マティアス・スーナールツ)と親しくなる。美しいバスシーバを好きになったゲイブリエルは結婚の申し出をするが、バスシーバは「あなたを嫌いじゃないけど、結婚はしないわ。私は独立心が旺盛すぎるから。」と言って断る。

数年が経ち、羊を事故で失い一文無しになったゲイブリエルと叔父のファームを相続しリッチになったバスシーバは再会。ゲイブリエルは、バスシーバに羊飼いとして雇われることとなる。

バスシーバは女性として男性社会のファームビジネスに孤軍奮闘する中、陰ながらいつも彼女を傍で支えるのはゲイブリエルだった。近所の富豪ボールドウッド(マイケル・シーン)からも「僕が全力で君を守る、経済的にも安定した生活を約束する」と求婚されるもゲイブリエルの時と同じ理由でバスシーバは断る。そんな折、失恋し失意の底にいた軍曹トロイ(トム・スターリッジ)がバスシーバに急接近。果たしてバスシーバが選ぶ愛は誰なのか?


© 2015 Far from the Madding Crowd Official Trailer

『遥か群集を離れて 』キャスト

キャリー・マリガン(役名:バスシーバ)

『遥か群衆を離れて 』
写真出典:IMDb

主人公のバスシーバを演じるのは、イギリスの女優キャリー・マリガン。
映画『ウォール・ストリート』や『華麗なるギャツビー』などで日本では知られているかもしれません。映画のデビュー作は18世紀にジェーン・オースティンが執筆した小説を元に作られた映画『プライドと偏見』で、2005年にはチャールズ・ディケンズの19世紀の小説『ブリーク・ハウス』などのテレビシリーズにも出演しており、こういうクラシックなものが似合うルックスなのかもしれませんね。

マティアス・スーナールツ(役名:ゲイブリエル)

『遥か群衆を離れて 』
写真出典:IMDb

羊飼いのゲイブリエルを演じるのは、ベルギーのイケメン俳優マティアス・スーナールツ。
2008年のベルギー映画『ロフト』が興行的に大成功を収め、2012年からハリウッド作品にも多く出演するようになります。2014年の『ヴェルサイユの宮廷庭師 』のオンドレ役ではフェロモンたっぷりで胸がキュンキュンした女性も多いのではないでしょうか。

トム・スターリッジ(役名:トロイ)

婚約していた女性にふられたと思いヤケになってバスシーバを誘惑する軍曹トロイを演じているのは、トム・スターリッジ。
お恥ずかしながらゴシップ好きの私にとってトムと言えば、シエーナ・ミラーの彼という事ぐらいしか知りませんでしたが、彼は子役上がりのイギリスの役者さんでテレビシリーズ「ガリバー旅行記」で若干11歳で役者デビューしています。一年に1本という感じでコンスタントに映画出演しており、舞台「Orphans」ではトニー賞にノミネートされる実力派俳優です。

マイケル・シーン(役名:ボールドウッド)

『遥か群衆を離れて 』
写真出典:IMDb

主人公バスシーバとは歳がだいぶ離れているものの、彼女に夢中になる大富豪ボールドウッドを演じたのはイギリスのベテラン俳優、マイケル・シーン。

1999年の舞台「モーツァルト」で、イギリスで一番権威があるといわれるローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされ注目を浴び、2006年公開の映画『クィーン』では、当時のイギリス首相トニー・ブレアを演じ英国アカデミー賞 助演男優賞にノミネートされます。その後もテレビドラマでトニー・ブレアを再度演じてますが、やっぱり声もルックスも似てますよね。映画では2度見してしまったほどそっくりです。私が好きな映画『ミッドナイト・イン・パリ』にも2011年に出演してました。

『遥か群集を離れて 』感想

『遥か群衆を離れて 』
写真出典:IMDb

注:ネタバレ含みます。

この映画は2015年に世界で公開されてて、今でこそAmazonプライムでレンタルして観ることが出来ますが、日本では当時映画館では公開されなかったんですよね。なぜなんでしょう??やっぱり興行的に成功しないからと思われたからかもしれませんが、この作品こそ日本人の女性の心をグッと掴む作品だと思うんですよね。

キャリー・マリガン演じる主人公のバスシーバは、19世紀という男性社会に生きながら独立心旺盛で頑固な負けず嫌いな女性。
当時は男性と結婚し主婦になり子供をもうけるというのが主流だった時代です。そんな中で、特に周りの目を気にするでもなく、自分の意思を貫いた女性。この21世紀の日本では男女平等が当たり前になりつつありますが、それでもやはり現代を生きる女の子たちは親や親戚からのプレッシャー、そして友人達が結婚し始めるとなぜかとても焦り始め「こうであらなくてはいけない」という何か見えないものに縛られているのではないでしょうか?

そんなことで悩んでいるあなたにこの映画はぴったりです。バスシーバを見ていると元気がもらえちゃいますよ!

お金より自由、愛?

『遥か群衆を離れて 』
写真出典:IMDb

バスシーバは「お金には困らせませんから」とリッチなバチュラーから求婚を受けるわけですが、視聴者の皆さんは「バスシーバは叔父さんから農場を引き継いでお金に困ってないから・・・」と思われたかもしれませんが、後で経済的に不安定になるんですよ。そんな時に金持ちの農場経営者ボールドウッドに「僕が借金をチャラにしてあげる!」と言われるのですが、それでもYesと言わなかった。

私だったら、借金抱えて困っている時にそんなオファーを受けたらグラッと来てYesと言ってしまいそうですが、バスシーバは言わないんですよね。なぜでしょう?やはり、ボールドウッドを男性として見れなかったからでしょうか?それとも、自由が奪われると思ったからでしょうか?

やはり「愛」だったんではないでしょうか。好きな人とじゃないと結婚なんか出来ないというバスシーバなんだと思います。なんだかとっても現代的でこれは現在に合わせて書かれた脚本なのかな??実際の小説とこの映画がどのくらい違うのか知りたくなってしまいました。

草食系男子におススメの映画?

『遥か群衆を離れて 』
写真出典:IMDb

そして、もう1つの映画の見所は、恋愛にはとても初心だったバスシーバの恋模様。
キャリー・マリガンですから、あっ、違ったバスシーバですね、(^^;;めちゃくちゃ可愛いんですよ。だからモテモテです。
でも、結婚の申し込みには一切見向きもせず、「私、結婚はしないわ。」と言っていたんですよ。トロイ軍曹が現れるまでは。

このトロイ軍曹ですが、恋愛経験が豊富で女性の扱い方というか恋愛の押しと引きを分かってらっしゃる!
バスシーバを強引にデートに誘ったり(田舎町ですので山中ですが・・・^^;;)、ちょっと乱暴に刀でバスシーバの長い髪の毛を切ってちょっと怒らせといてそのすぐ後は強引にキス、といった感じで。きゃ~、恋愛経験ゼロだったバスシーバはイチコロです。

昨今の日本の男子は草食系で自分から滅多に女の子に告白しないとか。トロイ軍曹のテクニックをちょっと真似てみてもいいかもしれません。

弄ばれるボールドウッド

バスチーバの近所に住む金持ちの農場経営者ボールドウッド。バスチーバが女友達とふざけてバレンタインカードをボールドウッドに送ってしまうのですが、彼はそれを本気にとりプロポーズします。ジョークだったと分かった後も、バスチーバよりだいぶ年上で結婚歴もない彼は、あっという間に若くて綺麗なバスチーバに夢中になってしまうんですよ。

うわ~、怖いですね~。バスチーバは年上の男性をおちょくる怖さを知らない!
現代だったらストーカーだよ、っていう行為を彼がしていたという事実を後で知るのですが。最終的にはバスチーバをかばい、彼女を守る為に殺人を犯し牢屋に入れられちゃうんですが・・・なんだか可哀想。バスチーバがジョークでバレンタインカードなんて送らなかったらこんな事にはならなかったのに・・・

ゲイブリエルがカッコよすぎる

ゲイブリエルがとにかく!カッコいい!マティアス・スーナールツは適役でしたね~。『ヴェルサイユの宮廷庭師 』の時も思いましたが、こういうそんなにオセオセじゃないけどとっても男性的で色気もある役が似合う!最高でした!

最後なんて、カッコ良過ぎて、あ~~~~・・・と、かなり大きいため息が漏れてしまったほど。あ~、映画館で観なくて良かったのかも・・・(笑)

まとめ

映画『遥か群集を離れて 』は19世紀が舞台ですが、仕事に恋、そして結婚に悩むバスシーバの姿は現代の女性にも通じるテーマで、だからこそ私を含めた世の女性たちから共感され、何世紀が経ってもこの作品は高い評価を得続けているのかもしれません。

そして、キャリー・マリガンの演技もとっても良かった!バスシーバの揺れる心の機微を上手に表現しつつ、彼女が苦難を乗り越え大人の女性として成長していく姿が無理なく自然に描かれていました。

Amazonプライムで字幕版がご覧になれます。