海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」あらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想!どこまで実話?

2022年7月21日

海外ドラマ「ジ・オファー ゴッドファーザーに賭けた男」

映画『ゴッドファーザー』の誕生の裏側を描いた海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」がU-NEXTで2022年7月15日から一挙配信されるということで私は一足お先に全10話を視聴しました!

いやあ本当に素晴らしかった!映画『ゴットファーザー』への愛を感じたし、映画製作にかかわったすべての人にリスペクトして描かれており、ゴットファーザーファンはもちろん、映画を観たことがない人でも十分に楽しめる内容です!

ここでは、海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」あらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想!どこまで実話?をお届けしたいと思います。

海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」あらすじ

映画プロデューサーとして成功することを夢にパラマウント・ピクチャーズに入社したアルバート・ラディ(マイルズ・テラー)。

ラディはエグゼクティブプロデューサー、ロバート・エヴァンズ(マシュー・グード)から、NYでベストセラーになっていたマフィア一家を描いた小説「ゴットファーザー」の映画化を低予算で成功するように任命される。

脚本の内容・キャスティングなど詳細にこだわるコッポラ監督(ダン・フォグラー)とお金を出し渋るプロダクション側との板挟みになり苦戦するラディ。また、映画製作に反対するマフィアから狙われ命の危険にさらされるハメに。ラディの夢は実現するのか・・・

海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」キャスト

*Twitterの画像が正常に表示されない場合はPCブラウザの設定の「Javascript」をオンに設定し直してみてください。

マイルズ・テラー(役名:アルバート(アル)・ラディ)

役柄:新米映画プロデューサー。野心家。実在する人物。


マイルズは高校生時代から演劇活動をしていましたが、運動神経も良くプロの野球選手になることを目指した時期もあったそうです。

彼のブレークスルーは、ニコール・キッドマン主演の映画『ラビット・ホール』。ニコール自身がオーディションでマイルズを選び、ニコール演じるベッカの息子を轢き殺した高校生という重要な役どころを演じ注目を浴びました。

映画『セッション』では主演のアンドリュー役で数々の映画賞にノミネート。最近では、トム・クルーズ主演映画『トップガン マーヴェリック』でブラッドショウ大尉役を演じました。

マシュー・グード(役名:ロバート・エヴァンズ)

役柄:パラマウトピクチャーのエグゼクティブプロデューサー。実在した人物。


イギリスのイケメン俳優。私が最初に彼を見た映画はウディ・アレン監督の『マッチポイント』。

ウディの映画の中でいい出来かもしれない映画というだけあって最高のサイコスリラーで、その中でノラの婚約者トム役を演じてたのですが、あの時の彼のイケメンぶりはハッとするほど。育ちの良いイギリス紳士にぴったりでした。

その後は16シーズン続いたテレビドラマ「グッド・ワイフ」のフィン・ポーマー役、歴史ドラマ「ダウントン・アビー」のヘンリー・タルボット役、そして最近ではドラマ「ザ・クラウン」で初代アンソニー・スノードン伯爵役を好演。品がある中にも色気がある役者さんです。

ジュノー・テンプル(役名:ベティ・マッカート)

役柄:ラディの秘書。実在した人物。


ジュノーの父親は映画監督、母親はプロデューサーという家系で育ち8歳から子役として活躍。

高いキンキン声が特徴。スリラー映画『Jack & Diane』では主役ダイアン役、ウディ・アレン監督の映画『女と男の観覧車』のキャロライナ役など。最近では、ドラマ「リトル・バード」のルーシー役。

ダン・フォグラー(役名:フランシス・フォード・コッポラ)

役柄:映画監督。


俳優・コメディアン。ドラマ「ウォーキング・デッド」のルーク役、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のジェイコブ・コワルスキー役など。2005年にブロードウェイデビューを果たしミュージカル「The 25th Annual Putnam County Spelling Bee」でトニー賞を受賞。

ダンはちょっと前かなり太っていましたが、2019年には家族のために長生きしたいと健康の為にダイエットをしなんと!45キロの減量に成功しました。が、本作品を見る限りまたリバウンドしたような・・・

バーン・ゴーマン(役名:チャールズ・ブルードーン)

役柄:パラマウント映画会社社長。


イギリス俳優。あのちょっと華奢で神経質そうな風貌からミステリアスな役柄を演じることが多いですね。

映画『ペネロピ』のラリー役、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のカール・タナー役など。最近では、映画『エノーラ・ホームズの事件簿』のリンソーン役。

ジョヴァンニ・リビシ(役名:ジョー・コロンボ)

役柄:実在したアメリカのギャング・コロンボファミリーのボス。


コロンボを演じたジョヴァンニはシチリア系アメリカ人。母親が俳優のマネージャーだったことから、ジョヴァンニの双子の姉とともに俳優の道へ。家族ともどもサイエントロジーのメンバー。

フランシス・コッポラ監督の映画『ロスト・イン・トランスレーション』ではスカーレット・ヨハンソンの夫役、大ヒット映画『アバター』ではパーカー・セルフリッジ役など。テレビドラマ「フレンズ」では、フィービーの弟役を好演。

 

パトリック・ガロー(役名:マリオ・プーゾ)

役柄:小説家・脚本家。1969年に発表した「ゴッドファーザー」は大ベストセラーとなり、映画化の際はコッポラ監督とともに脚本も手掛けた。


女優ルシール・ガローの息子で俳優・プロデューサー。

特徴のある低音の声で数々のボイスオーバーをしており、LAタイムズ、コカ・コーラ、三菱自動車などのコマーシャルの声を担当。
多くのショートフィルムを製作。ミュージカル「ママ・ミア!」ではビル・オースティン役を演じ、最近では映画『アイリッシュマン』で実在したギャングメンバー、アンソニー・ジアカローネ役を。

コリン・ハンクス(役名:バリー・ラビタス)

役柄:パラマウント社のスタジオエグゼクティブ。フィクショナルのキャラクターでゴッドファーザーの映画化に反対する人物。


コリン・ハンクスという名前から分かるようにトム・ハンクスの息子です。

父親トムが監督した青春映画『すべてをあなたに』でボーイ役でデビュー。
私が初めてコリンの演技を見たのがティーンテレビドラマ「ロズウェル – 星の恋人たち」のアレックス役でした。その後はどちらかというと、脇役のポジションが多くコメディ映画『オレンジカウンティ』のショーン役、ピーター・ジャクソン監督の『キング・コング』ではジャック・ブラック演じたカールの助手プレストン役など。

海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」ネタバレ感想 どこまで実話?

ネタバレと言っても、映画『ゴットファーザー』が製作されてその後シリーズ化して大成功をおさめたのは誰もが知るところなので、ネタバレというより、どこまでが実話なの?というのが気になるところなのではないでしょうか。

ここでは全10話のお話の内容に触れながら、どこが実話でどこがフィクションなのかについてもお話したいと思います!

まず、冒頭でも述べましたが、いやあ、久々に面白いもの観ちゃいました!!!

映画『ザ・プレイヤー』でアカデミー脚色賞にノミネートされたマイケル・トルキン脚本・製作ということで、期待度は高かったわけですが、これほどまでとは!

舞台は1969年のハリウッド。
鳴かず飛ばずの借金を抱えた作家マリオ・プーズがマフィア一家の人生を描いた小説「ゴットファーザー」を出版。すると直ぐに大人気に!

同時期に映画プロデューサーを夢見るアル・ラディがパラマウトに入社。上司のエヴァンズに小説「ゴットファーザー」の映画化を任命されるところから第一話が始まります。

映画『ゴットファーザー』製作にあたりアル・ラディには数々のハードルが押し寄せます。

マフィアからの脅し

まずは、初っ端からおとずれるマフィアからの脅し。

パラマウトのエグゼクティブプロデューサー・ロバート・エヴァンズのもとにコロンボからネズミの死体が挟まれた小説「ゴットファーザー」が送り付けられます。その後アル・ラディは常に何者かに尾行され、ラディと秘書のベティ・マッカートが車内に居る時に背後から何者かが銃を放ちます。

そして、ある朝ラディはコロンボの手下たちによってコロンボの元に連れていかれるのですが、この時のマイルズ演じるアルの抑えた恐怖感がすごく良かった。アルが死んじゃうわけないのに、観ている私の頭の中は「殺されちゃう!」でいっぱいに。それだけあのシーンは怖かった~。

コロンボの要求は映画製作の中止。

「ゴットファーザー」の小説に出てくる実在する歌手フランク・シナトラ(フランクの名前は小説内では変わってますが)が本に嫌悪感を抱き、マフィアらと繋がっていたシナトラが映画製作中止を要求していたのも後押ししていました。

アルは、映画の内容はマフィアに敬意を払ったもので、それを確認して欲しいから脚本を読みに来てください、と脚本はまだ書きあがっていないのにコロンボをオフィスに招待します。

そこで、慌ててベティがプゾーとコッポラが缶詰になっているホテルに出向き、出来上がっていない脚本を持ち出してきます。

結局、”マフィア”と”シチリアマフィア”という言葉を脚本から消すことで、コロンボは映画製作を許可するどころか、自分に出来ることがあれば何でもする、とアルに告げます。

銃撃されたのか?

この一連の出来事は実際にあったことで、まず、拳銃が撃ち込まれた事件は、車内にアルとベティがいたかは定かではありませんが、実際にアルのスポーツカーは銃撃されてます。それを受けて1971年にアルはコロンボにアポをとり自ら会いに行ったそうです。*1

また、1970年にマリオ・プーゾがビバリーヒルズの業界人御用達のレストラン・チェイスンズでフランク・シナトラと喧嘩した際アル・ラディがその一部始終を観ていた、というのも実際にあったこと。

そして、このチェインズでの二人の喧嘩の話をプロデューサーのトルキンが聞いた時にドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」のアイディアが頭に浮かんだそうです。

キャスティング&ロケーション問題


コッポラ監督と言えば今では名前を知らない人はいないほどですが、当時はまだ数作品の監督を担当しただけ。

低予算監督としてのキャリアを買われて採用されたわけですが、パラマウント社のエヴァンズが、イタリア系アメリカンマフィアの映画なのだから絶対にイタリア系アメリカン人の監督!とこだわったことで、コッポラ監督に白羽の矢が立ちました。

しかし、芸術家肌のコッポラは妥協をするということを知らず、キャスティングではビトー役にマーロン・ブランド、マイケル役にはアル・パチーノという意思を絶対に曲げませんでした。

しかし、パラマウト側はマーロンの短気な性格を懸念、そしてアル・パチーノはマイケル役には背が低すぎるのでは、ということからコッポラと意見がまとまらず、無駄なオーディションを繰り返したりしてなかなかキャスティングが決まりませんでした。

やっと、役が決まったかと思ったら、今度はロケーション問題

シチリアに行くお金をセーブしてセットで撮影しようというプロダクション側と実際にシチリアで撮影しなければリアリティ感がなくなる、というコッポラ側の板挟みになったラディ。

実際にもこのロケとキャスティングの問題はあったそうで、ラディは、コッポラとプロダクション側の仲を取り持ちつつ映画製作を進めたというわけです。

チャールズ・ブルードーンはパラマウント社を売却しようとした?

映画『ゴッドファーザー』の製作中にパラマウント社がファイナンシャルトラブルだった様子がドラマ内で描かれましたが、実際かなり厳しい状況だったらしくブルードーンは会社の資産を少しずつ売却しながらなんとか破産せずに済んだそうです。*2

結局ブルードーンが1983年に56歳で亡くなるまで、パラマウント社を売却することはせず、1972年に公開した映画『ゴッドファーザー』は大ヒット映画となりました。

1974年に『ゴッドファーザーPART II』、そして1990年には『ゴッドファーザーPART III』を公開しこの映画はブルードーンに捧げる映画とされました。

フランシス・コッポラとマリオ・プーゾ

その後、ゴッドファーザーPARTⅣの話が持ち上がりましたが、マリオ・プーゾが1999年に他界したことで、コッポラはマリオなしの続編はあり得ないとし、そのことからも二人の絆の強さを感じますね。

マフィアはプレミア前に映画を視聴した?

マフィアのコロンボの手下シーザーが映画のプレミアへの招待状がいつ届くのか?と言った時のアル・ラディの顔・・・
「しまった・・・それがあったか・・・」という。(^^;;

招待しないわけにはいかないし、プロダクション側や世間への手前マフィアを招待するわけにもいかない・・・という(笑)

結局、ラディは秘書のベティにフィルムリールをこっそりと持ち出してもらい、プレミア前にコロンボファミリーを招待してプライベート上映会を開催した、というストーリーでした。

このお話、びっくりですが実際にあったこと。ラディがのちにテレビのインタビューでこのお話をしています。

ただし、実際に上映したのは今でいうダイレクターズカットというようなもので、実際に映画館で流れたものとは少し違うものだったそうです。
映画のプレミア前に見せたのかというタイムラインははっきりしていません。*3

コロンボ射殺事件とアル・ラディとの友人関係

マフィアのボス、ジョー・コロンボとアル・ラディは、当初はコロンボからの脅しはあったもののお話の中ではアルがジョーの家に食事に行ったりして友人関係を築いた様子が描かれました。

また、ジョーが映画公開直前に射殺され寝たきり状態になり、アルが病院に見舞うという場面も。

実際のところは、1971年2月25日にパークシェラトンホテルで映画製作前に面会をしたきりで、二人が再会することはなかったそうです。*4

その後1971年6月28日にドラマ内で描かれたように政治キャンペーン中にジョーは射殺され、寝たきりとなり1978年5月22日に亡くなりました。

映画プロデューサーとマフィアのボスという、あり得るかもしれないフレンドシップというストーリーラインは、緊張と緩和が伴いユーモアも誘いとっても面白かったですね。

映画『ゴットファーザー』はマフィアの一家を描いたただのドンパチだけでないマフィアの人間性というか、彼らも血が通った人物なのだ、という観点から描かれていたように、この二人の関係もそうであったのではないかな、と思わせるテーマが同じで良かったと思います。

まとめ

ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」は、実話をもとにした嘘のような本当の話。マイルズ・テラー、マシュー・グード、ジョーノ・テンプルらの素晴らしい演技に加え、70年代を正確に再現したセットや衣装も見どころ。

ちなみに英語の原題「ジ・オファー(The offer)」は、映画『ゴッドファーザー』内でのマーロン・ブランドの名台詞「断れないオファー」からきています。

この言葉通り、ラディが数々の断れないオファーを壁にぶつかりながらも解決していく様子は池井戸潤のドラマ並みの爽快感があります。

私はお恥ずかしながら映画『ゴットファーザー』を観たことがありませんがとっても楽しめましたので、映画ファンにとっては数々の名シーンの舞台裏をのぞいているような感覚に陥いることもできて最高にたまらないのではないでしょうか。

海外ドラマ「ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男」がU-NEXTで2022年7月15日から一挙配信!

 

 

 

参考:
*1     https://spikytv.com/is-the-offer-based-on-true-story/
*2     https://spikytv.com/charles-bluhdorn-sell-paramount-pictures/
*3     https://spikytv.com/joe-colombo-and-his-gang-watch-the-godfather-movie-before-released/
*4     https://thecinemaholic.com/were-albert-ruddy-and-joe-colombo-friends-in-real-life/