ドラマ「ミセス・アメリカ」あらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想!ケイト・ブランシェットの演技が圧巻!

ドラマ「ミセス・アメリカ」

アメリカの大統領がトランプからバイデンへ変わり、世界の目がアメリカの政治へ向けられる中、ドラマ「ミセス・アメリカ」を視聴しました。

本作品は、実際にあった歴史的イベント、そして実在する人物を元に描かれており、ケイト・ブランシェットが反フェミニズム代表のフィリス・シュラフリーを演じ、人気ドラマ「ダメージ」のローズ・バーンがフェミニズムのアイコン、グロリア・スタイネムを、その他にもネトフリドラマ「ラチェッド」のサラ・ポールセンなど豪華な顔ぶれです。

ここでは、ドラマ「ミセス・アメリカ」のあらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想をお届けします!

ドラマ「ミセス・アメリカ」あらすじ

1970年アメリカが舞台。

ERA(男女平等憲法修正条項)を巡り、反フェミニズム派のフィリス・シュラフリー(ケイト・ブランシェット)とフェミニズム代表のグロリア・スタイネム(ローズ・バーン)、同じくフェミニズム活動家であり作家のベティ・フリーダン(トレーシー・アルマン)、著名なフェミニズム活動家ベラ・アブザグ(マーゴ・マーティンデイル)らが壮絶な戦いを繰り広げていた。

ドラマ「ミセス・アメリカ」キャスト

ドラマ「ミセス・アメリカ」の主要キャストをご紹介します!

ケイト・ブランシェット(役名:フィリス・シュラフリー)

役柄:保守派/反フェミニズム活動家であり"STOP ERA"キャンペーンの創設者(のちのイーグル財団の代表)。妻であり6人の子供の母親。


オーストラリア出身のハリウッド大女優のケイトは、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞を多数受賞している演技派俳優です。

ウッディ・アレンの作品映画『ブルージャスミン』で主役ジャズミンを演じ、ゴールデングローブ賞 主演女優賞、アカデミー主演女優賞を同時に受賞という快挙を成し遂げました。この作品、おススメです!


私生活はハリウッドにしては珍しく結婚生活22年!!3人の男の子を出産後、女の子を養子として迎え、生活の拠点も夫婦の母国のオーストラリア・シドニーに移しています。

2013年ごろのインタビューでにはアメリカが保守派に傾き女性の権利が危ぶまれることを懸念している、と答えており、本作品で彼女がどういう気持ちで超保守派のフィリスを演じたのか興味深いですね。

ローズ・バーン(役名:グロリア・スタイネム)


役柄:著名なフェミニスト、社会政治活動家。雑誌「Ms」の創設者。


オーストラリア出身の女優さんで、テレビドラマ「ダメージ」の新人弁護士エレン・パーソンズ役で一躍有名になりました。

コメディも出来る多才な演技で映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』や映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』にも出演しています。

私生活ではドラマ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」のロゼッティ役のボビー・カナヴェイルと事実婚をしており娘をもうけています。ちなみにボビーは本作品の5話でフィリスとブレンダのテレビ討論会の司会役としてゲスト登場しています。

マーゴ・マーティンデイル(役名:ベラ・アブザグ)


役柄:著名なフェミニスト、社会政治活動家。カーター大統領の女性問題アドバイザリー。NOWの共同創設者。


マーゴは、貫録ある演技派名脇役で、クリント・イーストウッド監督作品の映画『ミリオンダラー・ベイビー』では、スワンクの母親役を演じ注目を浴びました。

人気ドラマ「SUITS/スーツ」や「グッド・ワイフ」など様々な作品に出演しています。

トレーシー・アルマン(役名:ベティ・フリーダン)


役柄:著名なフェミニストで作家。NOWの共同創設者。


トレーシー・アルマンは、女優としてデビューしその後はコメディアンとして自分の名前がつく冠テレビ番組「トレイシー・ウルマン/ステート・オブ・ザ・ユニオン」を20年以上継続。

超有名なアニメ番組「ザ・シンプソンズ」は、「トレイシー・ウルマン・ショー」番組から生まれたそうです。

ベテラン役者ですが、本作品ではオーディションに次ぐオーディションで疲れ果てた末にゲットした役だと語っていおり、ハリウッドの厳しさを物語ってますね。

メラニー・リンスキー(役名:ローズマリー・トムソン)


役柄:保守派反フェミニズム活動家であり組織 “STOP ERA"キャンペーンのメンバー。


ニュージーランド出身のメラニーは、ピーター・ジャクソン監督の映画「乙女の祈り」のポーリーン役で注目を浴び、その後活動の場をハリウッドに移します。

シットコム「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」ではローズ役としてレギュラー出演。お騒がせ無神経男のチャーリー・シーンと長期にわたって仕事をしたメラニーはここで忍耐力を培ったとコメントしてました。

映画『マイレージ、マイライフ』ではジュリー役、映画『Happy Christmas』のケリー役などで知られています。

サラ・ポールソン(役名:アリス・マックレー)


役柄:保守派反フェミニズム活動家であり組織 “STOP ERA"キャンペーンのメンバー。


人気コメディドラマ「ジャック&ジル」にエリサ役でレギュラー出演しお茶の間の顔に。

その後はレギュラーを獲得するもすぐに打ち切りになったりとイマイチついてなかったのですが、コメディドラマ「Studio 60 on the Sunset Strip」のハリエット役でゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネートされました。

テレビシリーズ「アメリカン・クライム・ストーリー」のO・J・シンプソン事件を扱ったシーズン1では検察官マーシャ・クラーク役を演じ、エミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞女優賞、エミー賞を受賞しハリウッドでの地位を獲得。

最近では、Netflixドラマ「ラチェッド」が記憶に新しいですね。

ちなみに、アリス役はパメラ役と共に本作品の中で唯一の架空の人物となります。

ドラマ「ミセス・アメリカ」ネタバレ感想

7シーズン続いた人気テレビドラマ「マッドメン」のプロデューサー、ダーヴィ・ウォラーが書き下ろした超人気ドラマ「ミセス・アメリカ」は全9話。

各話ごとに1話フィリス、2話グロリア、3話シャーリーというぐあいにキーキャラクターにフォーカスされて描かれています。

初めはケイト・ブランシェットやローズ・バーンという名前に惹かれて観始めたのですが、一気に何話も観てしまったほど、お話の面白さにハマリました!

そして、何より「アメリカって女性進出が進んでいる国じゃなかったの?」という点男女平等が憲法によって保障されていなかったというのはもう驚き以外の何物でもなかったです。

反フェミニズム

物語の主軸は、反フェミニズムを掲げる超保守派と憲法上での男女平等権利を約束するERA(男女平等憲法修正条項)批准を求めるフェミニストたちの戦いです。

反フェミニズム超保守派は「STOP ERA!女の特権を守ろう!」をスローガンに運動を始めたシュラフリーは、6人の子供を育てたことを売りにしており専業主婦が女の幸せと主張。

実際のシェラフリーというと、黒人のお手伝いさんが家事は全て行い、義理の妹で未婚のエレノアが彼女の6人の子供を面倒見ているという・・・

エプロンをしてパンを手作りしてロビー活動をしつつ、裏では有名な弁護士の夫の人脈を利用し、政府高官らに媚びて徐々に活動の場を広げていきます。

フェミニスト


物語では著名なフェミニストたちが登場し、それぞれにフォーカスされて彼女らの社会的活動はもちろん当時の活動家たちの私生活やどんな心境で活動していたのか、などを交えながらお話は進んで行きます。

まず、フェミニストの一番手は第2話で登場する、自らの中絶経験をバネに体験者として、中絶合法化を訴えるグロリア・スタイネム。最も美しい顔ランキングでトップなったローズ・バーンがスタイネムを演じるということで、どうなるか気になっていたのですが、衣装とメイクの力はすごいですね!そして、ローズがスタイネムのマナリズムを完璧にコピーしてました!

3話では黒人女性政治家シャーリー・チゾムがフォーカスされ、ウド・アドゥバが演じました。チゾムは元々はフェミニストというより黒人としての人権派だったと思いますが、全米女性機構が民主党としては初めての黒人女性が立候補したことで彼女を全面的にサポート。なので、チゾムはフェミニストでもあり黒人人権派でもあったといえるでしょう。

4話は、レーシー・アルマン演じるベティ・フリーダン。1963年に出版した本『新しい女性の創造』が大きな話題を呼び今まで隠れフェミニストだった女性達の多大な支持を受けてフェミニズム運動の発端を作りました。

6話にフォード大統領によって任命されたホワイトハウス女性プログラム事務局長ジル・ラッケルズハウスが。エリザベス・バンクスが演じています。

7話は、マーゴ・マーティンデイル演じるベラ・アブザグ。女性の権利向上を訴えた弁護士、そして政治家で全米女性機構の創設メンバー。後に初めてゲイの権利を訴えた人物でもあります。

女性の敵は女性だった

5話は、シュラフリー夫妻とブレンダとマークの夫婦討論会でしたが、映像がネットでは見つけられなかったのですが、実際にあったことです。

ドラマの中の通り現役弁護士のブレンダの追及に全く歯が立たなかったシェラフリー。

ドラマを観ていて思ったのですが「女性の敵は女性だった」ということです。

シェラフリーの保守的考え方は、男性と結婚して子供を授かり育て、お金に困らず専業主婦をしていくにはパーフェクトな考えです。

しかし、世の中にはレズビアンもいれば、シェラフリーの義理の妹のように結婚できない女性もいる。また、夫の稼ぎだけでは食べていけない女性、そして、ドラマ内の架空の人物像であったパメラのようにモラハラ夫に妊娠させられる女性など、100人の女性がいれば100通りの人生があるのです。

しかし、シェラフリーには白と黒しかない。グレーは存在しないのです。こういう考え方は本当に危険で、女性差別だけでなく人種差別にも結局繋がっていきます。

ERA

男女平等憲法修正条項Equal Rights Amendment (ERA)批准を巡ってあれだけ凄まじいバトルを繰り広げられたわけですが、ERAが批准されたのはなんとごく最近。

批准期限が何度も延長され1982年の批准期限に憲法修正に3票不足し不成立となったのです。

ハーヴィ・ワインスタインのセクハラ問題を発端とした"Me too運動”などの影響を受け第4派のフェミニズムが起り、2017年にネヴァダ州、2018年にイリノイ州、そして2020年にヴァージニア州が1982年の期限が無効になったことを受けてERAを批准しました。(しかし、エキスパートらは5州の批准がキャンセルされていることから法的には有効でない、としています。)

ここで、一緒に観ていた夫が一言。ERAが批准されることでどれだけ女性の生活が変わるのか?

確かに、私達女性はもうすでにパワーを持っていて、Me Too運動が出来れば、女性CEOだって珍しくありません。ただ、法律問題になった時に「男女の権利が平等」と憲法に記されて無い限り細かい部分で問題が出てくるのであろうと思います。

結局最後は「法的には・・・」が全てなのです。

シェラフリー

シェラフリーは「ミセス・アメリカ」の中ではケイト・ブランシェットが演じており、彼女がヒーローだと思って観始めた私のように肩透かしをくらった方も多いのではないでしょうか。

でも、だからこそこの男女平等権利問題に真実味が増し、ドラマとして面白くなってくるというものです。

反フェミニズム側のシェラフリーの頭の中を垣間見るからこそ、いかにわざわざ女性の権利に反対しようとする人物がどこか病んでいることに気づきます。

ドラマの中で、シェラフリーは自分が弁護士でないことで屈辱を度々味わうわけですが、夫は「弁護士になるには歳をとりすぎている」と言います。

そして妻が夜の営みをNOと言っているにも関わらず無理やり押し倒され、仕事を通じて会う政治家たちはシェラフリーの肩に手を回したりセクハラされるわけですが、それに対して嫌悪感を感じていたのは確か。

ただ、彼女の唯一の強みは弁護士の夫と結婚していて子供を6人育てている、ということ。(殆ど子育てしていないにも関わらず)なので、保守的な立場を取ることで自分の立場を肯定し、その為には男性に媚びることでしかなかったのでしょう。

媚びていることを隠しながら自分の優越感を満たすためには、女性権利を止める運動というのが最適だったのかもしれません。しかし、彼女の活動はゲイであった長男のセクシャリティを否定することでもあったのです。(1992年にジョン・シェラフリーは自分がゲイであることを公表しています。)*1

もし、(歴史に「もし」はダブーですが)シェラフリーがフェミニズムの邪魔をしなかったら・・・と思わずにはいられませんね。

まとめ

とにもかくにも、ケイト・ブランシェットの演技は最高でした!
最後にレーガンから「ホワイトハウスに入閣出来ない」と言われた時のあの表情は何ともいえない表情でしたねー。シェラフリーはにっくきキャラクターでしたが、あの瞬間だけはなぜか私も泣いてしまいました。

「ミセス・アメリカ」は、アメリカの女性権利の歴史を学べてしまうだけでなく、エンターテイメントしても珠玉の作品です。

ついこの間までWOWOWで視聴できたのですが、残念ながら期限が過ぎたようです。また、配信されましたらこちらでお知らせします。

参考:
*1 https://www.bustle.com/entertainment/phyllis-schlaflys-son-john-still-supports-his-moms-conservative-views-22853715