『羊たちの沈黙』スピンオフドラマ「クラリス」のあらすじ、キャストの紹介、感想
本作品は、1991年に公開され大ヒットした映画『羊たちの沈黙』のその後を描いたスピンオフドラマで全13話。題名「クラリス」はヘクター博士と対峙した新人FBI捜査官クラリス・スターリングからきています。
凶悪な“バッファロー・ビル事件”から一年が経過し、現場から遠ざかっていたクラリスが新たなチームでFBIエージェントとして数々の凶悪事件を解決していくなかで、どうやって自身のトラウマと向き合うのかが描かれています。
ここでは、『羊たちの沈黙』スピンオフドラマ「クラリス」のあらすじ、キャストの紹介、ネタバレ感想をお届けします。
『羊たちの沈黙』スピンオフドラマ「クラリス」のあらすじ
新米FBIエージェントのクラリス・スターリングは、収監中の精神分析科医のレクター博士の協力のもと、女性の生皮を剥ぐ猟奇的連続殺人バッファロー・ビル事件を解決するもののトラウマに悩まされ、現場から離れてから1年が経過しようとしていた。
事件の唯一の生存者を娘にもつアメリカ合衆国司法長官ルース・マーティンは、新たな連続殺人事件の特別捜査班VICAPに加わるようにクラリスに命ずる。
事件以来、FBIの同僚からは距離を置かれていたが、友人アーデリアや新しい同僚トマス・エスキヴェルのサポートを得ながら、クラリスは持ち前の勘を発揮し2つの事件の関連性を見つける。
『羊たちの沈黙』スピンオフドラマ「クラリス」キャスト
レベッカ・ブリーズ(役名:クラリス・スターリング)
A birthday and an episode. What a day @BecEBreeds. #Clarice pic.twitter.com/LRHyPyOLqF
— Clarice (@ClariceCBS) June 18, 2021
役柄:新米FBIエージェント。バッファロー・ビル事件を解決したことから世間的にも名前が知られてしまう。
シドニー出身のレベッカは、オーストラリアのソープオペラ「ホーム&アウェー」のルビー役で一躍お茶の間の顔に。
私生活では「ホーム&アウェー」で共演したルーク・ミッチェルと2013年に結婚。
マイケル・カドリッツ(役名:ポール・クレンドラー)
There’s one more episode left of this season. Stick with it to the end. #Clarice pic.twitter.com/OpxGhDZTn1
— Clarice (@ClariceCBS) June 18, 2021
役柄:特別捜査班VICAPの指揮官。バッファロー・ビル事件でクラリスに事件を解決され面白く思っていない。
ドラマ「サウスランド」のジョン・クーパー役、「ウォーキング・デッド」のエイブラハム・フォード役で有名。
ジェイン・アトキンソン(役名:ルース・マーティン)
It’s ok. We’re all going to be ok. #Clarice pic.twitter.com/1mfWSnZLxp
— Clarice (@ClariceCBS) May 14, 2021
役柄:アメリカ合衆国司法長官。娘のキャサリンはバッファロー・ビル事件の唯一の生存者。
「The Rainmaker」と「魅せられて四月」で2度トニー賞にノミネートされたベテラン女優。連続テレビドラマ「24 -TWENTY FOUR-」のカレン役や「クリミナル・マインド FBI行動分析課」のエリン役、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のキャサリン役などで知られています。
『羊たちの沈黙』スピンオフドラマ「クラリス」感想
Can you feel the self-sabotage settling in? Tune in to an all-new episode of #Clarice tonight at 10/9c. pic.twitter.com/zXamG0k1l4
— Clarice (@ClariceCBS) June 17, 2021
大ヒットした映画のスピンオフドラマというのは得てして映画ファンや批評家たちから厳しい評価がくだりがちですが、本作品も例にもれず残念ながらシーズン2の話は現段階(2022年6月16日)ではもちあがっていません。
問題は、視聴者の多くは映画『羊たちの沈黙』のようにハラハラドキドキの緊迫感マックスというお話を期待していた、という点だと思います。
本作品は、あの凶悪事件後のクラリスの心の内面を描いたもので、事件を捜査する中でヘクター博士との関係性と自身の子供の頃の心の傷に向き合い、どうやってあの猟奇的殺人事件のトラウマから立ち直っていくか・・・というストーリー展開になっています。
先日全13話を視聴し終わりましたが、私としてはシーズン2がなくて残念。レベッカ・ブリーズの演技はとっても良かった!
話し方も映画のジョディ・フォスターを彷彿させるもので、かなりのリサーチをして臨んだ演技だったと思います。
「クラリス」はあの事件から1年後という設定で1993年。
クラリス・スターリングは、美人、そして歴史的事件を解決したエージェントということで、度々タブロイド紙を飾るほどの存在ですが、実際は行動科学班でデスクワークをしながらセラピーを受けており、事件のトラウマから立ち直れてない様子。
クラリスは実のところ新米のFBIエージェントなんですよね。いわば、あのバッファロー・ビル事件ひとつしか解決していない。
なので、クラリス自身はトラウマがある中で世間の評価と捜査官としての自信のなさのギャップに苦しんでいて、アメリカ合衆国司法長官のルース・マーティンが連続殺人事件の捜査にクラリスを任命するものの、彼女自身はまったく乗り気でありません。
どうやってクラリスがトラウマを克服するのか?
やはり、現場だったんですよね。FBIの同僚を信頼し、上司を頼り、一つ一つの事件を解決していくことで、はじめて捜査官として成長してきます。
ストーリーでは、70年代を生きた女性なら分かると思いますが、男性社会の中でいかに女性の立場が悪かったかが描かれており、特にFBIなんてどんだけ男尊女卑だったかは、たやすく想像できますよね。
そして、人種差別といった当時の問題をお話に組み込むことでリアリティ感が増し、キャラクターが苦しみ悩みつつも諦めずに仕事をしている姿に共感するはずのないFBI捜査官になんだか少し共感したり。
特に、スマホがない時代の捜査も見ていて新鮮でしたね。グーグルできないからクラレスの勘が冴える!
Take notes. #Clarice pic.twitter.com/7RE9Ron9kb
— Clarice (@ClariceCBS) May 7, 2021
そして、クラリスが助け出した唯一のバッファロー・ビル事件のサバイバー、キャサリンとの関係もみどころ。
クラレスは自分を決して事件の被害者だとは思いたくない。トラウマがありセラピーを受けているにも関わらず。だから、キャサリンがクラレスに連絡を取ってきた時に冷たい態度をとってしまう。それは「自分はあなたとは違う。被害者ではない。」と思いたいから。
しかし、結局はキャサリンが自らビル・バッファローの母親に会いに行ったことで、キャサリンを助けざるを得なくなり、ビル・バッファローの母親の話を聞くことでいろいろと答えが見えてくるのです。
もう一つの見どころは映像美だと思います。
映画『羊たちの沈黙』ではあの有名なTak Fujimotoさんが映画撮影監督で、真っ黒な地下室やトンネルの中で少しだけさしこむ太陽の光や、水たまりや川に反射する景色などがとても綺麗に描かれていましたが、本作品も負けてはいない。お話の内容はとてもダークで女性の死体が映し出されますが、残忍さの中にも自然美がある感じがしました。
まとめ
レビューがいまいちだからと頭から決めつけず、ぜひぜひ4話くらいまで一気に見てみてください。そこからは止まらなくなり、最終話を見終えた後には、もっと次が見たい!と思ってしまっただけに、シーズン2がないのは本当に残念。
レベッカー・ブリーズの今後に期待!
ドラマ「クラリス」は、Huluでご覧になれます。(2022年6月16日現在)
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