『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1 あらすじ、感想 絶対にネタバレなしで観て!
ちょっと変わりどころのイギリスの連続ドラマ『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1は、ドラマ映画批評サイトRotten Tomatoesで94%の高満足度を獲得した知る人ぞ知るドラマです。
脚本が素晴らしいのはもちろん、撮影場所もとても独特な土地の形状の場所で撮影されたことが話題を呼び、また、ゆっくりと話が進むのですが、常に緊迫感が漂い「誰が殺した?」と最後の最後まで視聴者を画面に釘付けにし、イギリスのITVテレビ局では史上最高の視聴率34.2%を獲得しました!
ここでは、私が100%自信を持っておススメするドラマ『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1のあらすじ、感想をご紹介しますが、もちろんネタバレなし!です。
『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1 あらすじ
お話は11歳の男の子、ダニー・ラティマーの死体が小さな海外沿いの街・ブロードチャーチの海辺で見つかるところから始まる。
その事件の捜査に都市部からブロードチャーチに来て間もないアレック・ハーディ刑事と地元警察署に勤務するエリー・ミラー刑事が担当することになるが、小さな町で起こった事件であるので、亡くなったダニーの家族(母親:ベス、父親:マーク、姉:コール)や町人を個人的に知っているミラー刑事にとっては精神的にもタフな捜査となる。
住民が住民同士を疑い、そこにメディアが加わり殺人事件の捜査は難航するとともに、家族、そしてブロードチャーチの住民の人たちの秘密が次々と明らかになっていき・・・
『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1 キャスト
シーズン1のメインキャストをご紹介します。
デヴィッド・テナント(役名:アレック・ハーディ刑事)
主人公の一人であるアレックは、都市部から来た経験豊富な優秀な刑事だが、ある理由を元に小さな町ブロードチャーチに配属される。
どこか影があり、相棒のエリー・ミラー刑事には最初はとってもつっけんどんな態度を取る。
アレック役を演じるデヴィッド・テナントは、スコットランド出身の俳優さんで、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、あのイギリス欧米でも大人気のロングランSFドラマ『ドクター・フー』の10代目ドクター役で一躍知名度もあがり人気者になりました。映画にも数多く出演しているベテラン俳優で、最近では2019年4月に日本で公開された『ふたりの女王メアリーとエリザベス』のジョン・ノックス役を演じています。
オリヴィア・コールマン(役名:エリー・ミラー)
出典:BBC America
もう一人の主人公は、お話の舞台となる小さな海沿いの街ブロードチャーチの警察署に勤務する女性刑事エリーで、夫と10代の息子と乳幼児と暮らしており、このダニー殺人事件は、エリーの産休明けの最初の事件となる。ちなみに夫のジョー・ミラーは赤ん坊の面倒を見る為、主夫。
小さい街だけに、ミラー刑事は町中の人のことを良く知っている。赴任したばかりのアレック刑事と共にダニー殺害事件捜査を行うが、無愛想なアレックに最初は嫌悪感を持つ。
オリヴィア・コールマンは、イギリス東部の出身なのでかなりきつめな英語のアクセントですが、デヴィッドよりはマシかな・・・
イギリスでは有名な女優さんで、英国アカデミー賞やゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞するなどかなりの演技派です。
ジョディ・ウィテカー(役名:ベス・ラティマー)
殺されたベンの母親ベスは、夫と娘とベンの4人で暮らしていたが、ある日突然息子を奪われ悲しみのどん底に落ちる。母親としてベンに対する後悔や捜査と共に明らかになる夫の裏切り。悲しみと憎しみの感情が湧き上がり苦しむが、何とかして息子を殺した殺人犯を見つけようと必死になる。
ベスを演じるのは、ウェストヨークシャー出身のジョディ・ウィテカー。2017年にはデヴィッド・テナントと同じで『ドクター・フー』の13代目ドクター役をゲットし、女性のドクター役はシリーズ上初めての試みで話題になりました。
『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1 感想(ネタバレなし!)
『ブロードチャーチ-~殺意の町』シーズン1は、2013年にイギリスで放送され、シーズン2は2015年にそして最後のシーズン3は2017年に放送されました。
あらすじだけを読むと、どうしてそんなに高い視聴率を獲得できたのか?と思われるかもしれませんが、その秘密はドラマの撮影方法にあったかもしれません。
製作チームは、結末がリークされないように、全ての台本にはウォーターマークを施しコピーされないようにした上で、撮影中に使う台本は使用してない間は鍵のかかった金庫に保管するなど徹底し、また、撮影開始時には、脚本家と他4人にだけ「誰が殺人犯か」が知らされたそうです。
つまり、主役の2人デヴィッド・テナントにしろオリヴィア・コールマンにしろ、誰が殺人犯か分からないで演じているわけですから、リアリティ感が更に増す、っていうことですよね。
そして、もう1つの要因は、視聴者が共感できた、という点でしょう。
確かに、子供の殺人事件が自分の住んでいる町で起こる、というのはあまりないことなのかもしれませんが、捜査と共にブロードチャーチの住人たちの秘密・生い立ち・本性などが次々に明らかになって、夫婦や家族関係がギクシャクしはじめ、町中の噂になっていく様子は、自分があそこに住んでいたら・・・・と思わず感情移入せずにはいられません。
最終回の冒頭で殺人犯が明らかになるのですが、その真実はあまりも辛いもので、加害者側の家族や友人、そして被害者側の家族や友人、とブロードチャーチの人々が嵐の中に巻き込まれ行く様子に、胸が締め付けられる想いになりました。
このドラマの脇を支えるブロードチャーチの住人たちを演じる役者たちも素晴らしかったですが、やはりデヴィッド・テナントとオリヴィア・コールマンは別格の素晴らしさです。
デヴィッド・テナント演じるアレック刑事は自分の病気を隠しつつ捜査に及ぶのですが、つい「無理しないで~」と思ってしまうし、彼の抱える心の闇も時々垣間見ることが出来るのですが、その表現力が素晴らしい!本当に辛そう!
そして、このドラマをめちゃくちゃ暗いドラマにしていないのは、彼と相棒のミラー刑事とのユーモアのあるやりとり。ミラーとアレックのコンビが良いケミストリーを出していて、このドラマを更に魅力的なものにしています。
また、撮影場所は、ジュラシック・コースト(Jurassic Coast)と呼ばれる場所で、イギリス南部に位置する世界遺産に登録されている海岸で、ここがドラマ内ではブロードチャーチとされており、小さな海岸町で起こる殺人事件は閉塞感に息が詰まりそうにもなりますが、このひらけたユニークな絶壁海岸沿いの風景がお話の内容と上手くバランスが取れているような気がします。
久々に観たイギリスのドラマ、アメリカのドラマのような派手さは一切ありませんが、人間の心理を細かく丁寧に描いた秀逸な大人の為のドラマです。
『ブロードチャーチ-~殺意の町』は、U-Nextで2020年の3月31日まで配信、又はAmazonでコレクターズボックスが販売されています。
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